イベント上空飛行経路図のポイント
この記事はX(エックス)投稿を補足解説したブログ記事です。
【催し上空】への審査が以前にも増して厳しくなった気がします。誤差範囲として大目に見て貰えた事もある線引きや吹き出しコメントの立入禁止線への被りも基本通りNG。「ミリ単位で確認してます」と航空局から申し訳なさそうに言われました。肝は第三者の位置と立入禁止区画設定等の「完全性」です。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) March 17, 2025
このページで分かること
立入禁止区画がすべて
大阪・関西万博の経路図
これはEXPO 2025 大阪・関西万博の記念イベント「EXPO駅伝」上空飛行の申請で許可された経路図です。
分かりづらいとは思いますが、この図で最も大事なのは全体をぐるりと囲んでいる青色の太い線です。
これが立入禁止区画です。
立入禁止区画がすべて
極端かも知れませんが、イベント上空での飛行は立入禁止区画が決まらなければ何も始まらない、、、と思っています。
かつて包括申請で飛ばせていたイベント上空飛行が「個別申請」に変わったのは、大垣市の祭りの墜落事故がきっかけです。
関連記事:イベント上空ドローン墜落事故を解説
これはケガ人も出た事件だったのですが、この時からたくさんの人がいる上空で飛ばすことに厳しい基準が設けられました。
イベントはまさに不特定多数の人が集まる場面ですので、人が安全でいられる状況がちゃんと用意できるなら飛ばしても良い、、、ということです。
これが立入禁止区画の意味です。
高度別の禁止区画
多くの方が目にしていると思いますが、下のように飛行高度別に人と離れる距離が決められています。
これらが飛行計画に反映されていなければ非行許可は出ません。
ミリ単位の審査
たとえば下のように飛行の各高度ごとに定められた立入禁止区画との距離を経路図に落とし込んでいくわけです。
そしてこうして作図した立入禁止区画を審査官はスケール片手にミリ単位で測り、縮尺との整合をとって正しく設定できているかどうかをチェックします。
ミリ単位のズレを見逃すことなく厳しい審査が行われ、多少のごまかしも許してはくれません。
ただ、ここまで細かく設定する必要のない場合も多くあるので、参考にするのはまず国土交通省のサンプルでも良いと思います。
こちらからどうぞ。
国土交通省:飛行の経路の作成例
地理院地図を駆使
上記の立入禁止区画が正しく作成できれば、経路図作成の半分が終ったようなものです。
さて、このような経路図を作る際に用いるツールは「地理院地図」がお勧めです。
普段は空港周辺やDIDをチェックする際に使用される方が多いと思いますが、作図もできてかなり便利なツールです。
ざっくりですが、使い方を紹介します。
画面右上の黒いメニューバーの「ツール」から入ると、今度は縦のメニューバーが現れるのでその「作図・ファイル」を選ぶと作図機能がスタートします。
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この中にある線引きやアイコンの機能を使用して作図していきます。
作図が完成したら、KML保存を行います。これはGoogleアース等の地球ブラウザで地図データを表示できる一種の言語です。
左から二番目の「保存マーク」に入って処理を進め、PCに保存してください。
Googleアースで仕上げる
地理院地図より画像が鮮明なGoogleアースにデータを取り込んで仕上げるようにしています。
地理院地図で保存したKMLデータをメニューバーの【ファイル】の中の「ローカルKMLファイルを開く」を選び取り込みます。
美しい画像の中に地理院地図で作った経路図が反映されます。
これをスクショして飛行計画書に添付する日々を送っているのが矢野事務所です。
関連記事:イベント上空許可申請ルール
行政書士矢野法務事務所は「個別申請を専門とする事務所」です。
全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。
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