
催し上空飛行許可の鍵は経路図と体制|矢野事務所
ドローンの許可・承認申請の中でも、特に難易度が高いのが「催し場所上空の飛行」です。
観客が集まる環境では、単に飛ばせるかではなく、
その運用が成立すると説明できるか
が問われます。
本記事では、女子プロゴルフトーナメントの中継案件をもとに、審査の成否を分けたポイントを整理します。
- 飛行経路図の作り方
- 立入管理体制の設計
この2点が、結果を左右します。
※催し上空飛行も、結局は「飛ばせるか」ではなく「成立するか」の問題です。
全体の判断整理は
目視外飛行の成立条件と判断整理|矢野事務所
をご参照ください。
このページで分かること
補正指示の顛末
今回の計画では、7つのホール上空を、
高度20m・50m・100m未満の3パターンで飛行させる内容でした。
1枚にまとめた経路図
当初は、資料をコンパクトにする意図で、
1ホールにつき3高度の経路を1枚にまとめて作図しました。
しかし結果として、線が重なり、
第三者から見て直感的に理解しづらい図面になっていました。
審査官からの指摘
申請後、審査官からの指示は明確でした。
- 高度別に分けて作図すること
- ホール単位で整理すること
結果として、
7ホール × 3高度 = 21枚の経路図を作成することになりました。
教訓:図面は迷わせない
ここから得られる教訓は明確です。
審査官を迷わせる図面は、それだけで補正対象になる
ということです。
図面は正確であるだけでは不十分で、
一目で理解できることが求められます。
許可を掴んだ安全体制
最終的に許可に至った決定要因は、
立入管理措置の設計です。
催し上空飛行では、許可の有無よりも、
第三者をどう管理し、どこで止めるのかを説明できることが重要です。
高度別の立入禁止区画
今回の計画では、飛行高度に応じて、
立入禁止区画を段階的に設定しました。
| 飛行高度 | 立入禁止区画 |
| 20m未満 | 外周から30m |
| 20〜50m未満 | 外周から40m |
| 50〜100m未満 | 外周から60m |
| 100〜150m未満 | 外周から70m |
これは、
高度が上がるほどリスク範囲が広がる
という前提に基づいた設計です。
重要なのは、
なぜその区画なのかを説明できること
です。
※立入管理区画の設計そのものの考え方は
立入管理区画の設計と判断基準|矢野事務所
に整理しています。
主催者との連携体制
また、机上の計画ではなく、
実行可能な体制を明示しました。
- 主催者と連携した監視体制
- 区画ごとの配置計画
- 侵入時の即時中止判断
特に重要なのは、
排除できない場合は即中止する
という判断基準を明確にした点です。
このような案件では、条件を満たしているように見えても、実際には成立しないケースがあります。
※形式上は問題がなくても、運用として止まる案件はあります。
その典型例は
申請不要でも成立しないケース(道路上空)
をご参照ください。
まとめ
催し上空飛行の許可を分けるのは、次の2点です。
- 資料の明確性
迷わせない経路図 - 体制の具体性
説明できる立入管理
許可の可否ではなく、
この条件で成立すると説明できるか
がすべてです。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請「のみ」のご相談にも対応しています
