
DJI Mini4 Pro型式認証の正しい理解と注意点
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
【Mini4 Pro 】が型式2種を取得しました。今後資格者が当機体を新規購入し機体認証を取得すれば包括申請が不要となります。更に夜間目視外やDID夜間も個別申請が不要となります。一方、催し上空は当機でも個別申請が必須です。どなたかの認証機体で催し上空の個別申請を体験してみたいところです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) May 26, 2025
ドローンの法規制は年々進化しており、その中でも特に注目されているのが「型式認証」制度です。
この制度が、実際のドローン運用、特に飛行許可申請のプロセスにどのようなメリットをもたらすのかは、多くのドローンユーザーの関心事でしょう。
このほど、人気の高い「DJI Mini4 Pro」が型式認証(第二種)を取得したというニュースは、まさにその変化を象徴する出来事です。
これにより、国家資格を持つ操縦者がDJI Mini4 Proを新規購入し、所定の機体認証を取得すれば、これまで必要だった包括申請が不要となる、という大きなメリットが生まれます。
さらに、夜間目視外飛行やDID地区での夜間飛行も個別申請が不要になるという、運用上の大幅な簡素化が期待されます。
一方で、催し場所の上空での飛行は、DJI Mini4 Proのような認証機体であっても、依然として個別申請が必須である点には注意が必要です。
このページで分かること
型式認証とは?
型式認証とは、ドローン(無人航空機)の設計や製造プロセスが、国の定める安全基準に適合していることを国土交通大臣が証明する制度です。
自動車の型式認定のようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
型式認証には、特定の条件下での第三者上空飛行が可能な「第一種」と、そうでない「第二種」があります。
DJI Mini4 Proが取得したのは第二種型式認証です。
第二種型式認証機体は、主にカテゴリーII飛行(特定飛行のうち、第三者の立入管理措置が必要となる飛行)に用いられます。
そして、この型式認証を取得することで、個別の機体認証審査が大幅に簡素化されるというメリットがあります。
個々の機体認証が必須
国家資格者が包括申請や一部の個別申請の免除というメリットを受けるためには、型式認証を取得したDJI Mini4 Proのような機体を購入するだけではかないません。
型式認証機体であっても、あらためて個々の機体に対して「機体認証」を取得する必要がある、、、という点には注意が必要です。
この機体認証は、購入した機体がその型式認証を受けた機体として正しく製造され、安全な状態であることを確認するための手続きです。
国家資格者とその者が飛ばす機体がこの「機体認証」を取得して初めて、前述の許可承認免除メリットが生まれます。
今回のように型式認証を受けたMini4 Pro機体その機体一つ一つに対して「機体認証」を取得するのですが、この場合にその認証のプロセスが大幅に簡素化されます。
通常、機体認証は個々のドローンが安全基準を満たしているかを詳細に審査するものですが、型式認証機体であれば、その型式が既に安全基準を満たしていることが証明されているため、個別の審査項目が免除されたり簡略化されたりするのです。
許可申請の不要となる特定飛行
DJI Mini4 Proが第二種型式認証を取得したことの最大のメリットは、国家資格(一等無人航空機操縦士または二等無人航空機操縦士)を持つ操縦者が「機体認証を受けた Mini4 Pro」を使用する場合、包括申請や特定の特定飛行について個別申請が不要となる点です。
具体的には、これまで包括申請や個別申請が必要であった以下の飛行が、原則として申請不要となります。
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または家屋の密集している地域(DID地区)上空での飛行
- 人または物件から30m未満の距離での飛行
これにより、これらの飛行を行う際の申請手続きの手間がなくなり、より柔軟かつ効率的なドローン運用が可能となります。
これは、多くのドローンユーザーにとって画期的な変化と言えるでしょう。
催し上空は依然「必須」
しかし、DJI Mini4 Proが第二種型式認証を取得し、国家資格者による運用で多くの特定飛行が申請不要になる中でも、引き続き個別の許可・承認申請が必須となる飛行条件が存在します。
その代表例が、「催し場所の上空での飛行」です。
催し場所とは、イベント会場や祭りの会場など、不特定多数の人が集まる場所を指します。
このような場所でのドローン飛行は、万が一の事故が発生した場合に甚大な被害につながる可能性があるため、型式認証機体であっても、国家資格者が操縦する場合であっても、引き続き個別の厳格な審査と許可が必要とされています。
他にも、空港周辺空域や、高高度の航空路上の空域など、航空法で定められた特定の空域での飛行は、引き続き許可が必要です。
認証機体と資格者の時代
Mini4 Proの型式認証取得は、今後のドローン産業が目指す方向性を明確に示しています。
それは、「国家資格を持つ操縦者」と「型式認証を受けた安全な機体」の組み合わせにより、特定の飛行をより簡素な手続きで、安全に行えるようになる、というものです。
これは、操縦者の技能だけでなく、使用する機体の安全性も国が担保することで、ドローン運用の信頼性を高め、社会受容性を向上させるための重要なステップです。
将来的には、このような認証機体と資格者の組み合わせが、ドローン運用のスタンダードになっていくことでしょう。
まとめ
DJI Mini4 Proの第二種型式認証取得は、国家資格を持つ操縦者が当該機体を使用し機体認証を取得することで、多くの特定飛行(夜間、目視外、DID夜間など)において、包括申請や個別申請が不要となる画期的なメリットをもたらします。
これにより、ドローン運用の柔軟性と効率性が飛躍的に向上するでしょう。
しかし、催し場所上空での飛行や、空港周辺空域など、一部の条件では引き続き個別申請が必須である点には注意が必要です。
国家資格と認証機体の組み合わせが、これからのドローン運用のスタンダードとなり、より安全で効率的なドローン活用を促進することは間違いありません。
常に最新の情報を把握し、法令を遵守しながら、ドローンが社会に貢献する道を共に切り拓いていきましょう。
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