
北海道の海でドローンを飛ばすには|矢野事務所
北海道の海や海岸でドローンを飛ばす場合、航空法上の飛行許可だけを確認しても、実際にその場所で飛行できるかどうかは決まりません。
北海道は海岸線が非常に長く、道が管理する海岸のほか、港湾管理者や漁港管理者などが管理する海岸があります。
さらに、国立公園、国定公園、道立自然公園と海岸が重なる地域もあります。
そのため、「北海道の海だから同じ確認先」という考え方ではなく、実際の飛行場所と離着陸場所を特定して管理主体を確認することが重要です。
この記事では、北海道の海・水辺でドローンを飛ばす際に、どこを確認し、どのような順序で運航条件を整理するのかをまとめます。
このページで分かること
北海道の海岸は管理者確認から始まる
北海道庁は、国や都道府県、市町村が管理する施設・土地では、安全確保などの観点からドローン飛行を禁止している場合があるため、事前に飛行可能な区域か確認するよう案内しています。
道が管理する海岸については、各総合振興局・振興局の建設管理部が確認先となります。
一方、港湾区域や漁港区域に含まれる海岸では、港湾管理者や漁港管理者など別の管理主体が関係します。
したがって、最初に飛行地点を地図上で特定し、その海岸がどの管理区域に該当するのかを確認します。
海岸保全区域などの確認
海岸保全区域や一般公共海岸区域に該当するかを確認する場合は、北海道の各建設管理部が窓口となります。
また、海岸保全区域で土地の占用や工作物の設置などを行う場合には、単なるドローン飛行とは別に海岸法上の手続きが問題になる場合があります。
そのため、ドローンが上空を飛ぶことだけでなく、離着陸場所、撮影スタッフ、機材の配置、一定範囲の継続的な使用なども含めて管理者へ伝えることが重要です。
北海道では飛行場所の広さに注意
北海道では、「人が少ないから飛ばしやすい」と考えやすい場所もあります。
しかし、利用者が少ないことと、確認すべき管理主体がないことは同じではありません。
海岸、道路、河川、自然公園、漁港など複数の区域が近接していることもあります。
特に長距離の海岸線や岬、離島などで撮影する場合は、飛行経路だけでなく離着陸場所がどの管理区域に含まれるかまで確認します。
海水浴場では施設管理者も確認
海水浴場では、海岸管理者とは別に、市町村や施設管理者などが利用ルールを定めている場合があります。
そのため、実際に飛行する海水浴場の開設者・管理者へ、ドローン利用の可否と条件を確認します。
旧記事では北海道内の海水浴場と電話番号を大量に掲載していましたが、連絡先や開設状況が変わる可能性があるため、今回の復活記事では固定一覧を掲載しません。
また、管理者から使用について了承を得ても、それだけで予定したドローン運航を継続できるとは限りません。
海水浴客、観光客、釣り人などが飛行範囲へ入らない状態を維持できるかを確認し、その状態が崩れた場合の中止条件も決める必要があります。
自然公園と海岸が重なる地域
北海道では、海岸そのものの管理だけでは確認が終わらない地域があります。
例えば後志管内には、支笏洞爺国立公園、ニセコ積丹小樽海岸国定公園、狩場茂津多道立自然公園があります。
国定公園や道立自然公園では、ドローンの飛行や離着陸自体が自然公園法や道立自然公園条例の許可・届出行為に該当しない場合でも、区域や土地管理、他の利用者への影響など別の確認が必要になることがあります。
国立公園についても環境省の所管事務所を確認します。
したがって、積丹、小樽、知床、利尻・礼文、釧路周辺など自然公園と関係する地域では、海岸管理だけを確認して判断を終えないことが重要です。
北海道の河川で飛ばす場合
河川や河川敷で飛行する場合も、河川法だけを見て飛行可否を判断することはできません。
北海道では、一級河川について国、北海道または札幌市が管理するものがあり、二級河川は北海道、それ以外の河川は市町村が管理するものがあります。
つまり、河川名と飛行地点を特定しなければ、確認先を決めることができません。
道管理河川については各総合振興局・振興局の建設管理部が確認先になります。
撮影、測量、点検などで河川敷を離着陸場所や作業場所として使用する場合には、上空の飛行とは別に河川敷の利用について確認します。
北海道の港で飛ばす場合
北海道には、苫小牧港、室蘭港、函館港、小樽港、釧路港、稚内港、留萌港、網走港など多数の港があります。
港湾では一般の海岸とは管理主体が異なるため、飛行予定場所が港湾区域に入る場合は、港湾管理者や施設管理者へ確認します。
同じ市町村内でも、一般海岸と港湾区域では確認先が変わることがあります。
また、船舶の航行、荷役作業、立入管理区域、港湾施設の使用などもあるため、「港の上空を飛ばす」という情報だけでは運航条件を決められません。
漁港では港湾とは別の管理制度
北海道では漁港も多く、一般海岸や港湾とは別に漁港管理の確認が必要になります。
漁港施設の用地や水面を利用する場合には、北海道漁港管理条例に基づく届出や許可が必要になることがあります。
したがって、漁港付近でドローンを飛ばす場合は、上空飛行だけでなく、離着陸場所や撮影スタッフが使用する漁港施設についても確認します。
航空法の許可と場所管理は別問題
北海道の海岸で航空法上の飛行条件を満たしていても、場所管理上の確認まで完了したことにはなりません。
逆に、海岸管理者や施設管理者から使用について了承を得ても、航空法上の飛行条件が自動的に満たされるわけではありません。
特に北海道では、新千歳空港など空港周辺の空域、防衛関係施設、重要施設など、別の飛行制限が関係する地域もあります。
包括申請を持っている場合でも、これらの場所条件や現地管理まで一括して解決されるわけではありません。
北海道の海で必要になる運航管理
北海道の海岸では、飛行場所によって人の少ない場所もあります。
しかし、第三者が少ないことだけで安全な運航が成立するわけではありません。
観光客、釣り人、漁業関係者、車両、船舶など、現地条件は時間によって変化します。
また、風、海霧、急な天候変化などによって予定した飛行条件を維持できなくなる場合もあります。
そのため、第三者との分離状態、補助者の監視対象、飛行範囲、離着陸場所、中止条件を事前に整理します。
誰が飛行継続を判断し、どの状態になったら誰が止めるのかまで決めておくことが重要です。
北海道の海で飛ばすときの確認順序
最初に、飛行場所と離着陸場所を地図上で具体的に特定します。
次に、その場所が道管理海岸、港湾区域、漁港区域、海水浴場、河川、自然公園などのどこに該当するのかを確認します。
そのうえで、各総合振興局・振興局の建設管理部、港湾管理者、漁港管理者、市町村、自然公園の所管事務所など必要な確認先を特定します。
さらに、航空法上の飛行条件、第三者との分離状態、補助者機能、中止条件を整理します。
北海道は面積も海岸線も広いため、「北海道の海で飛ばせるか」という一つの答えはありません。
どの場所で、どの管理区域を使い、どの状態を維持して運航するのかを具体化して初めて、飛行の成立性を判断できます。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています

