
ドローン規制「人モノ30m」の注意点と許可申請
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
人モノ30M…は油断できない規制です。30Mという距離ではなくその対象の方に注意。広い田舎だから許可不要と思っていても、モノには電線も電柱も含まれます。電柱のない田舎などありません。人が乗ってる車・バイク・自転車も対象です。人モノ30Mは包括申請の必須アイテムです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 27, 2023
ドローンを安全に、そして法を遵守して飛行させるために、いくつかの重要なルールがあります。
中でも「人または物件から30m以上の距離を保つこと」というルールは、多くのパイロットが直面し、時に誤解しやすいポイントです。
「広い場所だから大丈夫だろう」「周りに人がいないから関係ない」と思っていませんか?
実は、この「人モノ30m」規制は、想像以上に適用範囲が広いのです。
今回の記事では、この規制の本当の意味と、どうすればこの規制下での飛行が可能になるのか、専門家の視点から詳しく解説します。
このページで分かること
30m規制とは
航空法において、無人航空機(ドローン)を飛行させる場合、第三者である「人」または「物件」から水平距離で30メートル以上の距離を保たなければならないと定められています。
これが一般的に「人モノ30m規制」と呼ばれているものです。
この規制は、ドローンの落下や接触などによる事故から、第三者や財産を守るための非常に重要な安全基準です。
裏を返せば、この距離を保てない場所で飛行させたい場合は、国土交通大臣の許可・承認が必要になるということです。
人・モノの定義
この規制を理解する上で、最も重要なのが「人」と「物件」の定義です。
思っている以上に、含まれる範囲が広い可能性があります。
「人」とは?
ここでの「人」とは、ドローンの飛行に関与しない第三者すべてを指します。
- 公園で散歩している人
- 路上を歩いている通行人
- 自転車に乗っている人
- 車やバイク、電車、船などに乗っている人も含まれます!
ここが意外と見落としがちな点です。
車両に乗っているからといって「モノ」扱いにはなりません。
つまり、飛行させるドローンの周囲30mに、無関係な人が一人でもいる場合は、原則としてその距離を保つ必要があります。
「モノ」とは?
ここでの「モノ」は、航空法上「物件」と表現され、第三者の所有する建物や構築物、車両、船舶などを指します。
- 建物(家屋、ビル、倉庫、工場など)
- 構造物(橋、電柱、電線、通信塔など)
- 車両(停止中・走行中に関わらず、第三者が所有するもの)
- 船舶、鉄道車両
Xの投稿でも触れましたが、特に注意が必要なのが電柱や電線です。
田舎の広い場所だからといって、電柱や電線が全くない場所は稀でしょう。
これらも「物件」に含まれますので、近くで飛行させる際には30mの距離を意識する必要があります。
許可が必要な場合
前述の通り、第三者の人または物件から30m未満の距離でドローンを飛行させる場合は、事前に国土交通大臣の許可・承認が必要です。
例えば、
- 建物や橋梁の点検で、構造物の近くを飛ばす場合
- イベント会場などで、観客の近くを飛ばす可能性がある場合
- 電柱や電線の近くで作業を行う場合
- 人や車が行き交う道路の近くで撮影する場合
などがこれに該当します。許可なく飛行させた場合は、航空法違反となり罰則の対象となります。
包括申請を活用
毎回、個別の飛行ごとに許可申請を行うのは、手続きの負担が大きいのが現実です。
そこで多くのドローンパイロットが活用しているのが、包括申請です。
包括申請とは、特定の期間(最大1年間)や特定の場所の範囲内で、いくつかの特定の飛行方法についてまとめて許可・承認を得る制度です。
この包括申請を行う際に、「人又は物件との距離が30m未満となる飛行」という項目を含めて申請し、承認を得ておくことが、実用的なドローン飛行には欠かせない「必須アイテム」となるのです。
包括申請でこの承認を得ておけば、承認された期間・範囲内であれば、個別の許可申請なしに30m未満での飛行が可能になります。
ただし、承認を得るためには、飛行マニュアルに沿った安全対策(補助者の配置、立ち入り管理、看板設置など)を講じることが求められます。
承認は「何をやっても良い」というものではなく、安全確保措置を講じることを前提として与えられるものです。
安全飛行のために
「人モノ30m」規制は、ドローン飛行における安全の基本です。
飛行計画を立てる際は、必ず飛行場所とその周囲を確認し、人や物件がいないか、または30m以上の距離を確保できるかを確認しましょう。
もし30m未満での飛行が避けられない場合は、必ず事前に国土交通大臣の許可・承認(包括申請で「人又は物件との距離が30m未満となる飛行」の承認を含む)を取得し、承認内容に従った安全対策を徹底してください。
安全な飛行は、ドローンへの信頼を高め、より多くの場所での飛行を可能にするためにも不可欠です。
ルールの正しい理解と、それに基づいた適切な手続き、そして最大限の安全対策を講じて、皆様のドローン飛行が安全で楽しいものとなることを願っています。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。
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