
包括申請「夜+DID+目視外」組合せ飛行注意点:矢野事務所
包括申請で飛ばせるのは【夜間・DID・目視外・人モノ30】。しかし,夜間&目視外、夜間&DID等々、組合せはNG。しかし多くの方が無意識にやっています。包括申請で取れた四飛行への誤解からです。組合せ飛行は個別申請やマニュアル変更申請をしないと違反飛行となり検挙されます。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 28, 2023
包括申請は、夜間飛行・目視外飛行・人又は物件から30m未満の飛行・人口集中地区(DID)上空の飛行をまとめて許可できる便利な制度です。
しかし実務では、この4つの飛行を自由に組み合わせて飛ばせるわけではありません。
許可があることと、その組合せで運航が成立することは別問題です。
目視外飛行の成立条件は、目視外飛行の成立条件と判断整理でも整理しています。本記事では、包括申請における組合せ飛行の実務判断に絞って解説します。
- 包括申請の特定飛行は原則「単独前提」
- 夜+目視外、夜+DIDなどの組合せはそのままではNG
- 必要なのは「許可」ではなく組合せに対応した運航設計
このページで分かること
包括申請で許可される4つの飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人又は物件から30m未満の飛行
- DID上空の飛行
この4つをすべて許可取得しているケースは多いですが、ここで起きる誤解が、「全部持っているから重ねて使える」というものです。
この理解は誤りです。
なぜ組合せ飛行が成立しないのか
それぞれの特定飛行は、単独でのリスクを前提に安全体制が設計されています。
しかし組み合わせると、リスクは単純加算ではなく複合化します。
- 夜間+目視外 → 視認性と監視能力が同時に低下
- 夜間+DID → 第三者管理と視認性の両方が厳しくなる
- 目視外+30m未満 → 近接リスクと監視困難が重なる
標準マニュアルは、このような複合リスクを前提に作られていません。
したがって、マニュアルにない組合せで飛ばすと、許可範囲外の飛行と評価されます。
違反になる構造
許可は「提出されたマニュアルに従うこと」を前提に出ています。
つまり、
- マニュアルに書いていない運用
- 想定されていない組合せ
で飛ばした時点で、許可条件を外れています。
ここは「許可項目があるか」ではなく、その運用が説明できるかで見られます。
実務で問われる4つのポイント
第三者管理
夜間や目視外が重なると、第三者の接近把握が困難になります。単なる「人が少ない」は理由になりません。
立入管理
飛行範囲だけでなく、離着陸地点や周辺導線まで管理が必要です。立入管理区画の設計と判断基準も参照してください。
補助者体制
補助者は人数ではなく役割です。監視・伝達・中止判断が設計されていないと成立しません。
事後説明
事故や苦情時に「なぜその組合せで飛ばせると判断したのか」を説明できなければ、その時点で成立していません。
包括申請は取れているが現場で止まる案件は非常に多いです。組合せ飛行は「申請」ではなく「設計」で詰まります。
正しい対応方法
①個別申請
単発案件であれば、組合せ条件を前提とした個別申請が確実です。
②マニュアル変更
継続案件であれば、組合せ前提の安全対策を記述したマニュアルを作成し、包括申請に組み込みます。
どちらも共通して必要なのは、
- 第三者管理
- 立入管理
- 補助体制
- 中止基準
を具体的に設計することです。
まとめ
包括申請は便利ですが、万能ではありません。
許可の組合せ=飛行可能ではありません。
組合せ飛行は、
- マニュアルに書かれているか
- 現場で体制が組めるか
- 説明できるか
で判断する必要があります。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請「のみ」のご相談にも対応しています
