
ドローン物件投下の意義に許可!危険作業ゼロ
このページはX(エックス)の投稿を深堀り解説したブログ記事です。
以前、細い鉄線を運んで引っ掛ける飛行に許可を貰いました。この時、機体はペイロードゼロだった為、投下装置装着の改造申請はダメ元。人による鉄塔での危険作業を無くす…という「意義」をあえて伝えました。今思えば、社会実装を促す為に、この「意義」を尊重して貰った結果の許可だった気がします
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) November 12, 2024
以前、細い鉄線を運んで引っ掛けるドローンの飛行許可を申請しました。
当時、機体はペイロードゼロ。
投下装置の装着が必要となる改造申請は、正直「ダメ元」だと考えていたのです。
しかし、申請時には人による鉄塔での危険作業を無くすという、その飛行が持つ「意義」を強く伝えました。
今思えば、単に法令や技術要件を満たすだけでなく、ドローン技術の社会実装を促すため、この「意義」を尊重してもらった結果の許可だったと感じています。
今回は、この経験から、ドローンによる高所・危険作業の削減がいかに重要か、そして許可申請において「意義」を伝えることの真の力について解説します。
このページで分かること
危険作業の現状と課題
送電線工事や鉄塔点検など、高所での作業は常に危険と隣り合わせです。
命綱を装着していても、転落のリスクはゼロではありません。
命がけの作業現場
高所作業は、風雨や寒暖といった過酷な環境下で行われることが多く、作業員の身体的、精神的負担は計り知れません。
また、作業には熟練した技術と経験が求められ、人手不足も深刻な問題となっています。
こうした現場では、ほんのわずかな不注意が重大な事故につながりかねません。
人命を最優先に考えれば、可能な限り危険な作業を機械に代替させる必要性があります。
ドローン活用への着想
危険な高所作業をドローンに代替させるという発想は、まさにドローン技術の真価を発揮する領域です。
鉄線運搬飛行の挑戦
細い鉄線をドローンで運び、高所に引っ掛けるという飛行は、まさにこの高所作業の危険を排除するための具体的な試みです。
従来の工法では、作業員が直接高所に登って行う必要があった作業を、ドローンが代替することで、人命リスクを大幅に低減できます。
改造申請の壁
しかし、この飛行を実現するには、大きな課題がありました。
細い鉄線を運ぶためには、ドローンに「投下装置」を装着する必要があります。
これは、ドローンの「改造」にあたり、さらにその鉄線を「投下」する行為は、航空法上の「物件投下」という特定飛行に該当します。
通常の飛行許可申請に加え、改造申請という手続きが必要となり、特にペイロード(積載可能重量)がゼロの機体でこうした改造を行う申請は、困難を伴う可能性がありました。
「意義」が拓く可能性
技術的なハードルや既存の規定の枠を超えて、なぜこの飛行が許可されたのでしょうか。
その鍵は、飛行が持つ「意義」にあったのではないかと思っています。
社会貢献の視点
ドローンの飛行が、単なる業務効率化に留まらず、人命の安全確保という社会的な課題解決に貢献する。
この「意義」を明確に伝えることが、申請の重要な要素となりました。
航空局の審査は、もちろん法令遵守と安全確保が大前提です。
しかし、ドローン技術の健全な発展と社会実装を促すという視点も持ち合わせています。
申請された飛行が、公共の利益や社会の発展に資するものであると判断されれば、それが許可の判断に影響を与える可能性は十分にあります。
許可審査への影響
「ペイロードゼロの機体への投下装置装着」という、一見すると既存の規定に沿いにくい改造申請であっても、「人による危険作業を無くす」という明確な意義と、それに見合う具体的な安全対策が提示されていれば、総合的な判断で許可を得られることがあります。
これは、航空局が、新しい技術の可能性と、それが社会にもたらすポジティブな影響を評価していることの表れと言えるでしょう。
物件投下申請のポイント
「細い鉄線を運んで引っ掛ける」という行為は、航空法上の「物件投下」に該当します。
この許可を得るためには、特別な要件と安全対策が求められます。
包括申請の適用
物件投下は原則禁止されている特定飛行ですが、適切な安全対策を講じれば、包括申請(特定の期間・場所で反復して飛行)が可能です。
この場合、投下する物件の性状(落下による危険性、飛散性など)や、投下方法、周囲への影響を最小限に抑えるための対策が詳細に問われます。
安全対策の具体例
- 飛散防止策
投下物が風で流されないよう、投下方法や経路を厳密に管理します。 - 危険区域の設定
投下場所の直下やその周辺に第三者が立ち入らないよう、立入禁止区域を設定し、補助者や警備員による監視を徹底します。 - 緊急時の対応
意図しない落下が発生した場合の対応手順や連絡体制を明確にします。
これらは一般的な物件投下申請のポイントですが、今回の事例のように「細い鉄線」という特定の物件を扱う場合、その特性に応じた固有の安全対策を盛り込む必要があります。
ドローン社会実装の推進
危険な高所作業をドローンが代替できることは、建設業や電力インフラ点検など、様々な産業におけるドローンの社会実装を大きく加速させます。
産業の変革
ドローンは、これまで人が直接行っていた危険で時間のかかる作業を、安全かつ効率的に行うことを可能にします。
これは、単なる技術革新に留まらず、産業全体の作業プロセスやコスト構造を根本から変革する可能性を秘めています。
人命の安全確保という「意義」を追求することで、ドローンはより多くの分野で導入され、その価値を社会に示すことができるでしょう。
専門家活用の勧め
ドローンの改造申請や、物件投下を含む特定飛行の許可申請は、専門的な知識と経験が求められます。
特に、その飛行が持つ「意義」を効果的に伝えることは、容易ではありません。
ドローン関連の許認可を専門とする行政書士は、皆様のドローン事業を強力にサポートします。
- 申請書類の作成支援
改造申請や物件投下の特定飛行など、複雑な申請書類の作成を支援します。 - 「意義」の言語化
計画しているドローン飛行が持つ社会的な価値や意義を抽出し、航空局に伝わる形で申請書に表現するサポートを行います。 - 安全管理体制の構築
飛行におけるリスク評価や、安全対策の具体化について助言します。
ドローンが社会に貢献する機会は無限大です。
技術的な要件だけでなく、その飛行が持つ「意義」を適切に伝え、安全で合法的なドローン活用を実現しましょう。
許可申請はぜひ専門家へご相談ください。
行政書士矢野法務事務所は「高難度の申請を専門とする事務所」です。 全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。 【免責事項】
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