
ドローン 催し上空 許可の分かれ目
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
催し(イベント)上空の「催し」とは不特定多数の人の集まりを指します。運動会は催しですが、生徒や家族他、参加者全員が「特定できる場合」には催しとはなりません。参加者名簿で特定され校門の施錠等で第三者排除が可能なら催しにはならず上空規制から外れる場合もあります。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 29, 2023
ドローンを飛行させる際、特に人が多く集まる場所の近くや上空での飛行には細心の注意が必要です。
航空法では、第三者が集まる「催し」場所の上空での飛行は、特定飛行に該当し、国土交通大臣の許可・承認が必要とされています。
しかし、この「催し」の定義が、時に誤解を生むことがあります。
「人が集まっていれば、すべて催しになるのか?」というと、必ずしもそうではありません。
今回の記事では、この「催し」の定義について、そして許可が必要になる場合とならない場合の「分かれ目」を詳しく解説します。
このページで分かること
催し上空の規制
航空法では、特定の条件下でのドローン飛行を「特定飛行」と定めており、これらの飛行を行うには原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です。
「第三者の催しの場所の上空における飛行」も、この特定飛行の一つです。
なぜ規制されているかというと、多くの人が集まる場所の上空での飛行は、機体トラブルなどの際に墜落した場合、多数の人に被害を及ぼす可能性が非常に高いためです。
そのため、許可を得るには厳格な安全対策計画が求められます。
「催し」の本当の定義
では、航空法における「催し」とは、具体的にどのような集まりを指すのでしょうか。
ここでいう「催し」とは「特定の目的を持って集まった不特定多数の人の集まり」を指すと考えられています。
不特定多数とは
ポイントは「不特定多数」という点です。
これは、誰でも自由に参加できる、あるいは参加者が事前に特定・把握されていない状態の人の集まりを意味します。
例えば、以下のようなものが典型的な「催し」に該当します。お祭りの会場
- フリーマーケット
- デモ行進
- 大規模なコンサートやスポーツイベント(観客が不特定多数)
- 多くの人が行き交う大規模な駅前広場や街頭
定義に当てはまらない場合
ご提示いただいた内容にあるように「参加者全員を特定できる」集まりで、かつ「第三者が容易に立ち入れないように管理されている」場合は、たとえ一見多くの人が集まっているように見えても、「不特定多数の人の集まり」である「催し」には当たらない、と判断されることがあります。
例えば、会社の研修や、学校の運動会、町内会の総会など、参加者が限定されており、参加者名簿などで管理され、関係者以外が立ち入らないよう門を閉めるなど、明確に区別・排除されているようなケースです。
この場合、集まっている人々は「特定できる人」となるため、「不特定多数の人の集まり」である「催し」の定義からは外れる可能性があるのです。
許可が不要になる?
もし、その集まりが上記の理由で「催し」の定義に当てはまらないと判断された場合、どうなるのでしょうか?
この場合、「催しの上空を飛行するための特定飛行の許可・承認」は不要となります。
これは大きな違いです。
運動会が「催し」と判断されるかどうかで、許可申請が必要かどうかが変わる可能性があるということです。
30m規制に注意
ただし、ここで非常に重要な注意点があります。
たとえ「催し」には該当しないと判断されても、その場所に「人」がいることに変わりはありません。
したがって、ドローンを飛行させる際は、その「特定できる人」たちから水平距離で30メートル以上の距離を保たなければならない、という人モノ30m規制は依然として適用されます。
もし、これらの「特定できる人」たちから30m未満の距離で飛行させたい場合は、別途「人又は物件から30m未満の距離での飛行」に関する許可・承認(通常、包括申請に含めて取得)が必要となり、その許可条件(安全対策など)を遵守する必要があります。
つまり、「催しに当たらない=すべての規制から解放」ということではなく「催しの上空規制からは外れるが、人に対する30m規制は適用される」というのが正しい理解です。
判断のポイント
ある集まりが「催し」に該当するかどうかを判断する際は、その規模だけでなく、以下の点を慎重に確認することが重要です。
- 参加者は限定されているか? 事前にリストなどで把握されているか?
- 第三者が容易に立ち入れないよう、明確な区別や管理(入口の制限、警備など)が行われているか?
これらの点が満たされているほど、「催し」に当たらない可能性が高まります。
しかし、判断に迷う場合や、少しでも不特定多数が混入する可能性がある場合は、安全のために「催し」であると想定して、適切な許可を取得するか、飛行を避けるのが賢明です。
常に安全確保と法令遵守を最優先に考えましょう。
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