
ドローン事業は赤字案件で強くなる|矢野事務所
【役場内の各部門予算】の別では、催し空撮が赤字、山林巡視や他が黒字、トータルで黒字確保。と、ある運航事業者から聞きました。随意契約か入札かは不明ですが役場筆頭のD業者となっておく関係力がDの広い用途のお陰で開花した例です。赤字を理由に断らないそうです。地元貢献という大義もあります。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon)
このページで分かること
ドローン事業は「一案件黒字」で見ると失敗します
ドローン事業を始めると、多くの事業者が最初に悩むのが「この案件は利益が出るのか」という問題です。
しかし実務では、単発案件ごとの利益だけを見ていると、事業は安定しません。
むしろ逆です。
赤字案件を含めて、全体で成立する構造を作れるかが、ドローン事業の安定性を左右します。
今回の事例でも、
- 催し空撮 → 赤字
- 山林巡視 → 黒字
- その他案件 → 黒字
という構造で、全体として黒字を確保しています。
つまり、ドローン事業は「1件ごとの採算」ではなく、案件全体の設計で見る必要があります。
赤字案件を断らない理由
一見すると、赤字案件を受け続けるのは非合理に見えます。
しかし、自治体案件や地域案件では、実務上かなり合理的なケースがあります。
① 自治体との関係構築
自治体案件は、単発で終わらないことがあります。
一度関係ができると、
- 別部署案件
- 緊急案件
- 巡視案件
- 災害対応
- 継続空撮
などへ広がることがあります。
つまり、入口案件で利益を最大化するより、相談が最初に来る立場を作ることが重要になります。
② 継続案件につながる
山林巡視、定点空撮、設備監視などは、継続案件になりやすい分野です。
継続案件は、単発案件よりも経営を安定させます。
そのため、入口案件で多少利益が薄くても、後の継続案件まで含めると成立するケースがあります。
③ ドローンは用途横展開が強い
ドローンは一つの用途だけで終わりません。
- 空撮
- 点検
- 巡視
- 災害対応
- 測量
- 監視
など、同じ顧客から別用途案件へ発展することがあります。
つまり、案件単体ではなく、関係全体で利益化する構造が重要になります。
法人案件で運航成立設計が必要になる理由はこちらで整理しています。
法人向けドローン運航の判断設計
黒字化している事業者の特徴
実際に安定している事業者には、いくつか共通点があります。
案件ポートフォリオを持っている
一つのジャンルに依存していません。
空撮だけ、点検だけ、農薬散布だけではなく、複数用途を持っています。
継続案件を持っている
巡視、定点空撮、監視など、継続収益になる案件を持っています。
公共案件との接点がある
自治体との関係を持つことで、案件の安定性が生まれます。
「断らない案件」を持っている
ここが重要です。
利益だけで判断せず、
- 関係構築
- 地域貢献
- 将来案件
- 継続性
を見ています。
つまり、短期利益ではなく、構造で判断しているということです。
ドローン事業は価格競争で苦しくなりやすい
ドローン業界では、空撮だけを見ると価格競争が起きやすいです。
しかし、単純な価格勝負になると、継続性が失われます。
重要なのは、
- 運航成立性
- 継続運用
- 説明耐性
- 地域との関係
- 管理体制
を含めて案件化できるかです。
つまり、「飛ばせます」ではなく、継続して任せられる状態を作れるかが重要になります。
自治体案件では「説明できる状態」が重要です
自治体案件では、単に飛ばせるだけでは不十分です。
- 第三者管理
- 飛行記録
- 中止判断
- 安全管理
- 緊急時対応
- 苦情対応
など、事後説明を前提とした管理が必要になります。
つまり、自治体案件ほど、「運航設計」が重要になります。
ドローン運航管理と説明できる体制づくりはこちらで整理しています。
ドローン運航管理と説明できる体制づくり
単発利益より「継続成立」を見る
ドローン事業では、
- 赤字案件
- 黒字案件
- 継続案件
を組み合わせながら、全体で利益化するケースが多くあります。
つまり、単発利益だけを見ると、本質を見誤ります。
重要なのは、
「この案件が、次の何につながるか」
です。
そのためには、飛行技術だけではなく、
- 判断構造
- 運航設計
- 関係構築
- 説明耐性
が必要になります。
申請手続きと判断設計の違いはこちらで整理しています。
ドローン申請手続きと判断設計の違い
ご相談について
当事務所では、自治体案件、継続案件、定点空撮、巡視案件などについて、単なる許可取得ではなく、継続運航を前提とした判断付き申請・運航成立設計を行っています。
「単発空撮で終わりたくない」「継続案件へつなげたい」「自治体案件で説明できる体制を作りたい」という場合はご相談ください。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請「のみ」のご相談にも対応しています
