ドローン レベル4と3.5の違いは有人地帯の中身
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
レベル4と3.5。どちらも有人地帯を飛ばせますが有人という言葉で両者を混同してしまいます。第三者の上空を飛ばすのが4で3.5は第三者のいない上空。3.5の有人地帯は人の少ない中山間部を想定しておりラストワンマイル対策としてドローン物流を早く社会実装したいという明確な狙いがあるようです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) December 14, 2023
「レベル4」と「レベル3.5」という似た言葉が混乱を招くことがあります。
しかし両者には明確な違いがあります。
このレベル4とレベル3.5の違いを分かりやすく解説し、皆様が適切にドローン飛行計画を立てられるようサポートします。
このページで分かること
有人地帯に焦点を当てる
ドローンの社会実装には、都市部を含む「有人地帯」での安全飛行が重要です。
これまで原則禁止だった場所での飛行が、特定の条件で可能になりました。
混乱しやすい言葉
レベル4とレベル3.5に共通する「有人地帯」という言葉が、違いを分かりにくくしています。
両者が指す状況と必要な安全対策は異なります。
飛行レベルの概念を整理
ドローン飛行の「レベル」は、国土交通省が定めるリスク区分で、リスクに応じて機体・操縦者・運航管理の基準が変わります。
リスク別区分
- レベル1: 目視内操縦(補助者なし)
- レベル2: 目視内自律(補助者なし)
- レベル3: 無人地帯目視外(補助者なし)
そして、今回解説する「レベル4」と新設された「レベル3.5」です。
レベル4飛行とは
第三者上空を飛ぶ
レベル4飛行は「有人地帯で、補助者無し、目視外、第三者の上空を飛行すること」です。
これは「人の上空」を安全に飛ぶ最高レベルの規制緩和で、都市部での配送や点検などに活用が期待されます。
必須要件
人の上空飛行は高リスクなため、厳しい基準があります。
- 機体認証
国が安全性を確認した「第一種型式認証」機体などが基本です。 - 操縦士技能証明
国の試験に合格した「一等無人航空機操縦士」資格が必要です。 - 運航管理
厳格な安全管理体制の構築が義務付けられます。
レベル3.5飛行とは
新たな飛行区分
レベル3.5は2024年3月5日に始まった区分で、レベル4の手前のステップです。
「有人地帯で、目視外、飛行経路下及び周辺に第三者がいない状態での飛行」を指します。
想定される場所
ポイントは「有人地帯」でも「第三者がいない上空」である点で、以下のような場所が想定されます。
- 人通りの少ない地方部、集落
- 立ち入り管理された敷地内、通路
- 立ち入り管理可能なイベント会場など
物流への貢献
レベル3.5は、地方の「ラストワンマイル物流」促進に期待されていて、インフラ不足地域への物資輸送をドローンで実現する道を開きます。
安全対策が重要
レベル3.5では、レベル4ほど厳格な機体・操縦者要件は必須ではありません(ただし、特定の飛行では二等資格等が必要な場合もあります)。
その代わりに、飛行経路下の第三者の立ち入りを管理するなど、運航上の安全対策が重視されます。
両者の違い「第三者上空」の有無
「第三者上空」の有無
レベル4と3.5の最大の違いは「飛行経路の直下に第三者がいるか、いないか」です。
- レベル4
飛行経路の下に第三者がいてもその上空を飛びます。 - レベル3.5
飛行経路の下に第三者がいない状態を確保して飛行します。
この違いで、安全対策や必要な機体・操縦者要件が変わります。
申請手続きの概要
どちらのレベルも、原則DIPSでのオンライン申請が必要です。
求められる対応
レベル4は機体・操縦者要件が前提となり、提出書類などがより詳細です。
レベル3.5は、立入管理などの運航安全対策の説明が重要になります。
専門家への相談
どちらのレベルに該当するか、どのような手続きが必要か判断が難しい場合や、複雑な申請手続きが必要な場合は、ドローン法務に詳しい行政書士への相談をご検討ください。
あなたの飛行計画
ご自身の計画が有人地帯に該当するか、そして「飛行経路下に第三者がいるか(排除できるか)」を確認しましょう。
常に不特定第三者がいる場所 → レベル4(機体認証、一等資格などが必要) 第三者がいない、または排除できる場所 → レベル3.5(立入管理などの安全対策が必要)
まとめ
レベル4とレベル3.5はドローン活用の新時代を開く制度ですが、「有人地帯」に惑わされず、「第三者上空の有無」という違いを正しく理解することが重要です。
適切な安全対策と手続きを行い、安全なドローン運用を目指しましょう。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
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