万博駅伝ドローン飛行許可申請

 

この記事はX(エックス)投稿を補足解説したブログ記事です。

飛行許可申請の経緯

関西大阪万博の記念イベントとして行われた「EXPO駅伝」のTV中継では、珍しくドローンの映像が放映されました。

このドローンの飛行には駅伝が「イベント」である為に、事前に「催し上空」飛行としての飛行許可申請が必要です。

昨年、甲子園で行われた女子高校野球決勝戦の中継に続いて朝日放送様からご依頼を頂き無事に終りました。

エックスの投稿に至った経緯はそんなことでした。

申請は中継地点三か所

こちらが駅伝のコースです。

このコース上でドローンを飛ばす場所は次の三つ。

画像の赤丸の地点となります。

上から、

①スタート地点:万博記念公園

②中継点;新淀川大橋

③ゴール地点:夢洲万博会場

つまり飛行許可の取得にはこの3か所の申請が必要でした。

多個所申請です。

ざっくりとなりますが、以下にイベント上空申請の最大の特徴である「立入禁止区画」について、それぞれの地点の経路図で紹介していきます。

万博記念公園

1970年に開催された大阪万博の会場が記念公園として残されていてスタート地点として使われました。

スタートの様子を映すために公園上空一帯を飛行させる計画の許可申請を行いました。

下の画像は申請した飛行経路図です。

イベント上空飛行では、飛行経路下に第三者が立ち入ることのないよう立入禁止区画を設けるというルールがあります。

その立入禁止区画が公園の周囲を囲んだ青色の太い線になります。

ドローンはこの青い線の内側(水色のエリア)一帯を飛ぶので、これを境に関係者以外の立ち入りが禁止されます。

そして飛行中は第三者の監視や立入りがあった際の注意喚起を行わなければならず、その役割を担うのが黄色いマークで示した「補助者」です。

高度別の立入管理

また、青いラインと接しているオレンジや黄色や緑の細いラインも立入禁止の境界線です。

色に分かれているのは、飛行高度ごとに立入禁止区画の距離が異なるからです。

見えにくいですが(実際の申請は拡大図もつけています)、以下の法定ルールに基づいて線引きされています。

このルールの意味は次の新淀川大橋地点の経路図が分かりやすいと思います。

新淀川大橋

新淀川大橋地点は淀川の上空で両端を新淀川大橋と鉄橋とで挟まれた範囲を飛行させる計画でした。

離発着は経路図の下の岸辺から。河川上空150m近くまで上昇しランナーや周辺の景色を映します。

まず経路図全体を眺めてみてください。

前述の万博記念公園と同様にポイントは立入管理区域です。

白い矢印で示しているメートル表示の距離がポイントです。

これは第三者の存在する(可能性も含めて)場所から離れる距離です。

左に走る黄色い線が沿道の観客が並ぶ橋上で、これらの観客が「第三者」となります。

更に岸辺の部分も第三者が存在する可能性のある場所としてとらえました。

高度別の立入管理

そして異なる数字の距離と矢印が並んでいるのは、その場所で飛ばす高度が異なるからです。

イベント上空飛行のルールでは前述の表のように飛行高度で第三者と離れる距離(立入禁止区画)が決まっています。

たとえば、真ん中の赤い部分は高度150m未満で飛ばすエリアですが、ここは第三者から70m離れたところではないと、この高度までは飛ばせないということです。

高度100mで飛ばすオレンジ色のエリアでは第三者から60m離れなければならいということです。

逆をいえば、第三者から60m離れれば高度100m未満で飛ばすことが可能という意味になります。

示されている距離の範囲が立入禁止区画というものです。

夢洲ゴール地点

夢洲ゴール地点も同様のルールで経路図を作成しました。

このように、飛行の高度に基づいて立入禁止区画を設定していること(=立入禁止区画に基づいた高度で飛行すること)を、以上のような経路図でしっかりと表すことで本飛行を適法に行う約束となります。

行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。

全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。

 

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