ドローンDIDとは?許可確認|矢野事務所

ドローンDIDとは?許可確認|矢野事務所

 

ドローンの飛行で、最も誤解が多い空域の一つがDID(人口集中地区)です。

DIDは、航空法上、無人航空機の飛行について許可が必要となる代表的な空域です。市街地や住宅地、商業地の多くがこれに該当し、「少しだけ」「練習だから」「公園だから大丈夫」では整理できません。

実務では、DIDかどうかの確認だけで終わらず、次の点まで見ます。

  • DIDに該当するか
  • 許可申請が必要か
  • 包括申請で足りるか
  • 管理者の承諾が別に必要か
  • 道路、公園、施設管理規則など他法令の確認が要るか
  • 第三者との距離や立入管理が現場で成立するか

本記事では、DIDとは何か、なぜ許可が必要か、どう確認するか、包括申請があっても止まる場面は何かを、行政書士の視点で整理します。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

DID(人口集中地区)とは何か

DIDとは、国勢調査の結果に基づいて設定される人口集中地区のことです。一般に、人口密度が高く、建物や人の往来が集中している市街地が該当します。

ドローン実務で重要なのは、DIDが単なる地理用語ではなく、航空法上の許可判断に直結する区分だという点です。

航空法では、無人航空機について、一定の空域での飛行に国土交通大臣の許可を要するとされており、その代表例の一つが人口集中地区の上空です。

■ DIDの特徴

  • 建物が密集している
  • 通行人や居住者など第三者が多い
  • 30mの離隔確保が難しい場面が多い
  • 電波環境や障害物条件が複雑になりやすい
  • 事故時の人的・物的被害が大きくなりやすい

そのため、DIDは単に「飛ばしにくい場所」ではなく、「許可と現場設計の両方が必要になる場所」として理解するのが実務的です。

なぜDIDでは許可が必要なのか

航空法では、無人航空機の飛行について、空港周辺空域や一定高度以上の空域などと並んで、人口集中地区の上空を許可対象空域としています。

理由は明確です。DIDでは、墜落や接触が発生した場合に、第三者や建物、車両などへの影響が大きくなりやすく、事故の結果が重くなりやすいからです。

行政書士が実務で見るのも、単に「地図上でDIDに入っているか」だけではありません。重要なのは、その場所で飛行を成立させる安全管理が組めるかです。

つまり、DIDの論点は、

  • 法的に許可が要るか
  • 許可条件に合う運航計画か
  • 現場で第三者管理や中止判断が成立するか

まで含めて考える必要があります。

DIDかどうかを確認する方法

DIDの確認は、必ず公的・公式ベースの地図情報で行います。現場の見た目や感覚では判断しません。

■ 主な確認方法

  • 地理院地図のDIDレイヤー
  • DIPS2.0上での飛行場所確認
  • 自治体GIS(対応している地域のみ)

実務上よくある誤解が、「郊外の公園だからDID外だろう」という判断です。実際には、公園でも住宅地や市街地に囲まれていればDID内であることは珍しくありません。

また、境界に少しでもかかるかどうかは非常に重要です。計画上の飛行範囲、飛行経路、離着陸位置を含めてDIDにかかるなら、許可前提で考えるほうが安全です。

都道府県別のDID確認はこちら
ドローンDID(人口集中地区)都道府県別まとめ

DIDで許可が必要となる主なケース

DIDでドローンを飛行させる場合、基本的には国土交通省の許可が必要です。

典型的には、次のような場面です。

  • DID内での飛行
  • DID内での離着陸を伴う飛行
  • 撮影、点検、測量、調査などの業務飛行
  • 練習飛行やテスト飛行であってもDID内で行う場合

ここで重要なのは、目的が業務か練習かでDIDの扱いが消えるわけではないことです。短時間でも、練習でも、撮影でも、DID内なら許可の問題はそのまま残ります。

■ 包括申請を持っている場合

包括申請でDIDを含む許可を取得している場合、個別申請を省略できる場面はあります。

ただし、ここを誤解すると現場で止まります。

  • 公園や施設では管理者の承諾が別に必要
  • 私有地では土地所有者や占有者との調整が必要
  • 道路上を離着陸や占用に使うと道路交通法や道路使用の問題が出る
  • 催し場所、夜間、目視外、物件投下などは別の承認論点が加わる

包括申請を持っていても、「どこでも飛ばせる」わけではありません。

行政書士の実務では、包括申請の有無よりも、その現場が包括の想定どおりに運航できるかを見ます。第三者立入管理が甘い、離着陸位置が不安定、管理者承諾が未了――こうした状況では、許可書があっても運航は成立しません。

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DIDで多い違反・実務トラブル

DIDでは、次のような違反やトラブルが多く見られます。

  • 公園内で飛ばしたが、施設管理規則で禁止されていた
  • 道路上から離着陸してしまい、道路使用の問題が出た
  • 第三者との30m離隔を確保できていなかった
  • 商業施設や市街地で通行人が流入し、立入管理が崩れた
  • 「見た感じ郊外だからDID外」と誤認していた
  • 包括申請があるので説明なしで飛ばせると思っていた

特に多いのが、「練習だから大丈夫」「短時間だから問題ない」という誤認です。DIDの論点は飛行時間の長短ではなく、その空域で飛行させる法的・安全上の根拠があるかで見ます。

また、実務では事故の有無だけでなく、あとで「なぜその場所で成立すると判断したのか」が問われます。ここを説明できない運航は、許可取得後でも弱いです。

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DIDで安全に飛行するための判断ポイント

DIDでの飛行は、単に許可を取るだけでは足りません。現場で成立するかどうかを、次の順で確認します。

  1. 飛行範囲、離着陸地点、待機場所がDIDにかかるかを確認する
  2. 包括申請で足りるか、個別申請が必要かを整理する
  3. 施設管理者、土地所有者、主催者など関係者の承諾先を特定する
  4. 第三者の流入を防げるか、監視員配置や導線管理を設計する
  5. 道路、公園、イベント、夜間、目視外など他論点を洗い出す
  6. 風、人流、電波状況の変化に対する中止基準を決める

DIDでは、場所そのものよりも、安全距離と第三者管理を本当に成立させられるかが重要です。

行政書士が実務で重視するのは、

  • 説明耐性
  • 現地耐性
  • 中止耐性

の3点です。

つまり、後で説明できるか、現場で崩れないか、危ないときに止められるか。この3つが弱いままでは、DID飛行は成立しにくいです。

まとめ

人口集中地区(DID)は、ドローン飛行において国土交通省の許可が問題となる代表的な空域です。

市街地、住宅地、商業地、公園周辺など、見た目では判断しにくい場所でもDIDに該当することがあります。そのため、まずは公式地図で正確に確認することが出発点です。

ただし、実務ではそれだけでは足りません。

  • 国土交通省の許可が必要か
  • 包括申請で足りるか
  • 管理者承諾が別に必要か
  • 道路、公園、催し場所など他法令の確認が要るか
  • 第三者管理と中止判断が現場で成立するか

を一体で見ないと、「許可はあるのに飛ばせない」という事態になります。

とくにDIDでは、「飛ばせるか」だけでなく、「なぜその運航が成立すると言えるのか」まで整理しておくことが重要です。

※注意:DIDは概ね5年ごとに公的に再調査・更新されるため、県別ページの掲載図と最新範囲が異なる可能性があります。境界付近で飛行する場合は、必ず最新の公的データで確認してください。

DID内での飛行許可や、包括申請で足りるかの判断に迷う場合

矢野事務所では、DID該当性の確認だけでなく、管理者承諾、他法令、第三者管理、中止基準まで含めて整理しています。

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