
国有林スキー場は管理者確認が先|矢野事務所
ドローンを飛行させる際、多くの場合、まず航空法に基づく許可・承認の要否を確認します。
しかし、飛行場所によっては、航空法とは別に、土地や施設の管理者確認が必要になります。
国有林内にあるスキー場は、その典型です。
国有林である以上、森林管理署への確認が必要になります。
一方で、実際の現場管理はスキー場側に任されている場合があります。
この場合、森林管理署だけを見ても足りません。
スキー場側の管理ルール、入林届、利用者安全、施設運用まで含めて確認する必要があります。
このページで分かること
国有林スキー場で起きた実務事例
国有林内にあるスキー場でドローン飛行を検討された方から、印象的な話を伺いました。
その方は、まず森林管理署に確認しました。
すると、「一帯の管理はスキー場側に任せている」との回答だったそうです。
そこで、スキー場側に入林届を提出しました。
すると、スキー場側から「きちんと手続きを踏む人は珍しい」と感心されたとのことでした。
結果として、スキー場側の協力を得ながら、非常に良い飛行ができたそうです。
この事例は、航空法だけでなく、現場の管理者確認がいかに重要かを示しています。
国有林ではまず森林管理署を確認する
国有林は、国が所有・管理する森林です。
そのため、国有林でドローンを飛ばす場合、まず管轄の森林管理署へ確認することが基本になります。
確認すべきことは、単に「飛ばしてよいか」ではありません。
- その場所が国有林に該当するか
- 入林届が必要か
- 実際の管理者が誰か
- スキー場や施設管理者への確認が必要か
- 飛行時に守るべき条件があるか
国有林であるからといって、すべての判断が森林管理署だけで完結するとは限りません。
実際の現場管理者が別にいる場合があります。
スキー場側に管理が任されている場合がある
今回の事例で重要なのは、「森林管理署に確認したら、一帯の管理はスキー場側に任せている」と回答された点です。
これは、国有林であっても、施設としての実際の管理はスキー場側が担っている場合があるということです。
このような場合、森林管理署への確認だけでは足りません。
スキー場側にも、飛行目的、日時、場所、離着陸地点、安全対策を説明する必要があります。
また、スキー場側の営業ルール、利用者動線、リフト・ゲレンデ・施設管理との関係も確認する必要があります。
つまり、国有林の手続とスキー場の管理ルールは、別々に整理する必要があります。
スキー場は特殊な飛行環境です
スキー場は、不特定多数の利用者が高速で移動する特殊な環境です。
通常の山林とは異なり、ゲレンデ、リフト、レストハウス、駐車場、圧雪車、作業車両などが関係します。
また、営業中であれば、スキーヤーやスノーボーダーの動きは読みにくくなります。
そのため、ドローン飛行では次のような確認が必要になります。
- 営業中か休業中か
- ゲレンデ利用者がいるか
- リフトや索道施設との距離
- 離着陸場所の安全性
- 施設管理者の立会いや協力の有無
- 飛行中止基準
スキー場では、単に「山の中だから人が少ない」とは言えません。
施設利用者と管理作業がある以上、現場管理者との調整が不可欠です。
丁寧な手続きが協力を生む
今回の事例で印象的なのは、「きちんと手続きを踏む人は珍しい」とスキー場側に感心されたという点です。
これは、多くのドローン利用者が、航空法の確認だけで済ませてしまい、現地管理者への確認を軽く見ている可能性を示しています。
しかし、実務では、丁寧な手続きこそが飛行を成立させます。
- 管理者に事前確認する
- 入林届を出す
- 飛行範囲を説明する
- 安全対策を共有する
- 現場協力を得る
こうした積み重ねによって、管理者側も協力しやすくなります。
ドローン飛行では、法令上の許可だけでなく、関係者との信頼関係が重要です。
航空法の許可と管理者承諾は別問題
ドローン飛行では、航空法に基づく許可・承認が必要になる場合があります。
しかし、航空法の許可があることと、その場所で飛ばしてよいことは別問題です。
土地や施設には管理者がいます。
国有林、スキー場、公園、河川敷、神社仏閣、商業施設など、それぞれに管理主体があります。
その管理者の承諾や確認がなければ、現場で止まる可能性があります。
航空法の許可は、空を飛ぶための条件です。
管理者承諾は、その場所を使うための条件です。
この二つを混同してはいけません。
国有林スキー場は運航管理の問題でもある
国有林内のスキー場でのドローン飛行は、単なる許可申請ではありません。
運航管理の問題です。
誰が森林管理署へ確認するのか。
誰がスキー場側と調整するのか。
誰が入林届を提出するのか。
誰が当日の現場状況を確認するのか。
誰が利用者や施設作業との関係を見て中止判断するのか。
これらを整理しなければ、許可があっても現場で止まります。
この点は、ドローン運航管理の視点で整理する必要があります。
判断設計として見る国有林スキー場の飛行
国有林内のスキー場では、複数の論点が重なります。
航空法。
国有林の入林手続。
森林管理署への確認。
スキー場管理者への確認。
利用者安全。
施設管理。
当日の営業状況。
これらを一つずつ整理して、飛行として成立する形にしなければなりません。
こうした複数論点が重なる案件は、判断設計が必要なドローン案件とは|矢野事務所の典型です。
まとめ
国有林内にあるスキー場でドローンを飛ばす場合、航空法だけでは判断できません。
まず森林管理署へ確認し、実際の管理がスキー場側に任されている場合は、スキー場側への確認が必要になります。
入林届、管理者承諾、安全対策、利用者動線、施設管理まで整理して初めて、現場での飛行が成立します。
今回の事例のように、丁寧に手続きを踏むことで、管理者側の信頼と協力を得られることがあります。
ドローン飛行では、法令遵守だけでなく、現場の管理者とどう合意形成するかが重要です。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています
