
イベント上空はここで止まる|矢野事務所
ドローンの「イベント上空(催し上空)」は、航空法上、原則として禁止されています。
ただし、許可を取得すれば飛行は可能です。
しかし実務では、ここで判断を誤るケースが非常に多い領域です。
< イベント上空は「許可が取れるか」で止まるのではなく、「そもそも該当しているか」と「現場で成立するか」で止まります。
多くの案件は、このどちらかの判断ミスで止まります。
本記事では、イベント上空の判断基準と、現場で止まるポイントを整理します。
このページで分かること
結論|イベント上空は「広く判断される」
イベント上空は、単に人数の多さだけで判断されるものではありません。
- 特定の日時・場所に人が集まるか
- 主催者の意図があるか
- 第三者へのリスクがあるか
これらを総合して判断されます。
「イベントではないと思っていた」ケースでも該当することがあります。
イベント(催し)の定義
航空法上の「多数の者の集合する催し」には、次のようなものが含まれます。
ただし実務では、これに限定されません。
- 人数が少なくても特定時間に集まる
- 主催者が存在する
このような場合も、イベントと判断される可能性があります。
想定外で「イベント化」するケース
現場では、飛行時に想定していなかった人の集まりが発生することがあります。
この場合、許可の有無に関係なく、
- 飛行停止
- 経路変更
- 安全な場所への着陸
が求められます。
つまり「後からイベントになる」ことも前提に設計が必要です。
許可条件の核心は「立入禁止区画」
イベント上空では、通常の飛行より厳しい条件が求められます。
- プロペラガード装着
- 高度制限
- 風速条件
- 補助者配置
- 立入禁止区画の設定
この中でも、実務で最も重いのが立入禁止区画の設計です。
▶立入管理との違いはこちら
立入管理区画の設計と判断基準
第三者の整理ができていないと成立しない
ここで重要になるのが「第三者」の考え方です。
- 観客 → 第三者
- 通行人 → 第三者
- スタッフ・被写体 → 第三者ではない
この整理ができていない場合、区画設計は成立しません。
実務で止まるポイント
イベント上空で多い失敗は次の通りです。
- イベント該当性の判断ミス
- 立入禁止区画の設計不足
- 経路図の不備
特に「図面で説明できるか」が重要です。
イベント上空は「許可が取れるか」ではなく「第三者を排除できるか」で判断されます。
- 立入禁止区画が現場で維持できるか
- 観客の流入を止められるか
- 想定外の集合に対応できるか
この設計がない場合、許可があっても運航は成立しません。
飛行経路図の要点
申請では、次の要素を図示する必要があります。
- 飛行範囲
- 立入禁止区画
- 観客位置
- 補助者配置
- 飛行高度
これらが一体として説明できなければ成立しません。
▶目視外など他条件との関係はこちら
目視外飛行の成立条件と判断整理
まとめ
- イベント上空は原則禁止
- 判断は人数だけではない
- 立入禁止区画が核心
- 図面で説明できなければ成立しない
許可が取れることと、運航が成立することは別問題です。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています
