ドローン運航の判断設計・体制構築

DID150m以上・夜間飛行に許可が出た事例|矢野事務所

飛行許可申請において、条件が複雑になればなるほど、審査は慎重に行われ、許可取得のハードルは上がります。

しかし、適切な準備と申請を行えば、難易度の高い飛行許可も取得することは可能です。

先日、【DID地区での150m以上】かつ【夜間】という、複数の難しい条件を組み合わせた飛行許可の申請を代行しました。

これは、航空法で特に安全確保が求められる空域・時間帯での飛行であり、ご依頼者の「果敢にチャレンジされた賜物」と言えるでしょう。

申請が4月25日、航空局からの許可が5月2日、そして空港事務所からの許可が5月15日と、合計11開庁日での許可取得でした。

標準処理期間とされる10開庁日をわずかに超えていますが、補正が出たわけではなく、それだけ審査側が慎重に内容を確認した結果だと考えられます。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

難易度の高い飛行とは

航空法では、無人航空機を飛行させる場合に許可・承認が必要となる「特定飛行」の空域や方法が定められています。

中でも、特に安全確保が難しく、審査が慎重になるのが以下のような条件です。

  • 人又は家屋の密集している地域の上空(DID地区)
  • 地表または水面から150m以上の空域
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 人又は物件から30m未満での飛行
  • イベント上空飛行

今回の事例では、DID地区の上空150m以上で、かつ夜間という、複数の難条件が重なっていました。

それぞれ単独でも慎重な審査が必要となる条件が重なっているため、審査に時間を要するのは自然なことです。

※難条件が重なる飛行は、許可の有無だけでなく「その条件で成立するか」の整理が必要です。
全体の判断軸は
目視外飛行の成立条件と判断整理|矢野事務所
に整理しています。

許可申請の流れ

飛行許可・承認申請は、原則として飛行予定日の10開庁日前までに、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)」から行います。

空域によっては、航空局に加えて空港事務所への申請も必要となります。

今回のように、空港周辺かつ高高度飛行を伴うケースでは、複数機関の審査が並行して行われます。

そのため、申請書類には以下の内容を正確に整理しておく必要があります。

  • 飛行の目的・日時・場所
  • 飛行経路・高度
  • 使用機体の性能
  • 操縦者の技能・実績
  • 安全確保体制

審査期間について

飛行許可・承認申請の標準処理期間は、書類に不備がない場合で10開庁日とされています。

ただし、これはあくまで目安です。

難易度の高い案件や前例の少ない内容の場合、補正がなくても審査に時間を要することがあります。

今回の事例で11開庁日かかったのは、DID地区での150m以上かつ夜間という複合条件について、審査側が慎重に安全性を確認した結果だと考えられます。

難易度の高い許可取得の鍵

難しい条件での飛行許可を取得するためには、「チャレンジする姿勢」に加えて、以下の点が重要になります。

  • 詳細な飛行マニュアル
    想定されるリスクと対策を具体的に示す
  • 操縦技能と実績
    条件に見合う経験を示す
  • 機体性能と安全機能
    フェールセーフなどの安全対策
  • 関係機関との事前調整
    空港・警察・施設管理者との連携
  • 申請書類の正確性
    不備を出さない構成

包括申請へのステップ

今回のような高難度案件の許可取得は、単発で終わるものではありません。

このような実績を積み重ねることで、年間包括申請へとつながります。

包括申請は、反復的な飛行についてまとめて許可を取得できるため、運用の自由度が大きく向上します。

その前提となるのが、個別案件での確実な成立実績です。

まとめ

DID地区での150m以上かつ夜間という複合条件でも、適切な準備と申請によって許可取得は可能です。

ただし重要なのは、条件を満たすことではなく、

その条件で成立すると説明できるか

という点です。

難易度の高い飛行は、単なる許可取得ではなく、運用として成立させる設計が必要になります。

◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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