
ゴルフ中継ドローンは音で成立性が変わる|矢野事務所
先日、女子プロゴルフトーナメント中継飛行の許可申請を行いました。
ゴルフトーナメントのドローン中継では、航空法上の許可だけでなく、競技運営との調整が大きな論点になります。
特に難しいのが、飛行音です。
ゴルフには、選手がショットに入る瞬間、会場全体が静まり返る独特の時間があります。
いわゆる「お静かに」の時間帯です。
この場面でドローンのプロペラ音がどの程度影響するのか。
許可があるから飛ばせる、という単純な話ではありません。
このページで分かること
ゴルフトーナメントで問われる飛行音
ゴルフトーナメントの中継飛行では、コース全体の映像、選手の動き、会場の臨場感を伝えるため、ドローンの活用余地があります。
一方で、競技そのものは極めて静かな環境を前提に進行します。
選手がアドレスに入る場面で飛行音が聞こえれば、競技への影響が問題になります。
そのため、現地で飛行音を確認し、主催者側が許容できるかを整理する必要が出てきます。
これは航空法の許可とは別の論点です。
航空法上の条件を満たしていても、主催者が競技運営上受け入れられなければ、その飛行は運航として成立しません。
催し上空だけでは整理できない理由
ゴルフトーナメントは、不特定多数の観客が集まるため、ドローン飛行では催し上空の整理が必要になります。
しかし、ゴルフ中継の場合、単に催し上空の許可を取得すれば足りるわけではありません。
ギャラリーとの離隔をどう確保するのか。
観客席のある最終ホールをどう扱うのか。
プレー中の飛行をどこまで制限するのか。
飛行音が問題になった場合、誰が停止判断をするのか。
こうした点を整理しなければ、現場で運航を維持することは難しくなります。
催し上空の飛行では、許可取得だけでなく、第三者との分離状態を維持できるかが重要です。
この点は、第三者と関係者の整理で止まる理由|矢野事務所でも整理しています。
許可取得と運航成立は別問題
ドローン運航では、「許可が取れたか」だけが注目されがちです。
しかし大規模イベントやスポーツ中継では、許可取得後の運航成立性が問われます。
主催者、競技運営、選手、観客、放送関係者のそれぞれに配慮しながら、どの状態なら飛行を継続できるのかを整理する必要があります。
特にゴルフ中継では、安全だけでなく、競技の静寂を維持できるかが重要になります。
飛行音が許容されない場合には、飛行高度、飛行経路、飛行時間帯、使用機体、停止条件を再整理する必要があります。
問われるのは、飛ばせるかではありません。
その条件で、競技中継として成立するかです。
この考え方は、許可取得と運航成立は別問題|矢野事務所にもつながります。
高難度イベント飛行で必要な判断整理
ゴルフトーナメントのドローン中継は、イベント上空飛行の中でも、現場判断が非常に重要になる案件です。
第三者との分離状態、補助者の配置、主催者との連絡体制、中止条件、飛行音確認などを事前に整理しておく必要があります。
許可申請は入口です。
その後に、なぜその飛行が成立すると言えるのか。
なぜその体制で継続できるのか。
どの状態になれば中止するのか。
後から何を説明できるのか。
ここまで整理しておくことが、スポーツ中継やイベント上空飛行では重要になります。
ドローン中継では、操縦技術だけでなく、運航管理として現場を設計する視点が欠かせません。
詳しくは、ドローンは操縦でなく運航管理|矢野事務所でも整理しています。
今回のようなスポーツ中継やイベント上空飛行では、許可取得だけでなく、主催者との調整、第三者管理、停止条件整理まで含めて運航成立性を検討する必要があります。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
