新潟県の廃線跡地とドローンレベル4:包括申請の矢野事務所

レベル4・ドローン物流に「廃線」活用の可能性

 

社会実装の「到達点」として期待されるレベル4飛行は、高難度の飛行技術が要求されます。

その技術は一体どこで養成・開発していくのでしょうか。

そのフィールドの一つとして、鉄道の「廃線跡地」を考えてみました。

注:以下に紹介する「廃止路線名」は現在の再利用状況等は踏まえず廃線化の歴史のみを示すものです。

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新潟県の主な廃線跡地の現状

赤谷線
起点終点: 新発田駅↔東赤谷駅・駅数: 7駅・廃止:1984年4月・所有者運営者:日本国有鉄道
路線距離:18.9km・軌間:1,067mm・線路数:単線


赤谷線の詳細

線路跡地は新発田市へ売却され、サイクリングロード兼遊歩道として整備されている。線路や設備などは一部を除き全線で撤去された。
出典:Wikipedia

魚沼線

起点終点:来迎寺駅↔西小千谷駅・駅数: 5駅・廃止: 1984年4月・所有者:日本国有鉄道・路線距離:12.6km・軌間: 1,067mm・線路数:単線


魚沼線の詳細

新潟県道10号長岡片貝小千谷線のバイパス道路である片貝バイパス等、廃線敷の大半が道路に転用されている。

出典:Wikipedia

信越本線
起点 :高崎駅、篠ノ井駅、直江津駅 終点: 横川駅、長野駅、新潟駅・駅数:59駅・一部廃止:1997年10月(横川駅 - 軽井沢駅)・
路線距離: 29.7 km(高崎駅-横川駅間)、9.3 km(篠ノ井駅-長野駅間)、136.3 km(直江津駅-新潟駅間)、2.4 km(越後石山駅-新潟貨物ターミナル駅間)、3.8 km(上沼垂信号場-東新潟港駅間)・
軌間:1,067 mm・線路数:複線・所有者運営者:JR東日本


信越本線の詳細


廃線区間の現状

横川駅 - 軽井沢駅間は一部の区間が遊歩道「アプトの道」として整備されている。また、安中市松井田町の財団法人・碓氷峠交流記念財団により、同駅間の廃線跡で、同財団の運営する「碓氷峠鉄道文化むら」の園内遊具として、「ぶんかむら駅 - まるやま駅 - とうげのゆ駅」においてトロッコ列車を運転している。現在、同財団と安中市は国土交通省と協議を行い、同財団を鉄道事業法における特定目的鉄道の正規鉄道事業者に昇格させ、同駅間の廃線を復活させる計画がある。2006年(平成18年)10月に鉄道事業法の認可を目指し、早ければ2007年(平成19年)10月の開業とJR横川駅への乗り入れを目標としていたが、計画は凍結状態にあり、認可・開業時期とも未定となっている。

群馬・長野県境をつないでいた廃トンネルは安中市が所有している。2017年(平成29年)、北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を繰り返していることを受けて、軽井沢町は安中市と覚書を結び、有事の際にはこの廃トンネルを町民・観光客の避難シェルターとする方針を決めた。

廃止された横川駅 - 軽井沢駅間では、何度か架線の盗難やレール切断などの事件が起きている。2022年にも5月下旬から6月上旬にかけて安中市観光機構の職員が架線の一部が盗まれていることを確認した。盗難にあった箇所は少なくとも2カ所で計530メートル(約16万円相当)が盗難に遭っており、線路やトンネルの所有者である安中市が安中警察署に被害届を提出した。
出典:Wikipedia

越後交通長岡線
起点終点:来迎寺駅↔寺泊駅・駅数:27駅・廃止: 1995年4月・所有者:越後交通
路線距離:39.2km・軌間:1,067mm・線路数:単線


越後交通長岡線の詳細

旅客営業廃止後も多くの区間で線路・架線は残され、地元では「いつかまた角さん(かつての社長である田中角栄)が長鉄を走らせてくれる」とまことしやかな噂も流れた(実は撤去費用の問題がネックとなっていた)。事実、越後交通側も廃線後数年間は路線復活を検討したこともあったが、結局コストや設備面、そして採算性の問題で構想は立ち消えとなった。また、廃線跡をサイクリングロード化しようとする計画が周辺町村の間で上ったが、市町村合併に伴い計画自体は凍結されている。なお、沿線の旧市町村はいずれも長岡市に編入合併されている。

廃線後、上与板 - 与板駅間は一部区間において線路・架線柱等がそのまま残っていたが、2007年度(平成19年度)中にすべて撤去され更地となった。今後は遊歩道や生活道路として整備中であり、一部完工している。
出典:Wikipedia

蒲原鉄道線
起点終点:加茂駅↔五泉駅・駅数: 15駅・廃止: 1999年10月・所有者:蒲原鉄道
路線距離:21.9 km・軌間: 1,067 mm・線路数:単線


蒲原鉄道線の詳細

部分廃止区間については、高松 - 村松間の廃線跡が農地改良によって失われた他は、おおむね農道に転用もしくは軌条・架線・架線柱を撤去した状態でそのまま存置されている。加茂 - 東加茂間の加茂川橋梁はJR信越本線と共有されていたため、複線の信越本線と併せて三線分の幅員があり、廃止後も蒲原鉄道の架線・レールが撤去された他は枕木などもそのまま残っている。また、JR信越本線加茂 - 羽生田間には蒲原鉄道線が信越本線を乗り越していた線路橋の橋桁と築堤が残されており、新潟方面に向かって右手の築堤上には陣ヶ峰駅のホーム・階段が残存する。その他、七谷駅は駅舎・ホームとも残存し、土倉・高松両駅はホーム跡が残るほか、冬鳥越 - 土倉間に存在した土倉隧道が廃線当時そのままの状態で放置されている。新潟県立加茂農林高等学校裏手にも隧道の遺構が残存する。

残存区間の廃止後については、村松・今泉・五泉の各駅ともホームなどの撤去が廃止後間もなく実施され、一部区間に路盤跡が残るのみである。

出典:Wikipedia

廃線跡地の再利用状況や現況の出典:Wikipedia「日本の廃止鉄道路線一覧」

廃線跡地の持つ可能性

これからも日本の鉄道にとって廃線化の道は避けて通れないでしょう。

無理な妄想は控えるべきですが、空の産業革命と期待される「ドローン」という利器を廃線跡地利用の選択肢として活用できないものでしょうか。

以下に考えてみました。

レベル4につながる飛行環境

レベル4を分かりやすく言えば「人がいる地帯の上空で補助者なしでモニターを見ながら飛行させる」という飛行法です。

一般に広く行われている「下に人がいない場所の上空を、機体の操縦者が直接目視しながら、安全管理する補助者を伴って飛ばす」、、、という方法とは、その危険性や難度は比較にならないほど高くなる飛行です。

廃線の軌道上は人の少ない場所ではありますが、部分的にははいつでも人が立ち入ることは可能で、有人地帯にもなり得ます。

そのような廃線跡地で、補助者を配置せず飛行させれば、人の立入を防ぐことは困難となり事実上「立入管理措置を行わない」(つまり、人が自由に出入りする)飛行となります。

この点がレベル4の要件に適合します。

人の肉眼から遠く離れて線路の軌道上を飛んでいくドローンは、モニターに映る画像や飛行のリアルデータで機体を追いかけ、飛行を制御していくしかありません。

このように、廃線跡地は「有人地帯・目視外・補助者(立入管理措置)なし」というレベル4の要素が内在した飛行環境と言えます。

緩やかなカーブ・直線的な飛行

そんな廃線跡地を再利用の観点からとらえると、様々な利点が見えてきます。

廃線となった鉄道の軌道は、長い距離をつなぐ道路や高速道路と同様に、緩やかなカーブを伴う地形にそってまっすぐに伸びています。

上空には建物や電信柱などの障害物が少なく空間が広く開けており、直下の交通渋滞も無く工事なども少ないため、より高速で安全に移動できるという利点があります。

レベル4の練習フィールドとして適した環境の一つと言えるのではないでしょうか。

荷物の受渡し場所へのアクセス

練習の場にとどまらず、ドローン輸送の社会実装の面でメリットを考えると、ドローンは地上を走る車やトラックと比べて、直線的に進むことができるため、軌道に沿って荷物の受け渡し場所を設置しておけば、受取手にとってはアクセスすることが容易になるでしょう。

この点からも、ドローンにとって「廃線跡地の利用」の持つポテンシャルは飛行練習の場としてだけでなく、それ自体がドローン輸送の飛行経路として可能性があると言えないでしょうか。

より効率的で環境にも優しい飛行が期待できる廃線跡地での飛行は、ドローンによる「輸送・宅配」を実現できる可能性も併存していると考えられるでしょう。

廃線の再利用課題を解決

「廃線跡地の再利用」は鉄道会社や地方自治体が模索している社会的な課題となっています。

2020年、豊田市と愛知県は、名鉄三河線廃線跡の一部区間をドローンの専用空路に見立て、地元小売店から地域住民への商品配送を想定した実証実験を行いました。

また、名鉄グループは荷物の配達など輸送、分野でのドローン活用に注目し、ドローン配送の実証実験に積極的に取り組んでいます。

将来的には更に廃線を利用した配送網の構築を目指すことも考えられ、更にこれらに飛行訓練場としての可能性も含めれば、再利用事業に一筋の光が見えてきます。

過疎化対策の可能性も

鉄道が廃線となる原因は、乗客の少なさ・・・つまり鉄道周辺地域の過疎化にあります。

廃線化されれば、その不便さから周辺人口は益々減少していき、更に過疎化は進みます。

そうなれば暮らしを支える商業インフラも少なくなり、生活物資や薬品等緊急の輸送ニーズは高まっていくでしょう。

もともと都市部や郊外地域を結ぶ役割を果たしていた鉄道の軌道を輸送ドローンの飛行経路として転用すれば、地域間の荷物の配送がスムーズになり、人々の生活を改善することができます。

ラストワンマイル問題の解決手段や過疎化対策にもなり得るのではないでしょうか。

山積する問題・課題

期待が膨らむ廃線跡地利用ですが、しかし、ドローンを鉄道の軌道上で飛行させるためには多くの課題があります。

空域・遠隔操作・ルート

空域管理の問題

鉄道の廃線上空は、現在は航空法によって管理されていません。

ドローンが上空を飛行するためには、適切な空域管理が必要となります。

ドローンの安全性

ドローンが鉄道の廃線上空を飛行する場合、地上に人がいないかどうか、障害物がないかどうか、十分に確認する必要があります。

また、万が一ドローンが墜落した場合の被害を最小限に抑えるための対策も必要です。

ドローンの遠隔操作

鉄道の廃線上空を飛行するドローンは、遠隔操作によって操縦されることとなります。

遠隔操作の安定性や通信の問題が発生した場合、ドローンの操作が困難になる可能性があります。

また、地上の電波状況に影響される可能性もあります。

飛行ルートの設計

安全かつ効率的なルートを設計する必要があります。

また、ドローンの飛行地上がの施設や住民の生活に影響を与えないようにすることも必要です。

天候・電力・機体そして法律

天候条件の影響

天候条件によって飛行できなくなるのがドローンです。

風が強い場合や雨が降る場合など、飛行可能な環境であるかどうかを常に確認する必要があります。

電力の確保

長時間の飛行、荷物の重量に堪え得る電力を確保するためには、適切なバッテリーの使用や、充電設備の整備などが必要です。

機体の信頼性

高度に信頼性の高い機体が必要です。

特に、遠隔操作で操縦されるドローンの場合、通信エラーやバッテリー切れなどによる機体の停止は大きなリスクとなります。

法律上の問題

鉄道の廃線跡地上空を飛行するドローンは、法律上の規制が必要です。

例えば、航空法に基づく運用規則や、個人情報保護法に基づくプライバシー保護などがあります。

規制を遵守しながら運用する必要があります。

採算性・事業性

このように、解決しなければならない課題は山積しています。

諸課題の解決にはシステムや軌道上の設備等、様々な設備投資は避けて通れないでしょう。

  • 軌道の状態を確認するための監視カメラや障害物を検知するためのセンサー
  • 飛行ルートでの安全な高度や速度や方向を制御するシステム
  • 安全な位置を維持するためのGPSシステム
  • 十分な電力や安定した通信を確保するシステム
  • 安全な着着陸を行うための場所や運航管理要員、、、etc

これらの投資や費用を回収し得るほどの収益が期待できるものなのかどうか、官民ともに知恵の出しどころと言えます。

全国廃線地図

参考記事:ドローン宅配いつから?ラストワンマイル問題

【場所別】新潟県のドローン規制

新潟のドローン禁止条例

新潟の小型無人機禁止法区域

新潟のダムで飛ばす

新潟の空港周辺を飛ばす

新潟のdidを飛ばす

新潟の灯台で飛ばす

新潟の河川で飛ばす

新潟の文化財(37)を空撮

新潟の「港」で飛ばす

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新潟の山で飛ばす

中部山岳国立公園を飛ばす

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上信越高原国立公園を飛ばす

尾瀬国立公園を飛ばす

磐梯朝日国立公園を飛ばす

新潟の飛ばせる場所と規制

新潟の廃線跡地とレベル4

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