
ゴルフ場ドローンは150m超過で止まる|矢野事務所
ゴルフ場の点検測量飛行では地表から高度150mキープが難しい陥没コースがある事を知りました。航空法は地表からの高度ルールなので包括ではNGで個別申請が必要となります。ただ、こんな場合は有人機の飛来は考えられないので法的に適用除外しても良いのではと思います。限定解除があっても良いかと。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) January 13, 2024
ゴルフ場でも、ドローンの飛行には航空法が適用され、特に地表または水面から150m以上の高度での飛行には、原則として国土交通大臣の許可が必要です。
「ゴルフ場は平坦」という印象を持たれがちですが、実際には高低差の大きいコースも多く、点検・測量飛行では高度150m制限を超えるケースがあります。
特に谷越えホール、急斜面、陥没地形では、操縦者が意識していなくても、地表からの高度が150mを超過する場合があります。
この問題は単なる「高度超過」ではありません。
包括申請で成立する飛行なのか、個別申請へ切り替えるべき飛行なのかという、運航成立性の問題です。
このページで分かること
ゴルフ場で150m超過が起きる理由
ゴルフ場には、想像以上に複雑な地形があります。
高低差の大きい丘陵コース
丘陵地や山間部に造成されたコースでは、ティーグラウンドと谷底に大きな高低差があります。
離陸地点では問題なく見えていても、谷方向へ移動した瞬間に、地表からの高度が急増するケースがあります。
谷越え・池越えホール
谷越えホールでは、谷底基準で高度が計算されるため、操縦者感覚より遥かに高高度飛行となる場合があります。
これは「機体高度」ではなく、地表または水面からの高度で評価されるためです。
崖・急斜面との隣接
法面沿いや崖地形では、横方向の移動だけで高度条件が崩れる場合があります。
つまり、「飛ばしている本人は低空飛行の感覚でも、法的には150m超過」という状態が発生します。
包括申請では止まりやすい理由
包括申請は、一定条件下で反復継続飛行を行うための制度です。
しかし、高度150m以上空域については、通常、包括申請では対応できません。
つまり、ゴルフ場の地形条件によって150m超過可能性がある場合、個別申請への切替が必要になります。
ここで重要なのは、「実際に150mを超えたか」だけではありません。
飛行計画段階で、150m超過可能性を認識できたかも問われます。
つまり、単なる操縦問題ではなく、飛行前の判断設計が重要になります。
包括申請があるから全国どこでも同じ条件で飛ばせる、という理解では、山間部ゴルフ場では止まりやすくなります。
包括申請と個別判断の違いについては、包括申請でも説明耐性が求められる理由とはでも整理しています。
本当に重要なのは「なぜ成立すると判断したか」
実務で本当に問われるのは、「結果として問題が起きなかったか」だけではありません。
なぜその飛行条件で成立すると判断したのかです。
- なぜ包括で対応可能と考えたのか
- なぜ150m超過しないと判断したのか
- なぜその飛行ルートを選定したのか
- なぜその安全条件で成立すると言えたのか
これらを後日説明できなければ、実務上は「成立していない飛行」と評価される可能性があります。
この「事後説明」の考え方は、包括飛行や複合飛行全体にも共通します。
複合条件での判断設計については、ドローン複合飛行、許可簡素化の高価値でも整理しています。
ゴルフ場飛行で実際に整理すべき事項
ゴルフ場飛行では、単なる許可取得よりも、次の整理が重要になります。
- 地形高低差の事前確認
- 谷・池・法面の高度解析
- 飛行ルート設計
- 逸脱時の停止判断
- ゴルフ場管理者との調整
- 第三者管理
つまり、「飛ばせるか」だけではなく、どの条件なら成立すると説明できるかを整理する必要があります。
この考え方は、企業点検やインフラ飛行でも共通です。
企業案件で求められる判断構造については、判断設計が必要なドローン案件とはでも整理しています。
まとめ
ゴルフ場でのドローン飛行では、地形によって地表から150m以上空域へ到達するケースがあります。
この場合、包括申請では対応できず、個別申請が必要となる可能性があります。
しかし実務で本当に重要なのは、単なる許可取得ではありません。
なぜ包括で成立しないのか
なぜ個別申請へ切り替えるのか
なぜその飛行条件で安全と言えるのか
ここまで説明できる状態を作ることです。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請「のみ」のご相談にも対応しています
