ドローンレベル3.5飛行にDIDが含まれる飛行計画:矢野事務所

ドローンレベル3.5飛行にDIDが含まれる飛行計画

 

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2025年秋、レベル3.5(無人地帯での補助者なし目視外飛行)のマニュアルに、新たに DID(人口集中地区)に関する条項 が追加されました。

「レベル3.5は無人地帯が前提のはず。なぜDIDが?」と疑問に思われた方も多いと思います。

しかしこの追加は、制度がDID飛行を解禁したわけではありません。

“現実の地形や経路上、どうしても D I D が触れてしまうケース” に制度側が対応した というのが正確な背景です。

本記事では、DIDが経路上に存在する場合の3.5飛行について、その安全措置や航路設計の考え方を飛行計画の案としてを整理してみます。

レベル3.5にDIDが登場した理由

レベル3.5は、次の特徴があります。

  • 無人地帯での飛行が原則

  • 第三者上空の飛行は禁止

  • 補助者の配置不要

  • 目視外を前提

ところが、実際の飛行経路を設計してみると──

  • 河川沿いにDIDが一部重複

  • 谷地形の両岸がDID

  • 避けようとすると高度上昇・長距離迂回となり逆にリスク増大

といった“避けきれないDID区間”がしばしば存在します。

今回のマニュアル改訂は、「レベル3.5の原則を守りながら、やむを得ずDIDに触れる場合の安全措置を明確化」したものと理解するとよいでしょう。

追加された義務のポイント

マニュアルに明記された要点は以下の一文に集約されます。

「問い合わせ先を明示し、上空飛行を事前に周知することを含め、第三者の上空を飛行させない安全措置を講じること」

すなわち、

● D I D 区間を通過する場合は、  周辺住民・関係者への周知義務が発生する

● それでも第三者上空は飛行禁止

● そのための安全措置を厳格に行う必要がある

ということです。

DIDが経路に含まれる飛行計画案

以下は実際に実務で応用すべく事業者がまとめた“案”です。

① 航路設計の基本方針(案)

  • 第三者の立入りが少ない区域を優先
    → 河川敷、堤防、農用地、緑地帯等

  • 家屋密集域の直上は避ける

  • 滞空やホバリングを行わず、必ず通過型航行で設定

  • DIDを避けきれない場合は、公共空地等をつなぐ“安全コリドー(回廊)”を形成

この設計により、第三者上空のリスクを最小化します。

② DID区間の「事前周知」(案)

義務化された周知の例は次のとおりです。

  • 地域回覧板・自治会連絡での周知

  • 立て看板または掲示板での明示
    (問い合わせ先・飛行日時・飛行理由を明記)

  • 必要に応じて関係施設・管理者への通知

これは「第三者が予期しない飛行によるリスク」を排除する目的があります。

③ 立入管理区画の設定(案)

DID内を通過する場合でも、第三者上空は飛行禁止という原則は不変です。

その為あらかじめ「 飛行高度・飛行速度・風速」から落下距離を計算し、 飛行経路の左右に「立入管理区画」を設定します。

落下距離の例(案);製造者データから採用

  • 高度25m × 速度10m/s → 34m

  • 高度55m × 速度10m/s → 51m

  • 高度25m × 速度7m/s → 28m

  • 高度20m × 速度4.5m/s → 20m

この範囲内に第三者を入れないよう、安全確認できない場合は 飛行停止・中断 を行います。

④ 緊急着陸地点の設定(案)

DID区間を通過する場合でも、緊急時に備え、

  • 河川敷

  • 緑地帯

  • 管理された公共空地

  • 第三者立入りが少ないスペース

を複数設定しておきます。

異常発生時は、
自動帰還/緊急着陸/安全空域への退避 を選択できるようにします。

⑤ カメラ・通信体制の構築(案)

第三者侵入を確実に検知するため、

  • 超広角FPVカメラ

  • 夜間対応カメラ

  • 通信の二重化(例:専用通信+LTEバックアップ)

  • 運航管理システムによる常時監視

などの多層構造を推奨します。

カメラが不鮮明になったり故障した際は、
即時に安全地点へ退避し飛行中断する設計が望まれます。

⑥ DID区間の飛行速度・高度設定(案)

DID内での例(案):あくまでも一例です。

  • 飛行速度:7.0m/s以下

  • 飛行高度:20m以上

落下距離を考慮して設定します。もちろん、現場環境によって最適値は調整されます。

まとめ:マニュアル変更の本質

今回のレベル3.5マニュアル改訂は、「DIDでも飛べるようにするための緩和」ではなく「やむを得ずDIDが含まれる場合の安全措置を明文化」したという位置づけです。

制度の本質である“第三者上空の飛行は禁止”という原則は変わりません。

そのうえで、地形や環境による“避けきれないDID区間”に対して、事業者が安全策を立てやすいよう、制度側が整理した形です。

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