
高度1000mドローン許可申請の実務|矢野事務所
【高度1000M】ともなると申請先も多く今回は東京管制部・米軍横田基地・自衛隊立川基地・東京空港事務所・東京航空局。大学の研究所が気象観測装置を積んで上空の気温を200M毎に計測します。自衛隊機との接近を避け訓練の無い早朝4〜7時の飛行。夜間×高高度×目視外×機体改造に何とか許可下りました。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) March 1, 2025
このページで分かること
高度1000mという特殊飛行
高度150m以上の飛行許可申請は珍しくありませんが、高度1000mクラスとなると全く別世界になります。
しかも今回の案件は、東京都内DID上空、夜間、目視外飛行という複数の高難度条件が重なっていました。
単にDIPSへ入力するだけでは到底成立せず、複数機関との空域調整が前提となる案件でした。
都心高高度案件の基本構造については、都心高高度ドローン許可が遅れる理由でも整理しています。
調整先は一つではない
高度1000m案件では、申請先や調整先が一つでは済みません。
今回調整が必要となったのは、
- 東京管制部
- 米軍横田基地
- 自衛隊立川基地
- 東京空港事務所
- 東京航空局
という複数機関でした。
高高度飛行では、「どこへ申請するか」だけでなく、「誰と調整する必要があるか」の整理が重要になります。
飛行計画書が重要になる
今回のような案件では、通常のDIPS入力だけでは飛行内容を説明しきれません。
そのため、別途「飛行計画書」を作成し提出しました。
しかも調整内容変更に伴い、最終的には第四版まで修正しています。
高難度案件では、飛行計画書は単なる添付資料ではなく、「なぜ成立すると言えるのか」を説明するための文書になります。
説明に耐える飛行計画の考え方については、説明耐性ある飛行計画書が自己責任飛行を支えるでも整理しています。
自衛隊基地との調整
今回難航したのが、自衛隊立川基地との調整でした。
理由は、離着陸地点が立川飛行場の管制圏に関係していたためです。
さらに、訓練機が通過する空域と飛行計画が重複していました。
そのため、訓練時間帯を避けた時間調整が必要となりました。
基地周辺案件については、基地周辺ドローン飛行の実務事例と手続でも整理しています。
上昇ポイント変更
また、1000m上昇地点を管制圏外へ移動することも条件となりました。
そのため、
- 離陸地点
- 高高度上昇地点
を分離する飛行設計へ変更しています。
これは単なる「飛ばし方」の問題ではなく、空域成立のための設計変更です。
DIPSだけでは終わらない
高高度案件では、DIPS申請だけで完結するわけではありません。
実際には、調整先との協議結果を踏まえて、空港事務所や航空局が確認を行います。
つまり重要なのは、「入力作業」ではなく、調整済みの運航設計を作ることです。
重要なのは「運航成立」
高度1000m飛行では、単に許可取得だけを目的にすると失敗します。
重要なのは、
- どの空域を使うのか
- どの機関が関係するのか
- どの時間帯なら成立するのか
- どの飛行方法なら安全なのか
を整理し、説明できる状態にすることです。
まとめ
高度1000mクラスのドローン飛行では、通常の包括飛行とは全く異なる調整が必要になります。
空域調整・基地調整・時間調整・飛行設計を含め、「運航成立」そのものを構築する必要があります。
高難度案件では、許可取得だけではなく、「なぜ成立すると言えるのか」を説明できる設計が重要です。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています
