
【イベント上空】ドローン飛行許可申請の裏話
このページはX(エックス)の投稿を補足解説したブログ記事です。
「イベント上空」飛行は包括申請では出来ません。場所を特定した「個別申請」が必要です。高度ごとに距離・範囲が厳格に決められた立入禁止区域の必設など,主催者共々の安全体制も義務となっています。2017年岐阜県大垣公園イベント墜落事故以来,非常に厳しくなりました。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 27, 2023
季節で、花火大会や野球大会など「イベント上空」飛行の申請が重なります。
どんなレベルであれ当局からの鬼チェックに手加減はありません。
このくらいは…と思う立入禁止区画の作図でも、スケールで測られミリ単位でのダメ出しが入ります💦。
大垣市の事故の前まではイベントも包括申請がOKでした。
この事故以降は「個別申請」に変わり、審査も厳格になりました。
このページで分かること
線路は物件にあらず
人や物件から30m未満禁止の規制がりますが、この「物件」には土地や土地と一体物の「線路」は含まれません。
但しこれが「鉄道の付近」となると一転飛行禁止となるので注意しています。
かつて両サイドを鉄橋に挟まれた河川上空を申請した際は両端を30m除外した飛行経路にしました。
包括申請で「人モノ30m」の許可を持っていた依頼者でしたが、この時は30mを離れた飛行経路を確保しました。
違反かどうかではなく安全かどうかで判断したからです。
経路図もデジタル社会の恩恵
全国の仕事をお受け出来て経路図作成までできるのは、まちがいなくデジタル社会の恩恵です。
NETの上空写真が無ければ経路図は怖くて起こせず、運航事業者さんがGoogleアースで作成した数キロ航路も、KML転換とインポートで正確な経路図起こしができます。
使い勝手の問題はありつつも、デジタル化の遅れた行政書士界にあっては dipsこそ大恩恵です。
ある空域管制官の方から伺いましたが、高高度空域の確認依頼資料はこのdipsの経路図が良いそうです。
地図の下に座標が並ぶコレです。
経緯度が60進法(度分秒)であり全範囲が示されてるからだそうです。
150m以上飛行で管轄の管制事務所に示す際は60進法(度分秒)表記で求められます。
その為、元データが10進法の場合は、変換ツールを使って10進法を60進法に変換します。
このような変換ツール使えば簡単に置き換え可能です。
ただ、座標数がたくさんある場合はこの作業に時間を要します。
大球場でTV中継
「イベント上空」となる為、飛行範囲の外周全方位に飛行高度に応じた立入禁止区画を設ける必要があります。
飛行範囲がかなりせばまるので、ここは操縦者の腕の見せどころとなります。
野球のTV生中継に空撮を加えたところSNSで話題になり評判だったそうです。
大球場での野球大会をTV中継する飛行の許可申請。
この大球場での飛行を申請された放送局から再依頼が来ました。
飛行範囲が制限されたイベント上空での短い中継空撮は窮屈だけどスポーツ中継が引き立つなら…と次は駅伝中継に挑戦されました。
催し上空の多箇所申請となります。
駅伝TV中継飛行
駅伝TV中継飛行を催し上空として申請した際は、限りある飛行範囲の中でもできる限りダイナミックに撮影できるよう、経路図は飛行外周のもっとも外側の立入禁止区画から内側に向けて20→50→100→150mと高度をきざみながら線引きしました。
高度別の立入禁止区画の表の通りです。
多箇所申請なのでかなり地味な作業となりましたが、当日の現場判断に対応した柔軟な飛行ができるようにしたいものです。
徐々に高度を上げる際には必要な経路です。
どちらが先か
【催し上空】立入禁止区画は、150m未満までの高度毎に飛行の外周から30〜70mのラインとなっています。
逆を言えばこの禁止区画により飛行の範囲と高度が決まってくる事にもなります。
飛行範囲を決めた後に禁止区画を決めるかその逆か…。
経路図を両方描いてみてより現実的な方を選んで貰っています。
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。
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