ドローン レベル4と3.5の違いは有人地帯の中身

 

このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。


「レベル4」と「レベル3.5」という似た言葉が混乱を招くことがあります。

しかし両者には明確な違いがあります。

このレベル4とレベル3.5の違いを分かりやすく解説し、皆様が適切にドローン飛行計画を立てられるようサポートします。

有人地帯に焦点を当てる

ドローンの社会実装には、都市部を含む「有人地帯」での安全飛行が重要です。

これまで原則禁止だった場所での飛行が、特定の条件で可能になりました。

混乱しやすい言葉

レベル4とレベル3.5に共通する「有人地帯」という言葉が、違いを分かりにくくしています。

両者が指す状況と必要な安全対策は異なります。

飛行レベルの概念を整理

ドローン飛行の「レベル」は、国土交通省が定めるリスク区分で、リスクに応じて機体・操縦者・運航管理の基準が変わります。

リスク別区分

  • レベル1: 目視内操縦(補助者なし)
  • レベル2: 目視内自律(補助者なし)
  • レベル3: 無人地帯目視外(補助者なし)

そして、今回解説する「レベル4」と新設された「レベル3.5」です。

レベル4飛行とは

第三者上空を飛ぶ

レベル4飛行は「有人地帯で、補助者無し、目視外、第三者の上空を飛行すること」です。

これは「人の上空」を安全に飛ぶ最高レベルの規制緩和で、都市部での配送や点検などに活用が期待されます。

必須要件

人の上空飛行は高リスクなため、厳しい基準があります。

  • 機体認証
    国が安全性を確認した「第一種型式認証」機体などが基本です。
  • 操縦士技能証明
    国の試験に合格した「一等無人航空機操縦士」資格が必要です。
  • 運航管理
    厳格な安全管理体制の構築が義務付けられます。

レベル3.5飛行とは

新たな飛行区分

レベル3.5は2024年3月5日に始まった区分で、レベル4の手前のステップです。

「有人地帯で、目視外、飛行経路下及び周辺に第三者がいない状態での飛行」を指します。

想定される場所

ポイントは「有人地帯」でも「第三者がいない上空」である点で、以下のような場所が想定されます。

  • 人通りの少ない地方部、集落
  • 立ち入り管理された敷地内、通路
  • 立ち入り管理可能なイベント会場など

物流への貢献

レベル3.5は、地方の「ラストワンマイル物流」促進に期待されていて、インフラ不足地域への物資輸送をドローンで実現する道を開きます。

安全対策が重要

レベル3.5では、レベル4ほど厳格な機体・操縦者要件は必須ではありません(ただし、特定の飛行では二等資格等が必要な場合もあります)。

その代わりに、飛行経路下の第三者の立ち入りを管理するなど、運航上の安全対策が重視されます。

両者の違い「第三者上空」の有無

「第三者上空」の有無

レベル4と3.5の最大の違いは「飛行経路の直下に第三者がいるか、いないか」です。

  • レベル4
    飛行経路の下に第三者がいてもその上空を飛びます。
  • レベル3.5
    飛行経路の下に第三者がいない状態を確保して飛行します。

この違いで、安全対策や必要な機体・操縦者要件が変わります。

申請手続きの概要

どちらのレベルも、原則DIPSでのオンライン申請が必要です。

求められる対応

レベル4は機体・操縦者要件が前提となり、提出書類などがより詳細です。

レベル3.5は、立入管理などの運航安全対策の説明が重要になります。

専門家への相談

どちらのレベルに該当するか、どのような手続きが必要か判断が難しい場合や、複雑な申請手続きが必要な場合は、ドローン法務に詳しい行政書士への相談をご検討ください。

あなたの飛行計画

ご自身の計画が有人地帯に該当するか、そして「飛行経路下に第三者がいるか(排除できるか)」を確認しましょう。

常に不特定第三者がいる場所 → レベル4(機体認証、一等資格などが必要) 第三者がいない、または排除できる場所 → レベル3.5(立入管理などの安全対策が必要)

まとめ

レベル4とレベル3.5はドローン活用の新時代を開く制度ですが、「有人地帯」に惑わされず、「第三者上空の有無」という違いを正しく理解することが重要です。

適切な安全対策と手続きを行い、安全なドローン運用を目指しましょう。

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