飛行前に小型無人機等飛行禁止法を確認する
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
忘れがちなもう一つのドローン法「小型無人機等禁止法」の対象施設は全国にあります。自衛隊基地や原発等です。周辺飛行には管理者の同意と飛行48時間前の公安への通報(管轄警察署経由)が必要です。都道府県別の許可取りメニューとして作成することにしました。また毎日一県47日間の旅の始まりです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) March 23, 2024
今日は、ドローンを安全に飛行させるために、航空法と並んで重要な法律、「小型無人機等飛行禁止法」について、より詳しく解説します。
このページで分かること
小型無人機等飛行禁止法とは?
ドローンを飛行させる際、航空法の許可・承認だけでなく、「小型無人機等飛行禁止法」(以下「禁止法」)の遵守も必要です。
この法律は、特定の重要施設とその周辺地域におけるドローン等の飛行を禁止することで、施設の機能を損なう行為やテロなどの危険行為を未然に防ぎ、国民と施設の安全を確保することを目的としています。
近年、ドローン等の性能向上と利用拡大に伴い、重要な施設周辺での事故や犯罪のリスクが懸念されています。
そのため、2016年の法律制定、2019年の改正など、社会情勢の変化に合わせて規制が強化されています。
禁止法の対象となる施設:具体的な例と詳細
禁止法の対象となる施設は全国に数多く、主に以下のものが挙げられます。
これらの施設は、国の安全や国民生活の基盤となる重要な施設であり、ドローン等の飛行による影響を最小限に抑える必要があります。
国の重要な施設
- 国会議事堂
- 内閣総理大臣官邸
- 最高裁判所
その機能に重大な影響を与える可能性があるため、禁止されています。
外国公館
- 各国の大使館
- 領事館
国際関係に影響を与える可能性があるため、禁止されています。
防衛関係施設
- 自衛隊の基地
- 駐屯地
- 射撃場
防衛上の機密情報漏洩や、訓練の妨げになる可能性があるため、禁止されています。
原子力関係施設
- 原子力発電所
- 再処理施設
テロ攻撃や事故による放射性物質の拡散などのリスクがあるため、厳しく制限されています。
空港
- 空港の敷地
- 進入表面、転移表面、水平表面、円錐表面の上空
その他政令で定める施設
上記の施設のほかにも、国の重要な機能を有する施設や、公共の安全を確保するために特に飛行を禁止する必要がある施設が、政令によって指定されています。
これらの施設は、それぞれの性質や状況に応じて、個別に飛行禁止区域が設定されています。
これらの施設の周辺地域(原則として300m以内)では、ドローン等の飛行が禁止されています。
ただし、施設の管理者や所轄の警察署に申請し、必要な手続きを行うことで、飛行が許可される場合があります。
必要な手続き
禁止法の対象となる施設周辺で、業務やその他の理由でどうしてもドローンを飛行させる必要がある場合は、以下の手続きを行う必要があります。
これらの手続きは、施設の安全を確保しつつ、ドローンの利用を認めるための重要なプロセスです。
管理者の同意
飛行させようとする施設の管理者の同意を得る必要があります。
管理者は、施設の性質や状況、飛行目的などを総合的に判断し、飛行の可否や、飛行時間、飛行経路、飛行高度などの条件を決定します。
管理者の同意を得る際には、以下の点に注意が必要です。
- 事前に十分な時間を持って申請を行う
→ 管理者は、申請内容を慎重に検討する必要があるため、直前の申請では対応できない場合があります。 - 必要な資料を揃えて提出する
→ 飛行計画書、機体の仕様書、操縦者の技能を証明する書類など、管理者が判断するために必要な資料を事前に準備し提出します。 - 管理者の指示に従う
→ 管理者から飛行の許可が下りた場合でも、飛行時間や飛行経路などの条件が付されることがあります。
警察への通報
飛行させる日の48時間前までに、飛行場所を管轄する警察署を経由して、都道府県公安委員会に飛行計画を通報する必要があります。
これは、ドローン飛行による事故や犯罪を未然に防ぎ、公共の安全を確保するための措置です。
通報する際には、以下の情報を含む飛行計画書を提出します。
- 飛行日時
- 飛行場所
- 飛行経路
- 使用する機体
- 操縦者の情報
これらの情報を正確に記載し、必要な書類を添付して、所轄の警察署に提出します。
飛行前の確認
ドローンを飛行させる前には、以下の方法で飛行場所が禁止法の対象区域に含まれていないかを確認することが重要です。
- フライトナビのアプリの利用
→ドローンフライトナビでは、禁止法の対象となる施設やその周辺地域が表示される機能があり簡単に確認できます。 - 国土交通省のWebサイトの確認
→ 国土交通省のWebサイトでは、禁止法の対象となる施設のリストや地図が公開されている場合があります。 - 関係機関への問い合わせ
→ 飛行場所が禁止法の対象区域に含まれているか不明な場合は、施設の管理者や所轄の警察署に直接問い合わせて確認することが確実です。
まとめ:二つの法律を守る
ドローンを飛行させる際には、航空法と小型無人機等飛行禁止法の二つの法律を遵守する必要があります。
これらの法律は、それぞれ異なる側面から規制を行っています。
- 航空法は、ドローンの飛行許可・承認、飛行方法、機体登録など、ドローン飛行全般に関するルールを定めています。
- 小型無人機等飛行禁止法は、特定の重要施設周辺でのドローンの飛行を制限することで、これらの施設の安全を確保することを目的としています。
これらの法律をしっかりと理解し、適切な手続きを行うことで、安全で合法的なドローン飛行を楽しみましょう。
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