
技能証明の行政処分その違反と処分
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
【技能証明の行政処分基準】が発表されました。注目すべきは対象事由です。例えば立入管理措置のルールに違反すれば目視外の限定解除が停止1年となり結果3.5飛行は出来なくなる…と読めます。つまり基本的なルールへの違反が重罰の対象となっています。見切り飛行や曖昧な知識の放置は危険です。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) January 7, 2025
このページで分かること
国交省が定める行政処分基準
2025年2月1日に施行されたドローン(無人航空機)の技能証明に関する行政処分基準は、国土交通省が公開している以下の資料に詳細が記載されています。
無人航空機操縦士資格に関する行政処分基準について
この基準は、技能証明を有する者が航空法の関係規定に違反した場合に、どのような処分が科されるかを明確に定めたものです。
違反行為の種類や程度に応じて点数が付与され、累積点数に応じて技能証明の取消しや効力停止などの処分が決定されます。
この基準により、違反行為に対する処分がより明確になり、ドローン操縦者の責任がより重くなりました。
注目は立入管理措置義務違反
冒頭の投稿にもあるように、特に注目すべきは「立入管理措置」に関する違反です。
国土交通省の資料によると、無人航空機の飛行経路下において、第三者の立ち入りを管理するための措置を適切に行わなかった場合、以下の処分が科される可能性があります。
立入管理措置義務違反は1年停止
この処分が科されると、技能証明の効力停止期間中はドローンの操縦を行うことができません。
特に、目視外飛行の限定解除を受けている方がこの処分を受けた場合、限定解除の効力が停止されるため、目視外飛行はもちろんのこと、特定の条件下での飛行(例えば、人口集中地区での飛行など)も行えなくなる可能性があります。
これは、業務でドローンを使用している方にとって、大きな痛手となる可能性があります。
国土交通省の資料には、具体的な違反事例として以下のようなケースが挙げられています。
- 飛行経路下に第三者が立ち入る可能性があったにもかかわらず、必要な補助者を配置しなかった。(例:イベント会場や工事現場など)
- 立入禁止の措置を講じたにもかかわらず、その範囲が不明確であったり、周知が不十分であった。(例:ロープやコーンの設置が不十分、警告看板の設置場所が不適切)
- 飛行前に立入管理措置の状況を確認せず、飛行を開始した。(例:補助者からの連絡を怠った、立入禁止区域に人がいないか確認しなかった)
- 飛行中に立入管理措置の状況を適切に監視していなかった。(例:補助者が配置されていたにもかかわらず、その補助者が適切に業務を遂行しているか確認しなかった)
これらの基本的なルール違反が、1年間の技能証明効力停止という重い処分につながることは、ドローン操縦者にとって非常に重要なポイントです。
この処分は、ドローン操縦者の業務に大きな支障をきたすだけでなく、所属する企業や団体の信用を失墜させる可能性もあります。
処分される違反行為の例
立入管理措置義務違反以外にも、国土交通省の行政処分基準では様々な違反行為が処分対象として定められています。例えば、以下のような行為も処分の対象となり得ます。
許可なしの飛行
技能証明の取消しまたは効力停止(違反の程度による)。これは、ドローンを飛行させるために必要な許可や承認を得ずに飛行させた場合に適用されます。例えば、人口集中地区、夜間、目視外、人や物件から30m未満の場所で飛行させる場合など、国土交通大臣の許可・承認が必要です。
禁止空域や方法への違反
技能証明の効力停止(違反の程度による)。飛行禁止空域とは、空港周辺、緊急用務空域、地表または水面から150m以上の空域などです。
飛行方法の違反とは、危険物の輸送、物件投下、催し場所上空での飛行などです。
アルコールや薬物の影響下
技能証明の取消し。
これは、飲酒運転と同様に、非常に危険な行為であり、最も重い処分が科されます。
安全確認を怠った場合
技能証明の効力停止(違反の程度による)。飛行前の点検を怠ったり、飛行中に周囲の安全を確認しなかったりした場合に適用されます。
これらの違反行為も、安全なドローン飛行を阻害する可能性のある重要なルール違反であり、今回の行政処分基準によって、その責任がより明確化されました。
これらの違反行為は、重大な事故につながる可能性があり、ドローン操縦者だけでなく、周囲の人々にも危険を及ぼす可能性があります。
具体的な対策
今回の行政処分基準の明確化は、ドローン操縦者に対して、これまで以上に基本ルールを遵守し、高い安全意識を持って飛行に臨むことを求めるものです。
曖昧な知識や安易な判断による「見切り飛行」は、重大な事故につながるだけでなく、自身の技能証明を失う可能性もあるということを強く認識する必要があります。
国土交通省の資料をしっかりと読み込み、自身の知識や飛行計画に不安な点があれば、再度確認したり、専門家(ドローンスクールや行政書士など)に相談したりすることが重要です。
また、定期的にドローンの知識や操縦技術に関する講習会に参加したり、最新の法令や規制に関する情報を収集したりすることも重要です。
ドローン操縦者一人ひとりが高い安全意識を持ち、ルールを遵守することで、ドローンは安全で便利なツールとして、社会に貢献することができます。
まとめ
今回のドローン技能証明に関する行政処分基準は、基本的なルール違反に対して厳しい処分が科されることを明確に示しています。
特に、立入管理措置義務違反のように、安全確保の根幹に関わるルール違反は、技能証明の効力停止という重い処分につながります。
すべてのドローン操縦者は、国土交通省が定めるルールをしっかりと理解し、安全第一でドローンを飛行させるように心がけましょう。
今回の行政処分基準は、ドローン業界全体の健全な発展を促すためのものであり、ドローンを安全に活用するための重要な一歩です。
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