イベント上空飛行は「経路図の完全性」で決まる|矢野事務所

イベント上空飛行は「経路図の完全性」で決まる|矢野事務所

 
 

イベント上空飛行の審査では、経路図の完成度が非常に重要です。

特に問われるのは、飛行経路そのものより、第三者の位置と立入禁止区画の設定です。

線が少し被っている。

吹き出しコメントが立入禁止線に重なっている。

縮尺と距離が合っていない。

こうした細かな点も、現在はかなり厳しく見られます。

イベント上空飛行では、経路図は単なる添付資料ではありません。

第三者管理が成立していることを説明するための資料です。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

イベント上空は立入禁止区画が本体

イベント上空飛行では、立入禁止区画が決まらなければ何も始まりません。

催し場所には、不特定多数の人が集まります。

そのため、どこに第三者がいて、どこを立入禁止にし、どの範囲を飛行経路として使うのかを明確にする必要があります。

イベント上空飛行が個別申請として厳格に扱われるようになった背景には、過去の墜落事故があります。

人が集まる場所でドローンを飛ばす以上、第三者の安全をどう確保するかが中心論点になります。

この点は、 ドローン落下事故で問われるのは「許可」ではない|矢野事務所でも整理しています。

経路図は第三者管理の説明資料

経路図は、単に「どこを飛ぶか」を示すための図ではありません。

どこに第三者がいるのか。

どこを立入禁止区画にするのか。

飛行高度ごとに必要な離隔が確保されているのか。

補助者や監視員がどこを管理するのか。

これらを説明するための資料です。

つまり、経路図は飛行計画の見取り図ではなく、運航成立性の証拠です。

高度別の立入禁止区画を反映する

イベント上空飛行では、飛行高度に応じて必要な立入禁止区画が変わります。

高度が上がれば、必要な安全距離も変わります。

そのため、飛行経路図には、実際の飛行高度と対応する立入禁止区画が正しく反映されている必要があります。

ここを曖昧にすると、図面上は成立しているように見えても、実際には第三者管理が成立していないことになります。

イベント上空では、このズレが許されません。

ミリ単位で見られる理由

航空局の審査では、経路図の線引きがかなり細かく確認されます。

立入禁止区画の線と飛行経路の距離。

縮尺との整合。

コメントや吹き出しの被り。

第三者が存在し得る場所との関係。

これらがミリ単位で確認されることがあります。

一見すると細かすぎるように感じるかもしれません。

しかし、イベント上空飛行では、経路図のわずかなズレが第三者管理のズレにつながります。

だからこそ、経路図には完全性が求められます。

図面上の線は現場管理と一致しているか

経路図で最も危険なのは、図面上では線が引かれているが、現場でそのとおり管理できない状態です。

立入禁止区画を描いている。

しかし現地では人が入れる。

補助者の配置が足りない。

関係者導線と交差している。

観客の流れを止められない。

この状態では、経路図だけ整っていても運航は成立しません。

経路図は、現場で維持できる管理体制と一致している必要があります。

地理院地図で区画を作る

イベント上空飛行の経路図作成では、地理院地図が有効です。

地理院地図では、地図上に線や図形を描き、飛行経路や立入禁止区画を整理できます。

飛行高度に応じた距離を確認しながら、立入禁止区画を図面化するために使いやすいツールです。

作図後は、KML形式で保存し、Google Earthなどで確認することもできます。

これにより、地図上の線と現場の地形・施設配置を照らし合わせやすくなります。

Google Earthで仕上げる理由

地理院地図で作成したKMLデータは、Google Earthに取り込んで確認できます。

Google Earthでは、衛星画像上に経路や区画を重ねることで、現場の見え方に近い形で確認できます。

特にイベント会場では、道路、建物、広場、河川、観客導線、関係者エリアなどが複雑に絡みます。

そのため、地図だけでなく、衛星画像上で区画を確認することには大きな意味があります。

経路図は、審査用の資料であると同時に、現場関係者への説明資料でもあります。

見て分かる図面であることが重要です。

コメントや注記も審査対象になる

経路図では、線や円だけでなく、コメントや注記の配置にも注意が必要です。

吹き出しコメントが立入禁止線に被る。

注記が重要な線を隠す。

縮尺や凡例が分かりにくい。

飛行高度と区画の関係が読み取れない。

こうした状態では、審査上の確認がしにくくなります。

イベント上空飛行では、「読めば分かる」ではなく、「見れば分かる」図面が求められます。

許可申請ではなく運航成立の図面

経路図を、許可申請に添付するためだけの書類と考えると危険です。

イベント上空飛行の経路図は、運航が成立していることを示す図面です。

第三者がどこにいるのか。

どこを立入禁止にするのか。

飛行高度に応じた安全距離は取れているのか。

補助者や監視員はどの範囲を見るのか。

異常時にどこで止めるのか。

これらを説明できなければ、経路図としては弱くなります。

この点は、ドローン運航は「説明責任」で成立する|矢野事務所でも整理している通り、許可の有無ではなく、なぜ成立すると説明できるかが重要になります。

イベント上空飛行は図面で止まる

イベント上空飛行は、現場だけでなく図面でも止まります。

経路図の線が曖昧。

立入禁止区画の距離が不足している。

第三者の位置が整理されていない。

注記が重なっている。

縮尺との整合が取れていない。

このような状態では、申請段階で止まる可能性があります。

つまり、イベント上空飛行では、経路図そのものが運航設計の一部です。

まとめ

イベント上空飛行では、経路図の完全性が非常に重要です。

経路図は、単に飛行ルートを示す資料ではありません。

第三者の位置、立入禁止区画、高度別の安全距離、現場管理体制を説明する資料です。

ミリ単位で確認されるのは、細かすぎるからではありません。

第三者管理の完全性が問われているからです。

イベント上空飛行は、許可取得だけでは成立しません。

図面上でも、現場上でも、第三者管理と立入禁止区画が説明できる状態で初めて成立します。

この点は、 イベント上空ドローン飛行で止まる理由|矢野事務所でも整理しています。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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