
ドローン飛行日誌は事業の証!自己責任と信用
このページはX(エックス)の投稿を深堀り解説したブログ記事です。
【自己責任飛行の構成要素】として重みを増して来るのが記録行為です。飛行日誌はただのファクトではなく原因究明やリスク回避・信用・保険等を機能させるもはや事業存在の証と言えます。①飛行記録②日常点検記録及び③点検整備記録…この三つが飛行日誌と定義されています。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) June 30, 2025
ドローンを運航する皆様、「飛行日誌」をどのように捉えていますか?
単なる義務だから記録している、という方もいるかもしれません。
しかし、飛行日誌はもはや自己責任飛行における事業者の存在証明とも言えるほどその重みを増しています。
ただの事実記録ではありません。
事故原因の究明、リスクの回避、そして対外的な信用や保険の機能までその役割は多岐にわたります。
飛行日誌がなければ、事業の安定性すら揺らぐ時代が来ています。
今回は、飛行日誌がなぜそこまで重要なのか、その構成要素と、事業にどのような価値をもたらすのかを詳しく解説します。
このページで分かること
1.飛行日誌の義務と本質
ドローンを業務で利用する事業者にとって、飛行日誌の記録は法令で定められた義務です。
しかし、その本質は「義務だから書く」という形式的なものではありません。
ただの記録ではない
飛行日誌は、単に「いつ、どこを飛んだか」という事実を記録するだけではありません。
そこには、ドローンが安全に運用されていることを示す、あらゆる情報が凝縮されています。
これは、事業者自身の安全管理体制が機能しているかを示す客観的な証拠となります。
法令遵守の先にあるもの
飛行日誌の記録義務は、航空法に基づくものです。
これに違反すれば、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。
しかし、法令遵守は最低限のラインに過ぎません。
飛行日誌を適切に記録し管理することは、その先の「安全な事業運営」と「社会からの信頼獲得」を目指す、事業者自身の責任ある行動です。
2.飛行日誌の構成要素
飛行日誌は、主に三つの要素で構成されています。
これら全てを漏れなく記録することが、その機能を最大限に発揮させる鍵です。
飛行記録の重要性
ドローンの飛行記録は、個々のフライトの具体的な内容を詳らかにするものです。
- いつ: 飛行日時
- どこで: 飛行場所
- 誰が: 操縦者の氏名、登録番号など
- どの機体で: 機体の登録記号、型式など
- どのように: 飛行方法、目的、飛行時間、着陸時刻、異常の有無、特記事項など
これらを詳細に記録することで、過去のフライト状況を正確に把握でき、後の分析や改善に役立てられます。
日常点検記録の意義
日常点検記録は、飛行を行うたびにドローンが安全な状態にあるかを確認する記録です。
- 飛行前の機体状態
- バッテリー残量、プロペラの損傷、フレームの歪み、モーターの異常音など、目視や手で触れて確認できる項目
- 点検結果と異常の有無
この記録により、小さな異変にも早期に気づき、大きな事故を未然に防ぐことができます。
点検整備記録の役割
点検整備記録は、ドローンの定期的なメンテナンスや修理に関する履歴です。
- 点検・整備を行った日時
- 内容(部品交換、ソフトウェアアップデートなど)
- 担当者
- 点検結果
これにより、機体の健全性を長期的に管理し、経年劣化によるトラブルを防ぐことが可能となります。
3.事業存在の証としての機能
飛行日誌は、単なる記録以上の価値を持ちます。
それは、事業の存続と発展を支える、確固たる「証」となるからです。
事故原因究明と対応
万が一、ドローン事故が発生した場合、飛行日誌は原因究明の最重要資料となります。
事故発生時の飛行状況、直前の点検記録、過去の整備履歴などを迅速に提供することで、事故調査を円滑に進め、問題解決への道を速やかに開くことができます。
適切な記録がなければ、原因究明は困難を極め、再発防止策も立てられません。
リスク回避と安全管理
飛行日誌の記録を通じて、過去の飛行データや機体の状態を分析できます。
これにより、特定の条件下でのリスク(例:特定の場所での電波干渉、特定の機体の不具合傾向など)を特定し、将来の飛行計画に反映させることで、潜在的なリスクを事前に回避することが可能です。
これは、事業者自身の安全管理能力を高める上で不可欠なプロセスです。
対外的な信用構築
ドローン事業においてクライアントやパートナー企業は提供されるサービスの安全性と信頼性を重視します。
適切に管理された飛行日誌は、事業者が法令遵守意識が高く、安全管理体制が整っていることの明確な証明となります。
これは、新規案件の獲得や、既存顧客との長期的な関係構築において、揺るぎない信用を築く上で非常に強力な武器となります。
4.保険適用と法的側面
飛行日誌は、万が一の事故の際に、保険の適用可否や法的責任の判断にも深く関わります。
事故時の証明能力
ドローン保険に加入している場合でも、事故発生時に保険が適用されるかどうかは、運航状況や安全管理体制が適切であったかによって判断されます。
正確に記録された飛行日誌は、適切な運用が行われていたことの客観的な証拠となり、保険金支払いのスムーズな手続きに繋がります。
記録が不十分であれば、保険適用が拒否されるリスクも高まります。
法令違反のリスク
飛行日誌の不備や虚偽の記載は、単なる記録義務違反に留まりません。
事故発生時などにそれが明らかになれば、航空法違反として罰則の対象となる可能性があります。
また、社会的な信頼の失墜や、行政からの業務停止命令といった重い処分が下されることも考えられます。
自己責任が問われる時代において、記録の正確性は事業者自身の法的リスクを軽減する上で極めて重要です。
5.適切な記録の追求
飛行日誌を「事業の証」として機能させるためには、記録の正確性と管理体制の確立が不可欠です。
記録の正確性
記録は、真実かつ正確でなければなりません。
曖昧な表現や、後から修正が困難な形式での記録は避けましょう。
デジタルでの記録管理システムを活用するなど、効率的かつ正確性を担保できる方法を取り入れることを推奨します。
管理体制の確立
飛行日誌の記録は、個々の操縦者に任せきりにするのではなく、事業者全体として統一された管理体制を確立することが重要です。
記録方法の研修、定期的なチェック、保管場所の明確化など、組織的な取り組みが求められます。
これにより、誰が記録しても一定の品質が保たれ必要な時に必要な情報が迅速に取り出せるようになります。
6.専門家活用の勧め
飛行日誌の適切な作成と管理は、ドローン事業の生命線です。
しかし、その全てを自社だけで完璧に行うのは容易ではありません。
ドローン関連の許認可を専門とする行政書士は、皆様の飛行日誌に関する疑問を解消し、適切な記録管理体制の構築をサポートします。
- 記載内容の指導
航空局が求める飛行日誌の記載内容や、具体的な項目について指導します。 - 管理システムの提案
効率的かつ正確な記録管理ができるシステムの導入や運用について助言します。 - 法改正への対応
飛行日誌に関する法改正があった場合、迅速に情報を提供し、記録内容の見直しをサポートします。
自己責任が問われるドローンビジネスにおいて、飛行日誌は単なる事務作業ではありません。
それは、皆様の事業の信用を築き、リスクから守り、そして未来へとつなぐ重要な「証」です。
適切な記録管理を通じて、安全で持続可能なドローン事業を実現しましょう。
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