
【実録】なぜ都心高高度許可取得に14日間も?
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【都心での高高度】許可に補正なしで14日間かかりました。空域調整はいつもの東京管制部でなく東京空港事務所に申入れ。羽田空港制限表面内の調整と高さ制限未満等を確認etc。案の定高度調整を受けました。DID夜間は即許可でしたが空域調整だけで二週間です。都心の羽田空域は複雑なのでご注意下さい。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 1, 2025
「ドローンの飛行許可は、包括申請なら数日で取れるようになった」 最近、そんな話を聞くことが増えました。
確かに、DIPS(ドローン情報基盤システム)の審査は迅速化され、一般的なDID(人口集中地区)や夜間飛行の許可は、以前に比べて格段に早く取得できます。
しかし、その常識が全く通用しない空域があります。
それが、東京の都心部上空です。
先日、当事務所で扱った「都心部での高高度飛行」の案件。
申請内容に一切の不備がない「補正なし」の状態であったにもかかわらず、許可が下りるまでに実に14日間を要しました。
なぜ、これほどの時間がかかったのか。
その答えは、日本の空の玄関口、羽田空港の存在にあります。
今回はこの実例を基に、都心での飛行計画に潜む「見えない壁」の正体と、その対策をプロの視点から徹底的に解説します。
このページで分かること
通常の申請と何が違ったのか?
今回の案件の概要は以下の通りです。
- 飛行場所: 東京都心部
- 飛行目的: 高度150m以上でのロケ
- 申請内容: 高度150m以上の飛行、DID飛行、夜間飛行などを含む個別申請
この申請で、DID飛行や夜間飛行に関する部分は、申請後すぐに審査が完了しました。(東京航空局)
しかし、問題は「高度」に関する部分でした。(東京空港事務所)
通常の高高度飛行(150m以上)では、「東京管制部」等の三管制部(東京・神戸・福岡)との空域調整を行います。
しかし今回は、調整先が「東京空港事務所」でした。
なぜなら、飛行予定地が羽田空港の「進入表面」および「水平表面」の範囲内*にあったためです。
【ワンポイント解説】空港の「制限表面」とは? 「制限表面」とは、空港周辺に設定された、文字通り「高さを制限する見えない面(サーフェス)」のことです。航空機が安全に離着陸できるよう、障害物などがない空間を確保するために定められています。これには「進入表面」「水平表面」「転移表面」など複数の種類があり、都心部の広範囲がこの対象となっています。
この「制限表面」の内側で飛行を行う場合、たとえ地表からの高さが150m未満であっても、航空機の安全を確保するために、管轄する空港事務所との極めて厳格な調整が必須となるのです。
実際の調整プロセスと「14日間」の内訳
当事務所から東京空港事務所へ申請の申し入れを行った後、以下のような調整が行われました。
- 飛行位置の厳密な確認
提出した飛行経路の緯度経度が、制限表面のどの部分に該当するかの詳細な確認。 - 高さ制限の照合
当該地点の高さ制限(標高)と、我々が申請した飛行高度との照合。 - 高度の調整協議
航空機の航路との干渉を避けるため、当初申請した高度から、より低い高度で飛行するよう調整が入りました。(これは事前の想定通りでした)
これらの確認と調整に、実に丸2週間を要しました。
これが、許可発行までに14日間かかった理由の全てです。
一般的な審査とは全く異なる、特殊な調整が裏では行われているのです。
都心での高高度飛行を計画する際のチェックリスト
この経験から、都心部(特に羽田空港周辺)でドローンの高高度飛行を計画する事業者様が、事前に確認すべき必須事項をリストアップしました。
☐ 1. 飛行場所は「高さ制限(進入表面等)内」か?
地理院地図や国土交通省の資料で、ご自身の飛行エリアが空港の制限表面にかかっていないか、必ず事前に確認してください。 参考:
☐ 2. 調整先は「東京空港事務所」か「東京管制部」か?
飛行場所によって調整先が異なります。間違った機関に連絡すると、大幅な時間のロスに繋がります。
☐ 3. 飛行計画に「最低3週間」のリードタイムを確保しているか?
今回の「14日間」はあくまで補正がなかった場合です。計画の初期段階から、空域調整だけで2〜3週間の期間を確保しておくことが、プロジェクトを円滑に進めるための鍵です。
☐ 4. 高度調整の可能性をクライアントに説明しているか?
「希望の高度で飛ばせるとは限らない」というリスクを、事前にクライアントと共有し、合意形成しておくことが、後のトラブルを防ぎます。
まとめ:複雑な空域こそ専門家の経験価値
都心上空は、我々が思う以上に複雑なルールと手続きによって厳格に管理されています。
特に、羽田空港に関連する空域での飛行許可は、法律知識だけでなく、各関係機関との調整を円滑に進める「実務経験」と「交渉力」が不可欠です。
「早く、安く」という基準だけでは、決して成功しないのが高難易度申請の世界です。
当事務所では、こうした複雑な案件を数多く成功させてきた実績とノウハウがあります。
大規模プロジェクトや、絶対に失敗できない撮影・調査など、都心でのドローン活用をご検討の際は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。
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