ドローン運航の判断設計・体制構築

解説!ドローン夜間目視外 レベル3.5と手続き|矢野事務所

これまでは特定の条件下でしか認められなかったレベル3.5飛行が、いよいよ夜間でも可能になったという情報です。

これは、レベル3.5という飛行形態の「有用性」を夜の時間帯にまで拡大する、非常に大きな一歩と言えます。

今回は、この夜間におけるレベル3.5飛行の実現がもたらすもの、そして関連する手続きや運用上の注意点について深掘りしていきます。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

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レベル3.5飛行 夜間へ拡大

改めて、レベル3.5飛行とは、無人地帯における補助者なし目視外飛行を指します。

そして今回の大きな進展は、この無人地帯での補助者なし目視外飛行が、日没後の夜間でも実施可能になったという点です。

これにより、これまで昼間に限定されていた無人地帯での長距離送電線点検、広大な農場や森林の夜間監視、あるいは夜間にしか作業が止まらない工場敷地内の点検など、レベル3.5の特性を活かした業務が、夜間という時間帯にまでその「有用性」を発揮できるようになりました。

これは、ドローンが社会で活躍できるフィールドが、時間的な制約を越えて大きく広がったことを意味します。

手続き面での合理化

夜間でのレベル3.5飛行が可能になったと聞くと、手続きが非常に複雑になるのではと心配される方もいるかもしれません。

しかし、今回の情報によると、既に昼間のレベル3飛行などで包括的な許可承認を得ている場合、夜間での実施を追加する際の手続きが合理化されているようです。

「昼間の運航概要宣言書があれば夜間は宣言書にチェックを入れる感じでほぼ済む」という声があるように、これは、既に申請者が昼間において高度な安全管理体制と飛行実績を有していることを前提に、夜間飛行特有の安全対策(機体の装備、操縦者の夜間技能等)が加わることで、追加的な申請プロセスがシンプルになることを示唆しています。

もちろん、夜間での安全を確保するための個別の検討や資料提出は必要ですが、ゼロから全てを構築する場合と比較すると、手続きの負担は軽減されていると言えるでしょう。

夜間における運用注意点

レベル3.5飛行が夜間でも可能になったとはいえ、夜間における目視外飛行は、昼間とは異なる、そして無人地帯という特性が加わることでさらに考慮すべき注意点があります。

状況把握の困難さ

夜間、特に無人地帯では光源が限られるため、周囲の地形、予期せぬ障害物(電線、樹木、仮設物など)、あるいは飛行経路下の状況(横切る道路に人や車が紛れ込んでいないかなど)を、昼間と同様に正確かつリアルタイムに把握するのが難しくなります。

目視外であるため、機体の姿勢や動きを直接視認できないことも、状況判断をより複雑にします。

緊急時の対応

夜間、しかも無人地帯の目視外で機体トラブルや通信断が発生した場合、迅速かつ安全な緊急着陸場所の選定や、不時着した機体の捜索・回収は、昼間と比較して格段に難易度が上がります。

事前にリスクの高いエリアを特定し、代替ルートや緊急着陸地点の計画をより綿密に立てる必要があります。

機材・体制の準備

夜間での確実な運用のためには、高性能な位置灯や補助灯による視認性の確保はもちろん、暗視カメラやサーマルカメラなど、夜間環境下で有効なペイロードの活用が重要になります。

また、夜間に対応した通信システムの安定性確認、そして夜間目視外飛行に特化した複数人でのチーム運用体制(補助者の役割分担を含む)の検討も不可欠です。

夜間におけるレベル3.5飛行の実現は、ドローンの産業活用を加速させる大きなな変化です。

しかし、その力を最大限に、そして安全に引き出すためには、この新たな環境下でのリスクを深く理解し、万全の準備と訓練を重ねることが求められます。

この情報が、夜間のレベル3.5飛行に安全に取り組むための一助となれば幸いです。

※夜間と目視外が重なる場合は、単純な包括処理ではなく、補助者、第三者管理、飛行経路の整理まで含めて判断が必要です。目視外飛行全体の考え方は
目視外飛行の成立条件と判断整理|矢野事務所
をご参照ください。

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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