【実録】初めてのレベル3.5申請手順:飛行許可の矢野事務所

【実録】レベル3.5初めての申請手順

 

レベル3.5の申請事例はまだまだ件数が少なく、その手順等はあまり知られていません。

弊所の経験に基づいて初めて申請した際の内容を実録として解説します。

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独自マニュアル付き

国土交通省航空局への事前相談

レベル3・5飛行の許可申請は全て「紙申請」です。

作成した資料をメールで送り、メールで審査官とやりとりし、許可が下りると許可書は郵送で送られてきます。

その紙申請手続きのスタートは、航空局に対し「3.5飛行の申請をしたい」旨のメールを送ることから始まります。

これが3.5申請の第一歩です。

事前相談窓口

これを航空局では「事前相談」と呼んでいて、窓口とアドレス、指定されているメールの「件名」は以下となっています。

事前相談

航空局安全部無人航空機安全課 制度改正担当

✉:hqt-jcab.mujin@ki.mlit.go.jp 

件名:レベル3.5飛行にかかる相談

メールの本文には、簡単に以下の内容を記せば大丈夫です。

社名・飛行目的・飛行場所・日程等、常識的な概要でOKです。

航空局からの返信と指示

そうすると、すぐに下記のメールが送られてきました。

レベル3.5飛行を行う計画があるとのことですが、具体的にどのような飛行内容でしょうか。
下記をご確認のうえ、計画概要の詳細をお知らせください。(機体、飛行経路、体制、補助者の有無、時期等)特に飛行経路図をご提出ください。

レベル3.5飛行を行うにあたっては、設置する地上設備(一定以上の大きさのモニター等)、カメラ及び通信装置等の構成において、カメラからの映像を表示し、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺に第三者の立ち入りが無いことを確認できることを事前に確認すること、また、映像伝送不良や通信不良時等、飛行のリスクと対策等の運航条件等を事前に定め、設定した運航条件に基づき飛行させることが必要です。

すでに当制度を活用されている事業者様においては、過疎地での荷物配送や、長大な送電線点検といった遠隔監視による補助者の配置が難しい自律飛行といった運航形態において、運航管理システム等の運航管理体制を構築されたうえで、レベル3.5飛行が行われております。

どうぞよろしくお願い致します。

航空局

このメールを受けて、早速計画の概要資料の作成に着手しました。

メールにある通り「特に飛行経路図」を明らかにした「3.5飛行計画関連資料」と題したPDFを作成し送りました。

運航概要宣言書等の作成

運航概要宣言書という宣誓様式

翌日、下記のメールが届きました。

矢野様
お世話になっております。航空局無人航空機安全課です。

飛行のご詳細についてご連絡いただきありがとうございます。

添付のとおり、運航要件宣言書および飛行マニュアルを送付いたしますので
内容ご確認いただき、運航要件宣言書作成の上返送いただければ幸いです。

作成に当たり不明点等ございましたら、本メールにご返信いただくか
無人航空機安全課までお問い合わせください。

どうぞよろしくお願いいたします。

無人航空機安全課担当

そして添付資料が三つ。

①運航概要宣言書

②運用条件設定

③飛行マニュアル

運航概要宣言書とは、どのようなドローン事業を行っている運航業者が、どのような目的で、どのような機体で飛ばすものかをまず示し、レベル3.5飛行のルールを守ることに関して種々の要件を「宣言」するものです。

意外とシンプルです。(画像は一部です)

運航概要宣言書

別紙:運航条件等設定

更に、作成提出が必要な「別紙:運航条件設定」という資料が添付されています。

3.5飛行に必要な要件が列挙されており、これについて記載していく資料となっています。

「道路等上空通過の決心点 」などこれまでの飛行には無かった要件を自分の言葉で記述する必要があり、なかなか重たい資料です。

別紙_運航条件設定

飛行マニュアル

レベル3.5で使用するマニュアルは指定されています。

その指定マニュアルがこの段階で送られてきます。

正確には「機上カメラ装置により立入管理措置をとる目視外飛行:―「レベル 3.5 飛行」等- 」というマニュアル名称です。

3.5ではこのマニュアル以外で飛ばすことは出来ないので要注意です。

この段階では、このマニュアルを受け取るだけです。

機上カメラ装置により立入管理措置をとる目視外飛行等 飛行マニュアル(R06.5.29適用)

機体の追加基準作成

上記の2点(運航概要宣言書と運航条件設定)を作成し国交省に送ると、以下のメールが届きました。

初回のご申請となりますので、運航概要宣言書中以下の基準適合状況について確認をさせていただけますでしょうか

あなたは「初回のご申請」・・・なので、3.5の条件をしっかり認識して整備することができる方なのか確認したいので、運航概要宣言書の中にある「無人航空機の機能・性能及び飛行形態に応じた追加基準に関する基準適合状況」について、国交省のHPに掲載されている様式を使って作成提出せよ、、、ということです。

3.5申請の手続きは簡素化されている、、、と聞いていましたが、初回申請は別だということが分かり「やはり来たか、、、」という印象でした。

これはレベル「3」申請の際に使う様式なのですが、過去の経験からこれが最も大変な作業であることを知っていたので、ここの時点で覚悟が定まりました。

国交省が公開している記入例をご覧ください。

無人地帯での補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行)飛行承認申請の申請書記載例

さらに「追加基準」が・・・

上記の「機体に関する追加基準」を記入例で基づいて作成し提出しました。

すると次のようなメールが届きました。

矢野様

お世話になっております。

レベル3.5飛行については別添の追加基準への適合の確認が必要となっております。

また、恐れ入りますがDIPSにてレベル3.5のご申請は対応しておりませんので、紙でのご申請をお願い致します。

提出される場合は、御社にて使用される運航者コードアルファベット3桁をご教授ください。

どうぞよろしくお願い致します。

無人航空機安全課

追加基準の作成

先の「機体に関する追加基準」の提出指示に対応し、経路図も含めて作成提出しましたが、再度このような「追加基準」提出指示が来てしまいました。

当局に確認したところ、経路図も含めて改めて全要件を出す必要があるとのことです。

まるで二度目の「許可申請書」を作成するような感覚で取り掛かりました。

フォーマットは以下の通りです。

追加基準

運航者コードとは

3.5飛行は、運航者ごとにその許可承認を管理しているそうで、その管理の為に用いる運航者コードを申告する必要があるとのことです。

何でもよいので、希望する「アルファベット3桁」を提出するだけです。

運航業者様と相談し、社名から「アルファベット3桁」を選んで決めました。

地方航空局への飛行許可申請

上記の「追加基準」を送ってから、それから約1カ月の間何度も内容のやりとりを経て、ようやく下記のメールが届きました。

我々より運航概要宣言書の受理の連絡をさせていただいたのちに、東京航空局までご提出いただければと思います。

東京航空局連絡先

e-mailcab-emujin-daihyo@mlit.go.jp

どうぞよろしくお願いいたします。

航空局

このメールで作成を指示された「別添資料」とは東京航空局への飛行許可申請書のことです。

つまり、ようやく「運航概要宣言書」の全てが認められて「受理」という運びになり、レベル3.5申請の管理番号が付与され、最後の工程となる地方航空局(今回は東京航空局)による実務的な審査に移行するということです。

このようにレベル3.5は現時点では、国交省本省と地方航空局が連携して案件を共同管理していく運用が行われています。

レベル2や3では基本、地方航空局が審査を一手に引き受けていますが、レベル3.5は次元が異なる扱いをされていることが分かります。

飛行申請様式

地方航空局に送付する申請様式はこれまでの資料とくらべれば割とシンプルですが、ところどころ迷う部分はありますので、その際はメールか電話で確認していきました。

内容に不備がある場合は「修正依頼」という通知書が届きますので、それに基づいて一つ一つクリアしていけば良いでしょう。

飛行申請様式

初回申請だけ行政書士を起用

許可書の発行

許可書は郵送が基本ですが、あらかじめPDF送付をお願いしていれば対応してもらえます。

東京航空局への申請から7開庁日程度で許可書が発行されました。

 

初回だけ専門行政書士へ

以上が、弊所が行った初めての3.5申請手順のあらましです。

正直言って、初回の3.5申請手続きは量も多く、初めて見るものが多いため大変です。

ここは、十分に時間を確保して当局とのやりとりを根気強く重ねながらクリアしていくしかないようです。

ただ、二回目からは初回で提出した「運航概要宣言書」が尊重され、特に問題なければ管理番号がすぐに発番されて、地方航空局への申請に移ることができ格段に楽になります。

なので「初回だけ」を専門の行政書士を起用して確実に許可を取得し、国交省の登録実績に基づいて二回目以降をご自身で行うことをお勧めします。

 

包括申請22,000円(税込)

行政書士矢野法務事務所の所在地は東京都八王子市ですが、北海道や九州の案件もお受けする全国型の事務所です。
ドローン法務に詳しい当事務所にご依頼頂き、手間の要らない確実な飛行許可申請を行いましょう。

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