ドローン飛行は条例でなく管理者確認から始まる|矢野事務所

ドローン飛行は条例でなく管理者確認から始まる|矢野事務所

「条例で飛ばせますか?」

実務では、この質問だけでは判断できません。

なぜなら、ドローン飛行で問われるのは条例そのものではなく、その場所を誰が管理しているかだからです。

航空法の許可承認を取得していても、都市公園、自然公園、文化財、観光施設、河川、港などでは別の確認が必要になる場合があります。

重要なのは、条例名を探すことではなく、管理主体を確認することです。

このページで分かること

1. 条例だけで判断できない理由

2. 管理主体確認が必要な場所

3. 航空法だけでは成立しない理由

4. 実務で確認していること

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

条例だけで判断できない理由

多くの人は、最初に「条例で禁止されているかどうか」を確認しようとします。

しかし実務では、その順番だけでは足りません。

条例に明確な禁止文言があるかどうか。

申請書や届出様式があるかどうか。

そうした確認も必要ですが、それだけで運航として成立するとは限りません。

まず確認するべきなのは、その場所の管理主体です。

県が管理しているのか。

市町村が管理しているのか。

指定管理者が管理しているのか。

施設管理者が独自ルールを持っているのか。

この整理をしなければ、ドローン飛行の可否は判断できません。

条例確認で最初に見ること

条例確認で最初に見るべきなのは、条文そのものよりも、対象となる場所の性質です。

同じ公園でも、都市公園、自然公園、森林公園、観光公園では管理主体が異なる場合があります。

同じ水辺でも、河川、海岸、港、漁港では確認先が変わります。

同じ観光地でも、自治体管理施設、民間施設、文化財、指定管理施設では判断構造が異なります。

つまり、条例確認とは、単に「条例名を調べる作業」ではありません。

その場所を誰が管理し、誰が使用可否を判断し、誰に説明すべきかを整理する作業です。

管理主体確認が必要な場所

都市公園

都市公園では、都市公園条例、公園管理規則、占用・行為許可のルールが関係することがあります。

航空法上は飛行できる場所でも、公園管理者が危険行為や迷惑行為として制限する場合があります。

自然公園

自然公園では、国立公園、国定公園、県立自然公園など、区域の種類によって確認先が変わります。

自然保護、利用者安全、施設管理、景観保全などの観点から、事前確認が必要になる場合があります。

文化財・史跡

文化財や史跡では、文化財保護法だけでなく、所有者、管理団体、教育委員会、施設管理者との調整が必要になることがあります。

重要なのは、文化財の周辺で飛ばせるかではなく、対象物や来訪者に対して説明できる運航になるかです。

観光施設

観光施設では、条例よりも施設管理者の判断が重要になるケースがあります。

観光客、駐車場、遊歩道、展望台、イベント運営など、現地の利用状況によって運航成立性が変わります。

河川・港

河川や港では、河川管理者、港の管理者、漁港管理者など、場所ごとに確認先が異なります。

条例に明確な禁止がない場合でも、離発着場所、第三者との分離状態、船舶や作業車両との関係を整理する必要があります。

航空法だけでは成立しない理由

航空法は、主に空域や飛行方法に関するルールです。

しかし、ドローンの運航は空だけで完結しません。

離発着場所があります。

操縦者や補助者が立つ場所があります。

第三者が近づく可能性があります。

施設管理者や土地管理者が存在します。

そのため、航空法上の許可承認があっても、現地で運航として成立するとは限りません。

実務で問われるのは、「許可があるか」だけではありません。

なぜその場所で飛行できると判断したのか。

誰に確認したのか。

第三者状態をどう維持したのか。

中止判断は誰が行うのか。

後から説明できる状態になっているのか。

ここまで整理して初めて、運航として成立します。

条例確認後に残る論点

条例を確認して「禁止とは書いていない」と分かったとしても、それで終わりではありません。

現地で第三者と分離できるか。

補助者が機能する配置になっているか。

利用者が増えた場合に中止できるか。

施設管理者へ説明できる飛行内容になっているか。

撮影目的、点検目的、測量目的、イベント利用など、目的に応じて説明内容が変わるか。

こうした論点が残ります。

条例確認は入口です。

運航成立性の判断は、その後にあります。

実務では、条例を確認したことと、運航が成立することは別問題です。

管理主体への確認が終わっていても、第三者状態の維持、補助者機能、中止判断、現地条件によって飛行を見送ることがあります。

問われるのは、条例を知っているかではありません。

なぜその運航が成立すると判断したのかです。

許可取得と運航成立は別問題|矢野事務所

実務で確認していること

矢野事務所では、条例名だけを確認して判断することはありません。

管理主体は誰か。

確認窓口はどこか。

施設管理者は別にいるのか。

第三者状態を維持できるか。

補助者機能は成立しているか。

中止判断は誰が行うのか。

後から説明できる状態になっているか。

こうした運航成立性まで整理します。

条例を知ることが目的ではありません。

判断できる状態にすることが目的です。

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◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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