
自衛隊基地近くのドローン飛行許可申請のリアル
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
【自衛隊の飛行場】周辺では高度45M以上の飛行はたいていがNGとなるようです。訓練飛行への支障や基地撮影の禁止等がその理由。先日ある併用空港では 「その飛行にやむを得ない理由があり且つ訓練のない土日の飛行であれば検討は可能。しかし許可が出る可能性は低い」…と取下げを求められました。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) February 6, 2025
このページで分かること
自衛隊飛行場周辺なぜ難しい?
Xの投稿では、自衛隊の飛行場周辺では高度45m以上の飛行が基本的にNGであること、そして先日ある併用空港で許可申請をした際に、かなり厳しい条件を提示されたことをお伝えしました。
訓練飛行への影響と安全確保
なぜ自衛隊の飛行場周辺でのドローン飛行が厳しく制限されるのでしょうか?
その大きな理由の一つが、自衛隊の訓練飛行への影響です。
想像してみてください。
航空機の離着陸や、迫力ある訓練飛行が行われている空域に、もしドローンがフラフラと飛んでいたら…。
航空機の安全な航行を妨げるだけでなく、最悪の場合、重大な事故につながる可能性だってあります。
自衛隊は、国の防衛という非常に重要な任務を担っています。
その訓練は、国民の安全を守るために必要不可欠なものです。
ドローンの飛行が、その訓練の妨げになるような事態は絶対に避けなければなりません。
セキュリティと撮影規制
もう一つの重要な理由が、基地のセキュリティと撮影規制です。
自衛隊の飛行場は、国の安全保障に関わる重要な施設です。
許可なくドローンで上空を飛行したり、不用意に撮影したりすることは、安全保障上のリスクを高める行為とみなされます。
テロや情報漏洩といった危険を防ぐためにも、自衛隊の施設周辺は厳しく管理されているのです。
ニュースなどで自衛隊基地の映像が限られたものしか公開されないことをご存知かと思います。
ドローンによる安易な撮影は、そうしたセキュリティ上の配慮に反する行為となるわけです。
併用空港での厳しい現実
先日、担当したある案件では、自衛隊と民間機が共用する「併用空港」周辺でのドローン飛行許可申請を行いました。
その際、空港管理者からは次のような回答がありました。
「その飛行にやむを得ない理由があり且つ訓練のない土日の飛行であれば検討は可能。しかし許可が出る可能性は低い」
この回答からわかるように、たとえ飛行に「やむを得ない理由」があったとしても、許可を得ることは非常に困難な状況です。
さらに、「訓練のない土日」という限定的な条件まで付いていることからも、自衛隊側の慎重な姿勢がうかがえます。
やむを得ない理由とは?
ここでいう「やむを得ない理由」とは、例えば、インフラ設備の点検や災害調査など、ドローンでしか安全かつ効率的に行えないような、公益性の高い目的が考えられます。単なる趣味の空撮やイベント撮影などは、まず認められないでしょう。
厳しい条件と低い許可の可能性
「訓練のない土日」という条件も、ドローンパイロットにとっては大きな制約となります。
天候に左右されるドローン飛行において、限られた日時しか選べないというのは、計画を立てる上で非常に難しい要素です。
そして、「許可が出る可能性は低い」という言葉は、私たちドローンに関わる者にとって、非常に重く受け止めるべきでしょう。
これは、自衛隊飛行場周辺でのドローン飛行は、原則として認められないという認識を持つべきだということを示唆しています。
取るべき行動
では、自衛隊飛行場周辺でドローンを飛行させる必要がある場合、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか?
事前の徹底的な情報収集
まず最も重要なのは、飛行予定場所周辺の飛行制限に関する情報を徹底的に収集することです。
国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS)や、各自治体のホームページ、航空法関連の情報をしっかりと確認しましょう。
特に、自衛隊の飛行場が近くにある場合は、通常の飛行禁止空域に加えて、独自のルールが設けられている可能性があります。
事前に航空自衛隊や該当する基地に直接問い合わせることも有効です。
許可申請は慎重・丁寧に
もし、どうしても自衛隊飛行場周辺でドローンを飛行させる必要がある場合は、慎重かつ丁寧に許可申請を行う必要があります。
飛行の目的と必要性を明確に説明する
なぜその場所でドローンを飛ばす必要があるのか、代替手段はないのか、具体的な目的を詳しく説明することが重要です。
安全対策を徹底的に講じる:
飛行経路、高度、機体の安全管理、第三者の立ち入り防止策など、考えられる限りの安全対策を具体的に提示しましょう。
関係機関との綿密な連携
空港管理者や自衛隊など、関係機関と事前に十分なコミュニケーションを取り、指示や要請に真摯に対応する姿勢が求められます。
ただし、前述の通り、許可を得ることは非常に難しいのが現状です。安易な気持ちで申請するのではなく、実現可能性が低いことも理解した上で臨む必要があります。
高リスクの場所は避ける
最も重要なことは、リスクの高い場所での飛行は極力避けるという意識を持つことです。
自衛隊飛行場周辺だけでなく、空港、重要施設、人口集中地区など、ドローン飛行が制限されている空域や、安全上のリスクが高い場所での飛行は、絶対に避けるべきです。
ドローンは非常に便利なツールですが、その利用には責任が伴います。
法をはじめとする関連法規を遵守し、常に安全第一でフライトすることを心がけましょう。
まとめ
今回のブログ記事では、自衛隊飛行場周辺におけるドローン飛行の難しさについて、実体験も交えながら解説しました。
- 自衛隊の訓練飛行への影響と安全確保
- 基地のセキュリティと撮影規制
- 併用空港での厳しい許可申請の現実
これらの点をしっかりと理解し、安全で適切なドローン運用を心がけていただければ幸いです。
もし、ドローン飛行に関する許可申請や法規制について疑問や不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
ドローン専門行政書士として、皆さんの安全なドローンライフをサポートさせていただきます。
これからも、ドローンに関する様々な情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。
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