
学校敷地内ドローン飛行を1年間個別申請した
このページはX(エックス)の投稿を深堀り解説したブログ記事です。
【学校敷地内飛行の許可】を一年にわたり取得したいとのご依頼でした。学校生活の日常風景や各種行事、生徒のD飛行訓練も含めて、学校の映像記録が残ったり生徒の一技能が養成ができる意義は小さくありません。DIDでしたが幸い学校施設は周囲がフェンスで囲われています。直ぐに許可が出ました。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) June 16, 2025
ドローンの活用は、今やさまざまな分野に広がっています。特に学校敷地内でのドローン飛行には、特有の許可要件と安全への配慮が求められます。
今回は、人口集中地区(DID)内にある高校で、個別申請ながら1年間という長期のドローン飛行許可を迅速に取得できた事例を基に、その秘訣を具体的に深掘りします。
このページで分かること
長期個別許可の理由
今回の事例では、ご依頼いただいた学校が人口集中地区(DID)内に位置していました。
DID地区でのドローン飛行は、航空法により原則として許可・承認が必要であり、特に第三者への危害防止のため厳格な安全対策が求められます。
今回は個別申請でありながら、1年間という長期の許可を迅速に取得できました。
その背景には、具体的に作成された飛行計画書と、以下の重要なポイントがありました。
1. 継続目的と飛行概要
一般的に、個別申請は単発の飛行が多いですが、今回のケースでは、令和7年6月●〇日から令和8年6月●〇日までの1年間、高校の敷地内一帯の上空での飛行を計画しました。
飛行目的は「校舎空撮・グラウンド空撮(日常的な授業風景、学校生活等の記録)」と明確に定義され、年間を通じて継続的かつ特定性のある活動であることを強調しました。
当局は、申請内容が単なる漠然とした「年間飛行」ではなく、公益性のある具体的な計画に基づいていることを重視します。
個別のイベントごとに申請する手間を省きつつも、その目的と計画の具体性が、個別申請における長期許可の鍵となりました。
飛行態様は、DID空域、高度150m未満、目視外、人・モノから30m未満の飛行を想定し、1回あたり約20分程度で必要に応じて2~3回飛行させる計画としました。
最大同時飛行機体数は1機です。
使用機体はDJI Mavic 3 Enterprise、操縦者は一等無人航空機操縦士の資格を持つ者が担当します。
2. 厳格な安全体制
DID地区での飛行許可取得の鍵は、第三者の立ち入りをいかに確実に管理するかです。
この高校では、敷地周囲の主要部分がフェンスと低ブロックで囲われている物理的特性に加え、以下のような具体的で詳細な安全体制を飛行計画書に明記しました。
立入管理措置
学校敷地周囲のフェンスと低ブロックに加え、飛行時は補助者を必ず配置し、第三者(学校関係者を含む)がいない状態で飛行を徹底します。
第三者の往来が多い時間帯や、不特定多数の人が集まる学校行事等では、その規模に応じて「立入りを制限する旨の看板やコーン等」を飛行範囲や周辺環境に応じて設置し、厳格な立入管理区画設定を行います。
ただし、第三者を完全に排除できない行事等での飛行が必要な場合は、別途航空法上の追加許可を得た上で飛行させることを明確に提示しました。
校内周知と連携
事前に校内関係者全員(職員・生徒)に飛行計画について確実に伝わる方法で周知し、誤解や予期せぬ立ち入りを防ぎます。
操縦者と補助者は常に連絡が取れる状態を維持し、第三者(学校関係者以外)の立ち入り監視や注意喚起を徹底します。
補助者は、万が一飛行経路下に第三者が侵入した場合や、飛行に支障があると判断した場合、異常飛行発見時には直ちに操縦者に飛行中止の指示を行う体制を確立しています。
突発事態への対策
突風などを考慮し、学校付近(近隣)の第三者や物件への影響を確認・評価し、必要に応じて補助者の増員などの対策を講じます。
国土交通省が定める標準飛行マニュアル01を通読し、その内容を厳守することを徹底します。
これらの詳細かつ具体的な安全体制を文書化し、必要に応じて飛行経路図とともに提示することで、当局は学校の安全意識の高さと実行能力を評価し、迅速な個別許可に繋がったと考えられます。
許可取得への申請ポイント
今回の事例から見えてくる、学校敷地内でのドローン飛行許可を確実に得るための申請ポイントは以下の通りです。
明確な目的設定
飛行計画を具体的に記述し、その目的が継続性を持つことを明確に伝えることが、長期個別許可の説得力を高めます。単なる漠然とした「年間飛行」ではなく、「日常的な授業風景、学校生活の記録」といった具体的な活動内容を提示することで、当局の理解を得やすくなります。敷地の安全性確保
人口集中地区(DID)内での飛行はリスクが高いため、学校敷地がフェンスや低ブロックで囲まれているなど、物理的に第三者の立ち入りが制限できる環境は大きな強みとなります。物理的な対策が不十分な場合は、より厳重な人的管理体制(補助者の配置、周知徹底など)を詳細に示すことが不可欠です。詳細な安全計画
飛行計画書において、第三者の立ち入り管理、緊急時対応、突発的な気象変化への対応など、あらゆるリスクを想定した具体的な安全対策を明文化することが重要です。「補助者の具体的な役割」「校内関係者への周知方法」「強風時の対応」といった、実行可能な計画を提示することで、当局は申請者の安全意識と能力を評価します。適切な申請期間
包括申請が難しい場合でも、年間を通じて目的が明確で、かつ上記の安全体制が十分に確保されていれば、個別申請で長期の許可を得られる可能性があります。目的の継続性と安全確保策の具体性を示すことが、長期許可を承認される鍵となります。
ドローンは、特定の場所での継続的な活動において、非常に有効なツールとなり得ます。
適切な準備と法規制への理解があれば、DID地区内であっても学校敷地内での長期的なドローン飛行許可は十分に可能です。
私たちは、皆様がドローンを安全かつ有効に活用できるよう、引き続きサポートしてまいります。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。
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