鉄道付近でドローンを飛ばす許可申請をした:矢野事務所

鉄道付近でドローンを飛ばす許可申請をした

 

このページはX(エックス)の投稿を深堀り解説したブログ記事です。

 

鉄道会社の許可条件

建設予定地沿いを走る鉄道会社に申し入れをしたところ、次のようなメールが帰ってきました。

いつもお世話になっております。
〇〇電鉄 〇〇部の〇〇でございます。

表題の件について、先ほどはお問合せいただきありがとうございました。
お忙しいところご面倒をおかけいたしますが、以下の質問事項へのご回答・資料のご
提供等お願いいたします。

①飛行予定地住所
②飛行予定日、時間
※実施日数、また悪天候だった場合の予備日等についてもご教示ください。
※予定時間については、「〇時~〇時の〇時間予定」のようにご記載願います。
③官公庁や警察への申請状況
④飛行予定場所(鉄道隣接地)~鉄道境界までの離隔
ドローンが最も鉄道に近接した場合のドローン~鉄道境界までの想定離隔
⑤ドローンの飛行高さ(地上から)
⑥列車が接近してきた場合の対応方(ホバリング、一旦地上に下ろすなど)
⑦一度の充電でどの程度の時間飛行可能か、また用意する充電器の数
⑧現場での作業者・誘導員様の人数
※「〇人のうち〇人がドローンの操縦を行う。交通誘導員は〇人配置する」等のよ
うに、具体的な内訳もご教示ください。
⑨緊急時の連絡先(所属会社、氏名、電話番号)

また以下の資料をご提供願います。

①当該地の場所がわかる案内図(地図。Googleマップ等でも結構です)
②飛行ルート図(案内図への追記でも結構です)
③使用するドローンの仕様がわかるカタログ資料等
④『⑧』の作業者様や誘導員様の配置イメージ図

お忙しいところご面倒をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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〇〇電鉄株式会社 〇〇本部
〇〇〇〇部 〇〇 〇〇

なかなかの面食らう返信でした。

やはり命を預かる事業会社としては「もしも」を想定するとこのレベルになるのでしょう。

飛行計画

鉄道からの離隔距離は法定の30mを採用しました。

経路図で示すと以下の通りです。

法定の30mとは、「無人航空機に係る規制の運用における解釈について(令和6年 11 月 29 日 最終改正)」にある以下の記述です。

下の画像のまま飛行計画書に添付しました。

本文は次の通りです。

(7)地上又は水上の人又は物件との間に一定の距離を確保した飛行
飛行させる無人航空機が地上又は水上の人又は物件と衝突することを防止するため、航空法第 132 条の 86 第2項第3号により、当該無人航空機とこれらとの間に一定の距離(30m)を確保して飛行させることとしている。

ここで、航空法第 132 条の 86 第2項第3号の規定は飛行する無人航空機の衝突から人又は物件を保護することが趣旨であることから、一定の距離(30m)を保つべき人又は物件とは、次のとおりと解釈される。
○「人」とは、操縦者及びその関係者(無人航空機の飛行に直接的又は間接的に
関与している者)以外の者(第三者)をいう。
○「物件」とは、次に掲げるもののうち、操縦者及びその関係者(無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与している者)が所有又は管理する物件以外のもの(第三者の物件)をいう。
a)中に人が存在することが想定される機器(車両等)
b)建築物その他の相当の大きさを有する工作物
具体的な例として、次に掲げる物件が本規定の物件に該当する。
車両等:自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等
工作物:ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等

※なお、以下の物件は、本規定の趣旨に鑑み、本規定の距離を保つべき物件には該当しない。
a)土地(田畑用地及び舗装された土地(道路の路面等)、堤防、鉄道の線路等であって土地と一体となっているものを含む。)
b)自然物(樹木、雑草 等) 等

無人航空機に係る規制の運用における解釈について

鉄道会社⇔矢野事務所

鉄道会社とは何度もやり取りを交わしましたが、代表的なものを紹介いたします。

2月16日 鉄道会社→矢野事務所

度々のご連絡失礼いたします。
先日頂戴した資料内に記載があり、見落としておりましたら申し訳ございませんが、
先ほどお願いいたしました連絡先のみでなく、以下内容についてもご教示願います。

⑥列車が接近してきた場合の対応方(ホバリング、一旦地上に下ろすなど):
⑦一度の充電でどの程度の時間飛行可能か、また用意する充電器の数:
⑧現場での作業者・誘導員様の人数:
※「〇人のうち〇人がドローンの操縦を行う。交通誘導員は〇人配置する」等のよ
うに、
具体的な内訳もご教示ください。
⑨緊急時の連絡先(所属会社、氏名、電話番号):

以上、よろしくお願いいたします。

 

12月16日 矢野事務所→鉄道会社

お世話になっております。
行政書士の矢野でございます。
以下、お送りいたしますのでご調整のほど宜しくお願い致します。 

⑥列車が接近してきた場合の対応
・ホバリングを行う。但し機体が不安定な場合は飛行を中止し着陸させる。 

⑦一度の充電でどの程度の時間飛行可能か、また用意する充電器の数
・最大飛行時間45分
・用意する充電器の数4個

⑧現場での作業者・誘導員様の人数
・総員2
・ドローンの操縦者1名、第三者の立入監視等の現場監督者1名

⑨緊急時の連絡先(所属会社、氏名、電話番号)
・社名:株式会社〇〇
・担当者:〇〇〇〇(〇〇 〇〇)
・TEL:〇〇〇ー〇〇〇ー〇〇〇 

以上でございます。何卒よろしくお願いいたします。

矢野

12月24日 鉄道会社→矢野事務所

表題の件について、社内確認に時間を要し、回答が遅くなりまして申し訳ございません。
ドローン飛行を実施いただいて問題ございませんが、以下の点は必ず遵守いただきま
すようお願いいたします。

・異常事態等発生の際は、運輸指令室(03-〇〇〇-〇〇〇)へ必ずご連絡ください。

・鉄道運行および鉄道施設に支障をきたすことのないよう十分ご注意ください。
なお本件に起因して当社に損害を与えた場合は一切の責を負うことを承諾願います。

・『国土交通省航空局標準マニュアル』で定められた内容、 また頂戴した資料(飛行計画書)に記載の内容を遵守していただきますようお願いいたします。

・万が一線路内にドローンが落下した場合でも、絶対に鉄道敷地内へは立ち入らず、
速やかに運輸指令室へご連絡ください。

また昨日ご連絡いただきました飛行予定日について関係各所へ共有させていただきましたが、もし変更が生じた際は、速やかに【全体返信】にてご報告願います。

以上、よろしくお願いいたします。

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全国の運航事業者やテレビ局、映像会社から「スポーツ中継・高高度・花火大会・空港周辺・ドローンショー・レベル3.5飛行、レベル3飛行、その実証実験等々」包括申請では飛ばせない様々な個別案件の申請をお引き受けしています。期限の決まっている飛行などは特に当事務所にご依頼頂き確実な飛行許可申請をなさってください。

 

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