レベル3飛行は許可取得後の「事前連絡」が本番

 

このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。


無人地帯での補助者なし目視外飛行、通称「レベル3飛行」。

この許可の取得でドローンの活躍の場は広がります。

許可証は手に入れたものの「では次に何をすればいいのか?」と立ち止まっている方もいます。

実は、レベル3飛行は許可取得後にも重要なステップが残っています。

それが、関係機関への「事前連絡」です。

安全、そしてスムーズな飛行のために、これは絶対に欠かせない手続きです。

今回は、このレベル3飛行の事前連絡について、なぜ必要なのか、どこに、どうやって連絡するのかを解説します。

なぜ事前連絡が必要なのか?

「許可があるのに、なんでまた連絡?」と思うかもしれませんが、理由はシンプルです。

レベル3飛行を行う空域は、皆さんや私たちが飛ばすドローンだけで占有されているわけではありません。

そこには、人が乗ったヘリコプターや小型機といった「有人航空機」も飛んでいます。

特に警察や消防、ドクターヘリなどは、予測不能なルートで緊急運航することもあります。

衝突事故を防ぐために

事前連絡の最大の目的は、有人機との衝突事故を防ぐことです。

飛行計画を事前に共有することで、有人機のパイロットが「このエリアで、この時間にドローンが飛ぶ可能性がある」と把握でき、安全な運航に役立てることができます。

こ情報一つ一つが、空の安全に繋がるのです。

緊急活動とのスムーズな連携のために

警察や消防は、災害や事故発生時に迅速な活動が求められます。

ドローンの飛行エリアや時間を伝えておくことで、彼らの活動計画と干渉しないように調整したり、場合によってはドローンとの連携を考慮したりすることが可能になります。

具体的な連絡先は?

レベル3飛行で事前連絡が必要となる主な機関は、飛行場所によっても変わりますが、一般的には以下の通りです。

有人機関係団体

有人航空機の運航者が所属する業界団体です。

「有人機7団体」などと呼ばれることもありますが、関連団体は複数あります。

ここに連絡することで、広範囲の有人機パイロットへ情報が伝わる可能性があります。

正確なリストは国土交通省のウェブサイトなどで確認しましょう。

国土交通省 航空局

飛行計画情報共有システム(DIPS2.0)への登録を通じて、航空局や一部の有人機運航者と情報共有を行います。

これは航空法で義務付けられている手続きです。

都道府県警察・消防機関

飛行エリアを管轄する各都道府県の警察本部(航空隊など)や消防本部(航空隊など)に連絡します。

地上の安全確保や、警察・消防ヘリの運用との調整が目的です。

特に消防は、事前のメールに加え、飛行当日に電話での最終確認を求める都道府県もありますので、事前に確認が必要です。

ヘリポート管理者

飛行エリアの近くにヘリポート(病院、報道機関など)がある場合、その管理者への連絡が必要な場合があります。

ドクターヘリなど緊急性の高いヘリポート周辺では、特に丁寧な連絡が必要です。

連絡方法~通知書の作成と送付~

これらの機関へは、一般的に「飛行内容通知書」を作成して連絡します。

飛行内容通知書の作成

ドローンの情報、許可番号、飛行日時・場所・高度、飛行経路、目的、緊急連絡先などを記載した書類を作成します。

決まった様式はありませんが、サンプルを添付します。

必要な情報が網羅されているか確認しましょう。

メール送付とタイミング

作成した通知書は、基本的にメールで各連絡先に送信します。

連絡のタイミングは、概ね飛行予定日の1週間前までが推奨されています。

これは、連絡を受けた側が情報を確認し、内部で共有・調整する時間を確保するためです。

週末や祝日を挟む場合は、さらに早く連絡しましょう。

前述の通り、一部の消防などからは、1週間前のメールとは別に、飛行当日の直前に電話での連絡を求められるケースもありますので、各連絡先に確認しておくことが重要です。

事前連絡を怠ると危険!

事前連絡は手間がかかる手続きですが、これを怠ると、有人機とのニアミスや衝突といった重大事故に繋がるリスク、警察や消防の活動を妨げてしまうリスク、そして最悪の場合、飛行許可の取り消しといった事態を招く可能性があります。

レベル3飛行は、単に許可を取るだけでなく、飛行ごとの丁寧な事前準備と関係機関への配慮があって初めて安全に行えるものです。

安全運航のプロとして、事前連絡は確実に実施してください。

もし、事前連絡先のリストアップや通知書の作成、各機関との調整に不安がある場合は、ぜひドローン専門行政書士にご相談ください。

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