レベル3.5は「なぜ2ではだめか」が問われる|矢野事務所

レベル3.5は「なぜ2ではだめか」が問われる|矢野事務所

 

レベル3.5飛行は、「補助者を減らせる便利な制度」と理解されがちです。

しかし、実務はそこまで単純ではありません。

現時点では、当局は基本的に、

「レベル2で目的達成できるなら、まずそちらを採るべき」

という方向で見ています。

つまり、レベル3.5は「立入管理が面倒だから使う区分」ではありません。

なぜレベル2では成立せず、レベル3.5という別構造が必要なのか。

ここを説明できるかが重要になります。

まずレベル2と3.5の違いを整理する

ドローン飛行は、リスクに応じて段階的に整理されています。

  • レベル1:目視内飛行
  • レベル2:目視外飛行
  • レベル3:無人地帯での目視外飛行
  • レベル4:有人地帯での補助者なし目視外飛行

この中で実務上よく問題になるのが、レベル2とレベル3.5です。

核心は、地上側の立入管理措置をどう扱うかにあります。

  • レベル2:補助者、コーン、ロープ、周知などで第三者を管理する
  • レベル3.5:立入管理措置を軽減し、その代わり別の方法で安全を成立させる

つまり、レベル2は「地上側で管理する世界」です。

一方でレベル3.5は、「地上を囲わず、別の仕組みで第三者状態を確認し続ける世界」です。

「立入管理が重い」は理由になり切らない

実務では、レベル2の立入管理措置はかなり重い負担です。

補助者配置。

コーンやロープの設置。

周辺住民への対応。

人の流れの監視。

広範囲の確認。

特に、自然環境の継続撮影や広域観測では、この負荷は現実的にかなり重くなります。

そのため、

「立入管理を軽くしたい」

と考えるのは自然です。

しかし、ここで重要なのは、当局は「事業者負担」より先に、「より低リスクな方法で目的達成できないか」を見ている点です。

つまり、レベル2で安全に成立できるなら、まずはその方法を採るべきだ、という考え方です。

レベル3.5は「立入管理不要制度」ではない

ここを誤解すると、実務で前に進めません。

レベル3.5は、「補助者なしで楽に飛ばせる制度」ではありません。

むしろ逆です。

立入管理措置を軽減する代わりに、

  • 予期せぬ第三者をどう確認するのか
  • 第三者侵入をどう把握するのか
  • 誰が停止判断するのか
  • どの状態で飛行を中止するのか
  • 代替安全措置は何か

これを、レベル2以上に重く説明しなければならない世界です。

つまり、レベル3.5は「管理を減らす」ではなく、

「別の方法で第三者状態を維持する」

ための運航設計です。

実務で本当に問われること

実際の申請では、次の問いがかなり重く見られます。

「なぜレベル2ではだめなのか」

ここです。

自然観測。

広域撮影。

長距離飛行。

継続的観測。

こうした目的自体は理解されても、

「立入管理を頑張ればレベル2でできるのでは」

という視点は非常に強く見られます。

つまり、単なる負担軽減では足りません。

なぜレベル2では運航成立できないのか。

なぜ3.5でなければならないのか。

この構造説明が必要です。

第三者状態の説明責任が重くなる

レベル3.5では、「第三者がいないつもりだった」は通用しにくくなります。

山。

河川。

森林。

農地。

一見、人がいないように見える場所でも、予期せぬ第三者は入り得ます。

だからこそ、

「どう確認し続けるのか」

が重要になります。

これは単なる制度論ではありません。

運航管理そのものです。

この考え方は、ドローンは操縦でなく運航管理|矢野事務所に直結します。

包括申請では説明し切れない

レベル3.5は、包括申請だけで自動的に成立するものではありません。

飛行場所。

第三者状態。

確認手段。

監視方法。

停止条件。

中止判断。

これらは、現場ごとに変わります。

つまり、包括申請だけでは、運航成立性を説明し切れない場面が多いのです。

この点は、包括申請でも成立しない飛行とは|矢野事務所で整理している内容と重なります。

レベル3.5は文書化で強くなる

レベル3.5では、文書化が特に重要になります。

  • 第三者確認方法
  • 監視体制
  • 停止条件
  • 緊急時対応
  • 代替安全措置
  • なぜレベル2では成立しないか

これらを、後から説明できる状態にしておく必要があります。

つまり、レベル3.5は単なる飛行区分ではありません。

「立入管理を外しても成立すると説明できる運航構造」

そのものです。

この考え方は、ドローン運航は『文書化』で成立する|矢野事務所につながります。

まとめ

レベル3.5は、「楽に飛ばせる制度」ではありません。

むしろ、立入管理措置を軽減する代わりに、別の方法で第三者状態を維持できることを説明しなければならない制度です。

だからこそ、実務では、

「なぜレベル2では成立しないのか」

が重く問われます。

機体。

資格。

監視方法。

第三者確認。

停止条件。

中止判断。

これらを含めて、初めてレベル3.5の運航成立性が見られます。

矢野事務所では、レベル3.5を単なる申請区分ではなく、「なぜその構造で第三者状態を維持できるのか」を説明する運航設計として整理しています。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります

ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 発注者・関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。

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