岡山県の廃線跡地とドローンレベル4:包括申請の矢野事務所

レベル4・ドローン物流に「廃線」活用の可能性

 

社会実装の「到達点」として期待されるレベル4飛行は、高難度の飛行技術が要求されます。

その技術は一体どこで養成・開発していくのでしょうか。

そのフィールドの一つとして、鉄道の「廃線跡地」を考えてみました。

注:以下に紹介する「廃止路線名」は現在の再利用状況等は踏まえず廃線化の歴史のみを示すものです。

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岡山県の廃線事例(国鉄民営化1987年以降)

同和鉱業片上鉄道
起点終点:片上駅↔柵原駅・駅数:17駅・廃止: 1991年7月・所有者:同和鉱業
路線距離:33.8 km・軌間: 1,067mm・線路数:単線


同和鉱業片上鉄道の詳細

線路跡
片上 - 吉ヶ原間の線路跡は、サイクリングロード(岡山県道703号備前柵原自転車道線、通称「片鉄ロマン街道」)として整備され2003年11月24日に開通した。吉井川の河川敷を走行していた区間は、川辺に桜が植樹され春先は桜の名所になっている。同所に設置された陸閘門もそのまま残されており、サイクリングロードのアスファルト舗装の間からレールが少し露出している。峠清水トンネルや天神山トンネル1号・2号は改修され残されている。吉井川に掛かっていた橋梁は全て撤去され国道を迂回するルートとなっている。
出典:Wikipedia

岡山臨港鉄道
起点終点:大元駅↔岡山港駅・駅数:駅・廃止:1984年12月・所有者: 岡山臨港鉄道
路線距離: 8.1km・軌間: 1,067mm・線路数:単線


岡山臨港鉄道の詳細


路線跡

大元駅
岡山県が事業主体となって1996年度から行った「JR宇野線大元駅付近連続立体交差事業」で、大元駅が高架駅化され駅周辺が再開発されたため、臨港鉄道時代の遺構は失われた。

大元 - 岡南新保 - 岡南泉田間
岡山臨港鉄道から跡地譲渡を受けた岡山市が1994年度に同区間2kmを緑道整備し、歩行者・自転車専用の遊歩道「臨港グリーンアベニュー」となった。岡南新保駅跡地はプラットホームを休憩所に転用。中間地点で都市計画道路下中野平井線(2003年開通)が横切ることになったため、2002年に下中野平井線を乗り越す歩行者用の歩道橋「新保遊歩橋」がかけられた。
岡南新保 - 岡南泉田間の国道2号、国道30号のオーバークロスは現存。線路脇にあった泉田倉庫への貨物列車入れ換え時に、長時間にわたって踏切が閉じるために立体化されたが、完成後まもなく臨港線が廃止され、立体交差だけが残った。泉田倉庫には2006年時点では「岡山臨港鐵道」の文字が残っていたが、現在は「岡山臨港」に書き換えられている。

岡南泉田 - 岡南福田間
岡山市道に転用。一部は岡山電気軌道バス南ふれあいセンター線が運行されている。福田倉庫は現存。

岡南福田 - 並木町 - 岡南元町間
分譲宅地などに転用。

株式会社岡山臨港本社(南岡山駅跡)
102号機械式ディーゼル機関車が保存されている。

岡山港駅付近
8km のキロポストが残っている。

出典:Wikipedia

水島臨海鉄道西埠頭線
起点終点::三菱自工前駅↔西埠頭駅・駅数: 2駅・廃止: 2016年7月・
所有者:水島臨海鉄道・路線距離:0.8km・軌間: 1,067mm・線路数:単線


水島臨海鉄道西埠頭線の詳細

廃線跡地の再利用状況や現況の出典:Wikipedia「日本の廃止鉄道路線一覧」

廃線跡地の持つ可能性

これからも日本の鉄道にとって廃線化の道は避けて通れないでしょう。

無理な妄想は控えるべきですが、空の産業革命と期待される「ドローン」という利器を廃線跡地利用の選択肢として活用できないものでしょうか。

以下に考えてみました。

レベル4につながる飛行環境

レベル4を分かりやすく言えば「人がいる地帯の上空で補助者なしでモニターを見ながら飛行させる」という飛行法です。

一般に広く行われている「下に人がいない場所の上空を、機体の操縦者が直接目視しながら、安全管理する補助者を伴って飛ばす」、、、という方法とは、その危険性や難度は比較にならないほど高くなる飛行です。

廃線の軌道上は人の少ない場所ではありますが、部分的にははいつでも人が立ち入ることは可能で、有人地帯にもなり得ます。

そのような廃線跡地で、補助者を配置せず飛行させれば、人の立入を防ぐことは困難となり事実上「立入管理措置を行わない」(つまり、人が自由に出入りする)飛行となります。

この点がレベル4の要件に適合します。

人の肉眼から遠く離れて線路の軌道上を飛んでいくドローンは、モニターに映る画像や飛行のリアルデータで機体を追いかけ、飛行を制御していくしかありません。

このように、廃線跡地は「有人地帯・目視外・補助者(立入管理措置)なし」というレベル4の要素が内在した飛行環境と言えます。

緩やかなカーブ・直線的な飛行

そんな廃線跡地を再利用の観点からとらえると、様々な利点が見えてきます。

廃線となった鉄道の軌道は、長い距離をつなぐ道路や高速道路と同様に、緩やかなカーブを伴う地形にそってまっすぐに伸びています。

上空には建物や電信柱などの障害物が少なく空間が広く開けており、直下の交通渋滞も無く工事なども少ないため、より高速で安全に移動できるという利点があります。

レベル4の練習フィールドとして適した環境の一つと言えるのではないでしょうか。

荷物の受渡し場所へのアクセス

練習の場にとどまらず、ドローン輸送の社会実装の面でメリットを考えると、ドローンは地上を走る車やトラックと比べて、直線的に進むことができるため、軌道に沿って荷物の受け渡し場所を設置しておけば、受取手にとってはアクセスすることが容易になるでしょう。

この点からも、ドローンにとって「廃線跡地の利用」の持つポテンシャルは飛行練習の場としてだけでなく、それ自体がドローン輸送の飛行経路として可能性があると言えないでしょうか。

より効率的で環境にも優しい飛行が期待できる廃線跡地での飛行は、ドローンによる「輸送・宅配」を実現できる可能性も併存していると考えられるでしょう。

廃線の再利用課題を解決

「廃線跡地の再利用」は鉄道会社や地方自治体が模索している社会的な課題となっています。

2020年、豊田市と愛知県は、名鉄三河線廃線跡の一部区間をドローンの専用空路に見立て、地元小売店から地域住民への商品配送を想定した実証実験を行いました。

また、名鉄グループは荷物の配達など輸送、分野でのドローン活用に注目し、ドローン配送の実証実験に積極的に取り組んでいます。

将来的には更に廃線を利用した配送網の構築を目指すことも考えられ、更にこれらに飛行訓練場としての可能性も含めれば、再利用事業に一筋の光が見えてきます。

過疎化対策の可能性も

鉄道が廃線となる原因は、乗客の少なさ・・・つまり鉄道周辺地域の過疎化にあります。

廃線化されれば、その不便さから周辺人口は益々減少していき、更に過疎化は進みます。

そうなれば暮らしを支える商業インフラも少なくなり、生活物資や薬品等緊急の輸送ニーズは高まっていくでしょう。

もともと都市部や郊外地域を結ぶ役割を果たしていた鉄道の軌道を輸送ドローンの飛行経路として転用すれば、地域間の荷物の配送がスムーズになり、人々の生活を改善することができます。

ラストワンマイル問題の解決手段や過疎化対策にもなり得るのではないでしょうか。

山積する問題・課題

期待が膨らむ廃線跡地利用ですが、しかし、ドローンを鉄道の軌道上で飛行させるためには多くの課題があります。

空域・遠隔操作・ルート

空域管理の問題

鉄道の廃線上空は、現在は航空法によって管理されていません。

ドローンが上空を飛行するためには、適切な空域管理が必要となります。

ドローンの安全性

ドローンが鉄道の廃線上空を飛行する場合、地上に人がいないかどうか、障害物がないかどうか、十分に確認する必要があります。

また、万が一ドローンが墜落した場合の被害を最小限に抑えるための対策も必要です。

ドローンの遠隔操作

鉄道の廃線上空を飛行するドローンは、遠隔操作によって操縦されることとなります。

遠隔操作の安定性や通信の問題が発生した場合、ドローンの操作が困難になる可能性があります。

また、地上の電波状況に影響される可能性もあります。

飛行ルートの設計

安全かつ効率的なルートを設計する必要があります。

また、ドローンの飛行地上がの施設や住民の生活に影響を与えないようにすることも必要です。

天候・電力・機体そして法律

天候条件の影響

天候条件によって飛行できなくなるのがドローンです。

風が強い場合や雨が降る場合など、飛行可能な環境であるかどうかを常に確認する必要があります。

電力の確保

長時間の飛行、荷物の重量に堪え得る電力を確保するためには、適切なバッテリーの使用や、充電設備の整備などが必要です。

機体の信頼性

高度に信頼性の高い機体が必要です。

特に、遠隔操作で操縦されるドローンの場合、通信エラーやバッテリー切れなどによる機体の停止は大きなリスクとなります。

法律上の問題

鉄道の廃線跡地上空を飛行するドローンは、法律上の規制が必要です。

例えば、航空法に基づく運用規則や、個人情報保護法に基づくプライバシー保護などがあります。

規制を遵守しながら運用する必要があります。

採算性・事業性

このように、解決しなければならない課題は山積しています。

諸課題の解決にはシステムや軌道上の設備等、様々な設備投資は避けて通れないでしょう。

  • 軌道の状態を確認するための監視カメラや障害物を検知するためのセンサー
  • 飛行ルートでの安全な高度や速度や方向を制御するシステム
  • 安全な位置を維持するためのGPSシステム
  • 十分な電力や安定した通信を確保するシステム
  • 安全な着着陸を行うための場所や運航管理要員、、、etc

これらの投資や費用を回収し得るほどの収益が期待できるものなのかどうか、官民ともに知恵の出しどころと言えます。

全国廃線地図

参考記事:ドローン宅配いつから?ラストワンマイル問題

【場所別】岡山県のドローン規制

矢野事務所の包括申請
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