
国立公園ドローン飛行許可取得の手順と注意点
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
日光国立公園の許可取りを依頼されました。公園管理事務所は協力的で私の立場にもご理解頂き飛行許可書や許可取り申請も受理して頂けました。依頼者には携行物として「管理事務所との調整記録・航空写真と地図・当公園の飛行ルールと注意事項・飛行マニュアル・許可書」をお渡しし喜んで頂きました。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) December 24, 2023
今回は、私が過去にX(旧Twitter)で投稿した内容を元に、国立公園におけるドローン飛行許可の取得について、より深く掘り下げて解説したいと思います。
このページで分かること
国立公園でのドローン飛行
国立公園は、その自然景観や生態系を保護するために、ドローンの飛行に関して特別なルールが設けられています。
原則として、国立公園内でのドローンの飛行は禁止されていますが、特定の目的や条件を満たす場合に限り、環境省や各国立公園の管理事務所の許可を得ることで飛行が可能になります。
今回のケースでは、日光国立公園の管理事務所が非常に協力的であり、私の立場やドローン飛行の目的をご理解いただけたため、スムーズに飛行許可申請を受理していただくことができました。
しかし、全ての国立公園で同様の対応が取られるとは限りません。事前の丁寧な情報収集と準備が不可欠です。
許可取得の流れと必要書類
ここでご紹介する許可取得の流れと必要書類は、あくまで申請の一例として、今回の日光国立公園におけるケースをモデルに解説するものです。
国立公園ごとに手続きや必要書類は異なる場合がありますので、必ず事前に飛行を予定している国立公園の管理事務所にご確認ください。
国立公園でドローンを飛行させるための許可取得は、以下のステップで進みます。
- 事前相談
まずは、飛行を予定している国立公園の管理事務所に事前に連絡し、飛行の目的、日時、場所、方法などを具体的に伝え、許可取得の可能性や必要な手続きについて確認します。この段階での情報共有と良好なコミュニケーションが、スムーズな許可取得の鍵となります。 - 申請書類の準備
管理事務所から指示された申請書類を準備します。一般的に必要となる書類は以下の通りです。- ドローン飛行許可申請書
管理事務所の指定様式に基づき、必要事項を正確に記入します。 - 飛行計画書
飛行日時、場所、ルート、高度、目的、安全対策などを詳細に記述します。 - 機体に関する資料
ドローンの登録情報、機体性能、保険加入状況などを証明する書類の写し。 - 操縦者の技能を示す書類
ドローンの操縦資格、飛行経歴などを証明する書類の写し。 - 飛行場所を示す資料
航空写真や地図に飛行範囲、離着陸地点、立入禁止区域などを明示したもの。 - その他
管理事務所が別途要求する書類(例:飛行目的を証明する書類、関係機関との調整記録など)。
- ドローン飛行許可申請書
- 申請書類の提出
準備が整った申請書類を管理事務所に提出します。提出方法や期限については、事前に管理事務所に確認してください。 - 審査
提出された申請書類に基づいて、管理事務所による審査が行われます。飛行の目的、安全性、環境への影響などが総合的に判断されます。必要に応じて、追加資料の提出や説明を求められることがあります。 - 許可書の交付
審査に合格すると、ドローン飛行許可書が交付されます。許可書には、飛行可能な日時、場所、条件、注意事項などが記載されていますので、内容を十分に理解し、遵守する必要があります。
依頼者へお渡しした携行物
今回、許可を取得した依頼者の方には、以下の携行物を準備しお渡ししました。
これにより、安心して飛行に臨んでいただけると考えました。
- 管理事務所との調整記録
事前のやり取りや確認事項をまとめたものです。 - 航空写真と地図
許可された飛行範囲、離着陸地点、注意すべき区域を明示したものです。 - 当公園の飛行ルールと注意事項
管理事務所から提供された、公園内での飛行に関する特別なルールや注意点です。 - 飛行マニュアル
使用するドローンの取扱説明書や安全飛行のための手順書です。 - 飛行許可書
今回取得した許可書の原本または写しです。
これらの携行物は、飛行中のトラブルを未然に防ぎ、安全かつ円滑な運用をサポートするために重要です。
国立公園飛行の注意点
国立公園でドローンを飛行させる際には、以下の点に特に注意が必要です。
- 環境への配慮
自然植生や野生動物への影響を最小限に抑えるため、許可された範囲、高度、ルートを厳守し、騒音などにも十分配慮する必要があります。 - 安全性の確保
飛行前の機体点検を徹底し、天候状況や周囲の安全を確認した上で飛行を実施します。第三者の安全確保を最優先とし、立入禁止区域の設定や監視員の配置など、必要な安全対策を講じます。 - ルールとマナーの遵守
管理事務所の指示や公園内のルールを遵守し、他の利用者や公園の景観に配慮した飛行を心がけます。 - 記録の保持
飛行日時、場所、ルート、点検記録などを正確に記録し、必要に応じて管理事務所に報告できるようにしておきます。
国立公園でのドローン飛行は、その美しい景観を空から捉えることができる貴重な機会ですが、特別なルールと責任が伴うことを理解しておく必要があります。
アドバイス
国立公園でのドローン飛行許可取得は、一般的な飛行許可申請に比べて、より慎重な準備と丁寧な対応が求められます。
管理事務所との事前の密な連携、正確な書類作成、そして何よりも安全と環境への配慮が不可欠です。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
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