ドローン事業、地域貢献と黒字の両立:矢野事務所

ドローン事業、地域貢献と黒字の両立

このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。


ドローン事業は、その多様な用途のおかげで、単なる技術提供に留まらない、地域社会への貢献という大きな役割を担うことができます。

しかし、その貢献がいかに事業の持続可能性と両立するのかは、多くの事業者にとって関心の的でしょう。

先日、ある運航事業者から、役場からのドローン業務における興味深い収益構造について伺いました。

それは、「役場内の各部門予算」において、「催し空撮が赤字」である一方で、「山林巡視や他が黒字」となり、結果として「トータルで黒字を確保している」という実態です。

この事業者は、「赤字を理由に断らない」そうで、その背景には「地元貢献という大義」があるとのことでした。

ドローン事業、多角化の要諦

ドローン事業は、空撮、測量、点検、監視、農業、災害対応など、その用途が非常に広範にわたります。

しかし、単一の業務領域に特化するだけでは、市場の変動や特定のニーズの浮沈に左右されやすく、収益が不安定になるリスクを抱えます。

今回の事例は、まさにドローン事業の多角化が奏功した好例と言えるでしょう。

一見すると華やかな「催し空撮」が赤字であったとしても、地道で継続的なニーズが見込める「山林巡視」といった公共性の高い業務で黒字を確保することで、事業全体の収益を安定させています。

ドローンの持つ「広い用途」こそが、事業多角化の大きな武器となり、収益構造を盤石にする要諦となります。

公共事業と自治体連携

自治体との連携は、ドローン事業の安定化において非常に重要な要素です。

役場が発注元となる公共事業は、地域の課題解決に直結し、ドローンが社会インフラとして貢献する場でもあります。

「山林巡視」のような業務は、森林管理、不法投棄監視、獣害対策、防災(土砂災害リスクの早期発見)など、自治体にとって恒常的なニーズがあります。こ

れらの業務をドローンで効率的に行うことは、自治体のコスト削減や業務改善に繋がります。

「随意契約か入札かは不明」であるものの、「役場筆頭のD業者となっておく関係力」が、ドローンの多様な用途のお陰で開花した、という点は痛感します。

これは、単に技術力があるだけでなく、自治体のニーズを理解し、積極的に提案することで、長期的な信頼関係を築いていることを物語っているからです。

自治体との継続的な契約は、事業の安定的な成長基盤となり得ます。

「赤字」を断らない理由

「赤字を理由に断らない」という事業者の姿勢は、短期的な利益追求に留まらない、より長期的な視点とプロフェッショナルとしての倫理観を示しています。

その背景には「地元貢献という大義」があるとのこと。

地域貢献という名目は、単なるCSR(企業の社会的責任)活動に留まりません。

それは、事業者にとって以下のメリットをもたらします。

  • 信頼関係の構築
    地域住民や自治体との信頼を深め、地域に根差した事業者としての地位を確立します。
  • 実績と知名度
    公共性の高いプロジェクトでの実績は、事業者のブランドイメージを高め、他の業務獲得にも繋がります。
  • 新たなニーズの発見
    地域課題の解決に携わる中で、ドローンが解決できる新たなニーズやビジネスチャンスを発見する可能性があります。
  • 事業の持続可能性
    地域に必要とされる存在となることで、長期的な事業の安定性と成長に繋がります。

短期的には赤字であっても、長期的な視点で見れば、それは事業の未来への先行投資となり得るのです。

信頼構築と専門性

「役場筆頭のD業者」となることができた背景には、単なるドローンの操縦技術だけでなく、自治体との間で強固な信頼関係を築く能力があったはずです。

  • 法令遵守と安全運航
    ドローン業務の基本中の基本ですが、これを徹底することで、自治体は安心して業務を発注できます。
  • 専門性と提案力
    ドローンの多様な用途を熟知し、自治体が抱える課題に対し、ドローンがどのように貢献できるかを具体的に提案できる専門性が必要です。
  • コミュニケーション能力
    丁寧な説明と、疑問点への迅速かつ的確な対応は、自治体との円滑な連携に不可欠です。

このような地道な努力と高いモラルが、自治体からの信頼を得る上で不可欠な要素となります。

まとめ

ドローン事業の持続可能性は、多角化による収益構造の確立と、地域貢献という大義の追求によって高まることを、今回の事例は示唆しています。

自治体との連携は、ドローンが社会インフラとして認められる上で不可欠なステップであり、公共性の高い業務に積極的に関わることは、単なる利益だけでなく、事業の安定性やブランド価値向上にも繋がります。

「催し空撮」が赤字であっても「赤字を理由に断らない」というプロの矜持は、ドローン事業者が地域社会に貢献し、信頼を築いていく上で極めて重要です。

ドローン産業の発展には、このような地域に根差し、多角的な視点を持つ事業者の存在が不可欠であり、彼らが信頼を築きながら、安全で健全なドローン社会を共に創っていくことでしょう。

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