ドローンは地理院地図|知らないと非承認?:矢野事務所

ドローンは地理院地図|知らないと非承認?

 

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地図の重要性

ドローンの飛行許可・承認申請手続きにおいて、提出する資料の中でも特に重要なものの一つが「飛行経路の地図」です。

この地図は、私たちが「どこで、どのようにドローンを飛行させるのか」を審査機関である航空局に対して、正確かつ具体的に示すためのものです。

単なる場所の図示に留まらず、安全管理措置をどのように講じているかを伝えるための設計図とも言えます。

この地図の作成において、どの地図サービスを選択するかは、実は申請がスムーズに進むか否かを左右する極めて重要なポイントとなります。

今回は、多くの人が使い慣れているであろう地図サービスに潜む落とし穴と、行政書士として強く推奨する「地理院地図」について、その理由を詳しく解説していきます。

なぜGoogleマップではダメなのか?

これまで、ドローンの申請にGoogleマップやGoogle Earthのスクリーンショットを添付して提出するケースは少なくありません。

弊所でもよく使っています。

しかし現在ではその利用に「待った」がかかることがある、と業界関係者から聞きました。

「Google Earth等は禁止」と明文化された公的な方針が航空局から出ているわけではありませんが、航空局から地図の差し替えを指示される事例があったそうです。

版権(著作権)という大きな壁

差し替え指示の最大の理由は、版権、つまり著作権の問題にあります。

Googleマップの利用規約では、そのコンテンツの利用に関して様々な制約が設けられています。

スクリーンショットを取得して申請書に添付し、行政機関に提出するという行為が、規約で許可された範囲を逸脱する可能性があると判断されるようです。

申請手続きは公的なものであり、使用する資料の権利関係はクリーンでなければなりません。

万が一にも第三者の権利を侵害するような資料が提出されれば、行政機関としてそれを受理することはできない、というわけです。

地方整備局にも浸透する方針

この方針は、航空局だけのものではありません。

例えば、河川でのドローン飛行に際して必要となる「一時使用届」を河川事務所(地方整備局の出先機関)に提出する際にも、添付地図にGoogleマップを使用しないよう指導されるケースが出てきています。

これは、版権に関するコンプライアンス遵守の方針が、国の機関全体で浸透しつつあることを示唆しています。

今後、この流れはさらに加速していくものと考えられます。

「地理院地図」一択である理由

では、どのような地図を使えば良いのでしょうか。

その答えが、国土地理院が提供する「地理院地図」です。

飛行許可申請においては、もはやこれ一択と言っても過言ではありません。その理由は明確です。

圧倒的な信頼性と規約の明確さ

地理院地図は、日本の測量を司る国の機関「国土地理院」が作成・提供しているものです。

その正確性、信頼性は言うまでもありません。

公的な申請において、これほど適した地図はないでしょう。

そして最も重要なのが利用規約です。

地理院地図は、出典を明記するなどの簡単なルールを守れば、基本的に誰でも自由に利用できます。

申請書への添付も全く問題ありません。

版権の問題を完全にクリアできるという点が、最大のメリットです。

ドローン飛行計画に最適な高機能

かつての地理院地図は動作が少し重いという印象もありましたが、技術の進化により非常に高機能で使いやすいツールへと進化しています。

特に「Vector」形式の地図は、非常に有用な機能を多数備えています。

詳細な作図・計測機能

飛行範囲(円や多角形)、飛行経路(線)、離着陸点や補助者配置場所(マーカー)などを、地図上に直接、極めて正確に描き込むことができます。

また、2点間の距離や面積を瞬時に計測できるため、「人や物件との距離30m」を確保する際などに効果を発揮します。

豊富な情報機能

通常の地図や航空写真だけでなく、土地の起伏が色分けで直感的にわかる「陰影段彩図」や、土地の利用状況を示した「土地条件図」など、様々な情報を重ねて表示できます。

私が申請で作るような経路図ではここまで必要ではありませんが、これらの機能によって、飛行エリアの地形や周辺状況を詳細に把握し、より安全な飛行計画を立てることが可能になります。

断面図の作成機能

地図上で指定したラインの標高断面図を簡単に作成できます。

これにより、離着陸地点と飛行エリアの高低差を正確に把握でき、対地高度の管理や障害物の確認に役立ちます。

地理院地図Vectorの主な機能

地理院地図での申請用地図作成法

最後に、地理院地図を使って申請用の地図を作成する際の簡単な流れとポイントをご紹介します。

飛行範囲の特定と表示

まず、トップページの検索窓から飛行させたい場所の住所や施設名を入力し、表示させます。

作図ツールで飛行計画を可視化

画面上部にあるツールから「作図・ファイル」を選択します。

円や多角形のツールで飛行範囲を囲み、線のツールで具体的な飛行経路を描き込みます。必要に応じて、離着陸点や補助者の配置場所をマーカーで示しましょう。

それぞれの図形は色や線の太さを変更できるため、凡例を設けてわかりやすく整理することが重要です。

印刷機能で画像化

必要な情報をすべて描き込んだら、画面上部の「ツール」から「印刷」機能を選びます。

ここで適切な縮尺とサイズを選択し、画像ファイル(PDFやPNG形式)として出力します。

この際、地図のどこかに出典として「地理院タイル」などのクレジットが自動で表示されていることを確認してください。

この手順で作成した画像ファイルを、DIPS(ドローン情報基盤システム)の所定の場所にアップロードすれば、権利関係も明確で、審査官にとっても分かりやすい、質の高い申請資料が完成します。

まとめ

ドローンの飛行許可申請において、安易に使い慣れた地図サービスを利用することには、非承認や差し戻しといったリスクが伴います。

今回ご紹介した「地理院地図」は、信頼性、利用規約の明瞭さ、そして機能性の全てにおいて、現在のドローン申請に最も適したツールです。

一見すると少し手間が増えるように感じるかもしれませんが、この「ひと手間」が、結果的に迅速かつ確実な許可取得へと繋がります。

正確な手続きの一つ一つが、安全なドローン飛行の礎となります。

この機会にぜひ、地理院地図の活用を標準としてみてはいかがでしょうか。

 

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