標準マニュアル01と02は思想が違う|矢野事務所

標準マニュアル01と02は思想が違う|矢野事務所

ドローンの飛行許可申請では、標準マニュアル01と標準マニュアル02の違いが問題になることがあります。

実務では、「01と02のどちらを使えばよいですか」と相談されることがあります。

しかし、本当に重要なのは、単なる使い分けではありません。

標準マニュアル01と02は、安全を作る思想そのものが違います。

01は、場所や飛行条件を特定し、その条件の中で運航を成立させる考え方です。

02は、危険な条件を最初から排除し、一般的な飛行を大きく崩さないようにする考え方です。

つまり、01と02の違いは、単なる申請書類の違いではありません。

その飛行を、条件設計で成立させるのか、危険条件を避けることで成立させるのかの違いです。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

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結論|01は成立させる設計、02は排除する設計

実務判断

標準マニュアル01と02の違いは、安全思想の違いです。

  • 01:場所と条件を特定し、その条件で成立させる
  • 02:危険な条件を最初から排除し、一般的な飛行に限定する

どちらが上という話ではありません。

その案件が、どちらの思想で運航成立できるかを見極める必要があります。

ここを誤ると、申請は通っても、現場で使えない許可になります。

特に、包括申請の感覚で02を選んだものの、実際の現場条件が02の制限に合わないというケースは少なくありません。

包括申請だけでは成立しない飛行については、包括申請でも成立しない飛行とは|矢野事務所でも整理しています。

標準マニュアル01の考え方

標準マニュアル01は、場所を特定した飛行を前提にした考え方です。

飛行場所、飛行範囲、飛行方法、補助者配置、安全管理体制などを、その案件ごとに整理していきます。

つまり、01は次のような考え方です。

この場所で、この条件なら、なぜ運航が成立すると言えるのか。

その説明を積み上げるマニュアルです。

例えば、夜間飛行、目視外飛行、DID飛行、催し上空飛行などでも、その飛行ごとに必要な安全対策を整理し、条件を満たすことで成立可能性を作ります。

したがって、01は自由という意味ではありません。

条件を作り込むことで、難しい飛行を成立させるための設計型マニュアルです。

標準マニュアル02の考え方

標準マニュアル02は、包括申請で利用される標準的・定型的な運航マニュアル側です。

02は、さまざまな場所で繰り返し飛行することを想定しています。

そのため、個別の現場ごとに細かく成立条件を作り込むというより、危険になりやすい条件をあらかじめ排除する構造になっています。

つまり、02は次のような考え方です。

危険な場所や条件では、そもそも飛ばさない。

その代わり、一般的な飛行を安定して行うための枠組みにする。

このため、02は便利に見えますが、実際には制限が強くなります。

人が多い場所、交通量の多い場所、インフラに近接する場所、第三者管理が難しい場所では、02のままでは現場条件に合わないことがあります。

02は万能ではありません。

02は、成立しない現場を最初から排除する思想です。

01と02で最も違うのは「現場をどう見るか」

01と02の違いは、単なる申請形式ではありません。

現場をどう見るかが違います。

  • 01は、現場条件を見て成立条件を作る
  • 02は、危険な現場条件を避ける

この違いを理解しないまま申請すると、次のような問題が起きます。

  • 許可はあるが、その場所では飛ばせない
  • 包括申請の範囲だと思っていたが、マニュアル上は実施できない
  • 補助者配置や第三者管理が現場条件に合わない
  • 発注者にはできると言ったが、直前で条件が合わない

つまり、01と02の選択は、単なる書類選択ではありません。

その案件をどの安全思想で成立させるのかという判断です。

実務で差が出る場面

DID・夜間・目視外が重なる飛行

DID、夜間、目視外のような条件が重なると、単に包括申請の延長で処理できるとは限りません。

01では、飛行場所や安全体制を具体的に整理し、その条件で成立させる余地があります。

一方で、02では、危険条件を避ける思想が強いため、そのままでは現場条件と合わない場合があります。

特に夜間目視外飛行では、補助者配置、監視体制、通信、照明、中止判断まで具体的に設計する必要があります。

夜間目視外飛行については、夜間目視外飛行は許可より運航設計で決まる|矢野事務所でも整理しています。

30m未満の飛行

人又は物件から30m未満になる飛行でも、01と02では考え方が変わります。

01では、その場所でどのように第三者管理を行い、どの条件なら30m未満の飛行が成立すると言えるかを整理します。

02では、そもそも30m未満になりにくい場所や条件を選ぶ方向に寄ります。

ここを誤ると、「許可はあるが、実際の現場では条件を満たせない」という状態になります。

30m規制については、30m規制は「距離」ではなく状態維持|矢野事務所でも整理しています。

補助者なし飛行

補助者なし飛行でも、01と02の理解は重要です。

補助者を置かない場合、単に人員を減らす話ではありません。

誰が周辺確認を行うのか。

どう第三者接近を把握するのか。

異常時にどのように中止するのか。

この確認構造が問われます。

01では、飛行場所や監視方法を個別に設計する余地があります。

02では、一般的な安全確保の枠から外れやすく、制限が強くなります。

補助者なし飛行は、人を減らす話ではなく、確認構造をどう作るかの問題です。

よくある誤解

02の方が簡単で便利という誤解

02は包括申請で使われるため、簡単で便利だと思われがちです。

しかし実際には、制限が強く、できないことも多くなります。

02は「何でもできるマニュアル」ではありません。

危険な条件を避けることで成立させるマニュアルです。

01は難しいから避けるという誤解

01は個別条件を整理するため、難しく見えます。

しかし、現場条件が厳しい案件では、01の方が実務に合うことがあります。

なぜなら、01はその現場に合わせて成立条件を組み立てる考え方だからです。

難しいから避けるのではなく、難しい飛行だからこそ01で整理する必要がある場面があります。

どちらでも同じという誤解

01と02は、同じではありません。

選ぶマニュアルによって、飛行できる条件、現場で求められる体制、説明すべき内容が変わります。

つまり、01と02の違いを理解しないまま進めると、申請時点では見えなかった問題が、現場で表面化します。

選び方は「どちらが楽か」ではなく「どちらで成立するか」

標準マニュアル01と02を選ぶとき、重要なのは楽かどうかではありません。

その案件が、どちらの思想で運航成立するかです。

  • 場所を特定して飛ばすなら01を検討する
  • 包括的・定型的に飛ばすなら02を検討する
  • 厳しい条件が重なるなら01で成立条件を作る
  • 軽微で一般的な飛行なら02の範囲で収まるかを見る

ただし、これは単純な分類ではありません。

最終的には、飛行場所、飛行方法、第三者管理、補助者配置、中止判断を見て判断します。

つまり、マニュアル選択は申請の問題ではなく、運航成立の問題です。

まとめ

標準マニュアル01と02の違いは、単なる書類の違いではありません。

安全をどう作るかという思想の違いです。

  • 01は、場所と条件を特定し、その条件で成立させる
  • 02は、危険な条件を最初から排除し、一般的な飛行に限定する

この違いを理解しないまま進めると、申請は通っても、現場条件と噛み合わないことがあります。

大切なのは、どちらを選ぶかではありません。

その飛行が、どちらの思想で運航として成立するのかです。

標準マニュアル01と02は、使い分けの問題ではなく、運航成立の設計思想の違いとして見る必要があります。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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