ドローン横断飛行：Lv3と3.5の分かれ道
このページはＸ（エックス）の投稿を深堀り解説したブログ記事です。
Lv「3」では補助者配置は行いませんが橋や道路横断時はあえてその地点に補助者を置き操縦者との交信で横断宣言する運航業者もいます。Lv3.5では代わりに操縦者及び運航補助者のモニタ監視で横断時の状況を確認し通過を決心・宣言します。この技能は「3」の豊富な経験がないと身につかないそうです。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) December 8, 2024
ドローンの飛行レベルが上がるにつれて、安全確保の方法も進化します。
特に、橋や道路を横断するような場面では、その違いが顕著に現れます。
Lv3（補助者なし目視外飛行）では、法規上は補助者を配置しません。
しかし、実際の運航現場では、橋や道路の横断時において、あえてその地点に補助者を配置し、操縦者と密に交信しながら安全を確認し、横断宣言を行う運航業者も存在します。
一方、Lv3.5（補助者なし目視外飛行、地上での立入管理措置を講じない）では、より高度な方法が取られます。
操縦者と運航補助者がモニターを監視し、横断時の状況を確認して通過を決心・宣言します。
この判断と操作の技能は、Lv3での豊富な経験があってこそ身につくものだと言われています。
今回は、ドローンが橋や道路を横断する際の安全確保の考え方と、各飛行レベルにおける操縦者の技能、経験の重要性について解説します。
このページで分かること
飛行レベルごとの監視
ドローンの飛行レベルは、その運航に必要な安全対策と操縦者の技量を示します。
特に、第三者の上空を通過する可能性のある橋や道路の横断は、厳重な監視が求められる場面です。
飛行レベルの基礎
ドローンの飛行レベルは、国土交通省により以下のように分類されています。
- Lv1： 目視内での手動操縦
- Lv2： 目視内での自動操縦
- Lv3： 補助者なしでの目視外飛行（飛行経路下での立入管理措置あり）
- Lv3.5： 補助者なしでの目視外飛行（特定の立入管理措置を講じない）
- Lv4： 補助者なしでの目視外飛行（有人地帯での補助者なし目視外飛行）
レベルが上がるほど、第三者へのリスク管理が高度化し、操縦者や機体に求められる要件も厳しくなります。
Lv3の実践的工夫
Lv3飛行では、基本的に補助者を配置せず目視外飛行が可能です。
しかし、リスクの高い場面では、現場の知恵と工夫が安全性を高めます。
道路横断の課題
ドローンが道路や橋を横断する際、車両や歩行者といった第三者の安全確保が大きな課題となります。
特に、飛行経路下に第三者が立ち入る可能性のある場所では、厳重な注意が必要です。
目視外飛行の場合、操縦者がその場の状況を直接確認できないため、リスクが高まります。
補助者配置の背景
Lv3では、飛行経路下における第三者の立ち入りを管理する措置が求められます。
この「立入管理措置」は、看板設置や補助者の配置によって行われます。
法規上、補助者なしでの飛行が認められるLv3であっても、安全意識の高い運航業者の中には、橋や道路横断時という特定の地点に、あえて補助者を配置することがあります。
この補助者は、横断地点の安全を確認し、操縦者との無線交信を通じて「横断宣言」を行う役割を担います。
これにより、操縦者は安心して横断を開始でき、万が一の事態にも迅速に対応できる体制を確保するのです。
これは、規定以上の安全対策を自発的に講じる、プロフェッショナルな姿勢の表れと言えるでしょう。
Lv3.5のモニタ監視
Lv3.5飛行では、特定の立入管理措置を講じない状況下で目視外飛行が可能です。
このレベルでは、補助者の配置に頼らない、より高度なシステムと操縦者の判断力が求められます。
操縦者の判断
Lv3.5飛行において、橋や道路の横断時には、操縦者自身がモニターを常時監視し、ドローンの位置、高度、周囲の状況をリアルタイムで把握します。
画面上に表示される情報（地図、機体情報、センサーデータなど）を統合的に判断し、安全に横断できることを確認した上で、通過を決心し、宣言します。
この判断には、単なるモニター越しの情報だけでなく、事前に収集した飛行経路の詳細、周辺環境の情報、気象条件など、多岐にわたる要素を総合的に評価する能力が不可欠です。
運航補助者の役割
Lv3.5では、補助者が配置されないケースもありますが、もし運航補助者を置く場合は、その役割も重要です。
運航補助者は、操縦者と同様にモニターを監視し、操縦者の判断を補完したり、時には独立した視点から危険を警告したりします。
操縦者と運航補助者が連携し、最新の状況を共有することで、より確実な安全確認と、迅速な判断が可能となります。
経験が培う高度な技能
Lv3.5飛行におけるモニター監視での判断力は、一朝一夕に身につくものではありません。
Lv3経験の重要性
「この技能はLv3の豊富な経験がないと身につかないそうです。」
これは、ドローン操縦における経験の積み重ねの重要性を物語っています。
Lv3での目視外飛行を通じて、操縦者は様々な状況下でのドローンの挙動、電波環境の変化、予期せぬ事態への対応などを実地で学びます。
この実践的な経験が、Lv3.5でモニター越しの情報だけで安全を判断し、適切な操作を行うための基盤となります。
Lv3での運航を通じて培われる危機察知能力や状況判断力は、Lv3.5へのステップアップにおいて不可欠な要素です。
高度な判断力
モニター監視による横断判断は、肉眼での目視に比べて情報が限定される中で行われます。
そのため、操縦者には、モニターに映る情報から潜在的なリスクを瞬時に読み取り、正確な判断を下す高度な能力が求められます。
これは、技術的な知識だけでなく、長年の経験から培われる「勘」や「洞察力」が大きく影響する領域です。
Lv3.5飛行は、ドローン操縦者にさらなるプロフェッショナルとしての成長を促すレベルと言えるでしょう。
安全運航の追求
ドローンの飛行レベルが進化しても、安全運航の根幹にあるのは、操縦者と運航業者の高い安全意識です。
絶え間ない技能向上
ドローンを取り巻く環境は日々変化しています。新たな機体、技術、そして法規制が登場する中で、操縦者は常に自身の技能と知識をアップデートし続ける必要があります。
特に、Lv3やLv3.5のような高度な特定飛行を行う場合、定期的な訓練や、ヒヤリハット事例からの学びを通じて、自身の判断力や対応能力を継続的に向上させることが不可欠です。
専門家の活用
ドローンの飛行レベルに応じた安全対策の構築や、適切な許可申請は、専門的な知識が求められます。
ドローン関連の許認可の専門家を活用し、皆様のドローン事業における安全運航をサポートしてもらうのは大変重要なことです。
- 飛行レベルの選定助言
計画する飛行内容に応じて、Lv2、Lv3、Lv3.5の中から最適な飛行レベルを判断し、必要な許可申請を助言してもらうこと。 - 申請書類の作成支援
各飛行レベルで求められる詳細な飛行計画書や安全管理体制の書類作成をサポートしてもらうこと。 - 安全運航体制構築
操縦者の技能向上計画や、補助者の配置・役割に関するアドバイスなど、実効性のある安全体制構築を支援してもらうこと。
ドローンの進化は止まりません。それに伴い、私たちに求められる安全への意識と技能も高まっていきます。
行政書士矢野法務事務所は「高難度の申請を専門とする事務所」です。 全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。 【免責事項】
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