
地理院地図で差戻し回避|矢野事務所
【地理院地図 】もVectorなどでかなり高機能になって来ています。今後はこれ一択が安心かと…。というのもGoogleマップ系は版権の問題で航空局からは差替え指示も出たりしているようです。河川事務所も一時使用届の地図がGoogle禁止とのこと。つまり地方整備局レベルでも方針が浸透しているようです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 22, 2025
ドローンの飛行許可・承認申請では、飛行経路図は単なる添付資料ではありません。
どこで、どう飛ばし、何を管理するのかを説明する資料です。
ところが、この地図でGoogleマップ系の画像を使っていると、版権や利用条件の問題で差し替えを求められることがあります。
実務で重要なのは、見やすい地図を作ることだけではありません。差戻しされにくく、説明資料としてそのまま使える地図を最初から選ぶことです。
結論から言えば、申請用の地図は地理院地図を標準にした方が安全です。
このページで分かること
結論|申請用地図は「見やすさ」より「差し替えられないこと」
申請で使う地図は、単に場所が分かればよいわけではありません。
- 権利関係に無理がないか
- 行政機関へ提出する資料として問題ないか
- 飛行範囲や安全区画を正確に描けるか
この3点を満たす必要があります。
その意味で、使い慣れているからという理由だけでGoogleマップ系を使うのは危険です。
申請で使う地図は「何となく便利」ではなく「差戻しされにくいもの」を選ぶべきです。
飛行経路図は、場所を示す資料ではなく「安全管理を説明する資料」です。
- 飛行範囲
- 離着陸地点
- 第三者との離隔
- 立入管理区画
これらを正確に示せない地図は、申請資料として弱いです。見やすさより先に、提出に耐えることが必要です。
なぜGoogleマップ系で止まることがあるのか
GoogleマップやGoogle Earthは見慣れていて便利です。実際、これまで申請資料に使われてきた例も少なくありません。
ただし、公的申請に添付する資料として見ると、版権や利用条件の扱いが問題になることがあります。
実務では、航空局から地図の差し替えを求められたという話や、河川事務所の一時使用届でGoogle系地図を避けるよう求められたという話があります。
ここで重要なのは、明文化された一律禁止かどうかではありません。
実際に差し替え指示が起きるなら、最初から避けた方が早いということです。
地理院地図が強い理由
申請用地図として地理院地図が強いのは、単に国の地図だからではありません。
1.公的資料との相性が良い
国土地理院の地図である以上、公的申請の添付資料としての説明がしやすいです。審査側にも違和感が少なく、資料として素直です。
2.権利関係で揉めにくい
出典表示など一定のルールを守れば使いやすく、申請資料として扱いやすいです。ここが実務では非常に大きいです。
3.作図と計測がしやすい
飛行範囲、飛行経路、立入管理区画、離着陸地点、補助者配置などを図示しやすく、距離計測もやりやすいです。
4.30mや区画設計と相性が良い
人・物件との離隔や、第三者管理の説明では、距離と範囲を具体的に示す必要があります。ここで地理院地図は非常に使いやすいです。
30m規制の考え方は、ドローン30m規制の考え方でも整理していますが、距離を正確に扱う資料はその前提になります。
申請で本当に見られているのは「地図の種類」だけではない
ここも重要です。
地図が地理院地図であればそれで通る、という単純な話ではありません。
実務で見られるのは、その地図で飛行の安全性を説明できているかです。
- どこを飛ぶのか
- どこに第三者がいるのか
- どこを管理区画とするのか
- どこから離着陸するのか
- 補助者はどこに立つのか
この説明が弱いと、地図の種類以前に資料として弱くなります。
立入管理区画の考え方は、立入管理区画の設計と判断基準でも整理していますが、区画は図で落とせなければ説明になりません。
地理院地図で最低限やるべきこと
申請用地図として使うなら、少なくとも次の要素は押さえるべきです。
- 飛行場所を正確に表示する
- 飛行範囲を図示する
- 離着陸地点を示す
- 必要な距離を計測する
- 第三者管理や立入管理の範囲を示す
- 必要に応じて補助者や監視位置を示す
つまり、地図は背景ではなく、運航設計そのものを見せる資料です。
差戻しを避けるなら「地図作成」を後回しにしない
申請では、文章を先に作って地図を後から付ける流れになりがちです。
しかし実務では逆です。
地図を描くと、運航設計の甘さが見えるからです。
- 30mが取れていない
- 離着陸地点が無理
- 立入管理区画が曖昧
- 飛行経路が第三者動線と重なる
こうした問題は、地図に落とした瞬間に見えてきます。
つまり、地理院地図を使う意味は、差戻し回避だけではありません。成立しない飛行を早い段階で見抜くことにもあります。
まとめ
ドローン申請で使う地図は、単なる位置図ではありません。
許可と運航成立を支える説明資料です。
- Googleマップ系は差し替えを求められるリスクがある
- 地理院地図は申請資料として相性がよい
- 重要なのは、地図で安全管理を説明できること
- 地図作成は、運航設計の甘さを見抜く工程でもある
申請をスムーズに進めたいなら、地図は最初から地理院地図で作る方が安全です。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています
