ドローンロケ飛行 多岐にわたる関係者調整:矢野事務所

ドローンロケ飛行 多岐にわたる関係者調整
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
田園地帯を走る列車の横を並行して飛ばすドラマ空撮を相談されました。鉄道会社や田畑所有者や河川管理者など調整が多岐に渡ります。共通ルールがなく千差万別。鉄道会社や自治体が地域の関係者と調整してくれる場合があるので、この様なケースではまずは真正面から協力依頼する事をお勧めしてます。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) January 19, 2024
ドローンが社会の様々なシーンで活用されるようになるにつれ、飛行させる場所も多岐にわたってきました。
単に航空法上の飛行許可・承認を得るだけでなく、飛行する場所の管理者や関係者、そして地域住民の理解と協力が必要となるケースが増えています。
特に、複数の利害関係者が存在するエリアでの飛行は、複雑な調整が求められることがあります。
このページで分かること
航空法以外の壁
ドローンの飛行に関しては、まず航空法に基づいて飛行の方法や空域に関するルールが定められています。
人口集中地区での飛行や夜間飛行、目視外飛行など、特定の条件下での飛行には国土交通大臣の許可・承認が必要です。
しかし、航空法上の手続きをクリアしただけでは、すべての場所で自由にドローンを飛ばせるわけではありません。
様々な管理者の存在
ドローンを離陸させたり、低空で飛行させたりする場所は、公園、道路、河川敷、線路敷地、そして個人の土地である農地など、多くの場合、特定の管理者や所有者が存在します。
これらの管理者や所有者は、それぞれが管理する区域において独自のルールや方針を持っています。
例えば、公園であれば管理者の許可が必要な場合がありますし、道路上空であれば道路管理者の許可、私有地であれば所有者の許可が必要となるのが一般的です。
関係者調整の複雑さ
田園地帯を走る列車の横で、ドラマ空撮のためにドローンを並行して飛ばすといったケースは、まさにこのような多岐にわたる関係者との調整が必要となる典型的な例と言えるでしょう。
この場合、関係者として考えられるのは、まず鉄道会社です。
列車の運行の安全確保は最優先事項であり、鉄道敷地内やその近傍でのドローン飛行には、鉄道会社の厳格な安全基準やルール、そして許可が必要となります。
次に、線路に沿って広がる田畑の所有者の方々です。
ドローンの飛行経路によっては、農地の上空を通過したり、離着陸場所として利用させていただいたりする必要が生じるかもしれません。
農作物への影響やプライバシーへの配慮も必要となります。
さらに、近くに河川があれば、河川管理者(国や自治体)との調整も必要となる可能性があります。
個別ルールの理解
これらの関係者は、それぞれが異なる安全基準、運用ルール、そしてドローン飛行に対する考え方を持っています。
鉄道会社は鉄道の安全運行に関する専門的な知見に基づいたルールを持ち、農家の方々は農作業や農作物への影響を最も懸念されるでしょう。
河川管理者も、河川の管理や防災に関する独自の視点を持っています。
このように、関係者ごとに懸念事項やルールが異なるため、すべてのケースに共通する一律の調整ルールは存在せず、まさに「千差万別」、個別の対応が求められることになります。
調整の難しさ
それぞれの関係者に対し、ドローンを飛行させる目的、日時、経路、高度、そしてどのように安全を確保するのかを丁寧に説明し、理解と協力を得ることは容易ではありません。
ドローンに対する知識や理解の度合いも関係者によって異なる場合があり、不信感や誤解から調整が難航することもあります。
また、関係者が多数にわたる場合は、それぞれの調整に時間と労力がかかり、全体のスケジュールに影響が出る可能性も考えられます。
円滑な調整のために
複雑な関係者調整を円滑に進め、ドローン飛行を実現するためには、事前の準備と丁寧なコミュニケーションが鍵となります。
事前の情報収集
飛行を計画しているエリアについて、どのような管理者や所有者が存在するのかを事前に徹底的に調査することが重要です。
登記簿を確認したり、現地の看板や情報を収集したりするなど、地道な情報収集が、その後の調整をスムーズに進めるための第一歩となります。
丁寧な説明と提案
関係者に対しては、ドローンを飛行させることの必要性やメリット(例えば、ドラマ空撮であれば、作品の質向上による地域PR効果など)、そして安全確保のための具体的な対策(飛行高度、飛行範囲、補助者の配置、第三者の立入管理、プライバシーへの配慮など)を、専門用語を避け、分かりやすい言葉で丁寧に説明することが不可欠です。
相手の懸念や質問に対して真摯に耳を傾け、それに対する具体的な解決策や代替案を提示することで、信頼関係の構築に繋がります。
一方的な「許可してください」というお願いではなく、関係者にとっても何らかのメリットがあることを示す「Win-Win」の関係を提案することも有効な場合があります。
関係機関との連携
関係機関に協力依頼することも、複雑な調整案件において有効な手段となりうるアプローチです。
協力依頼の有効性
例えば、鉄道会社に対しては、直接ドローン飛行の計画を説明し、安全基準やルールについて確認し、必要に応じて立ち会いなどの協力を依頼することが考えられます。
また、飛行エリアが含まれる自治体に対し、どのような目的でドローンを飛ばしたいのかを相談し、地域の関係者(農家の方々など)との調整について協力を依頼することも有効な場合があります。
自治体は地域の様々な関係者とのネットワークを持っている場合が多く、間に入って調整をサポートしてくれる可能性があります。
ただし、自治体にもそれぞれの立場や方針があるため、必ずしもすべての調整を引き受けてくれるわけではありません。
まずは誠意をもって相談を持ちかけてみることが重要です。
鉄道会社や自治体が調整の窓口となってくれる場合、個別に複数の関係者と交渉するよりも、効率的に話を進められる可能性があります。
まとめ
ドローンを安全かつ合法的に飛行させるためには、航空法上の許可承認だけでなく、飛行場所に関わる多岐にわたる関係者の理解と協力が不可欠です。
特に、複数の管理者や所有者が存在するエリアでの飛行は、複雑な調整が求められます。
このような案件こそ、事前の綿密な情報収集、関係者への丁寧な説明と具体的な安全対策の提示、そして必要に応じた関係機関への協力依頼が、計画を成功させるための鍵となります。
ドローンを用いた多様な空撮や業務を実現するためには、技術や法規制の知識に加え、このような関係者との調整能力も非常に重要であることを認識しておく必要があります。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
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