

ドローン国有林入林届の判断基準|矢野事務所
国有林でドローンを飛ばす場合、入林届が問題になります。
ただし実務では、「飛ばすかどうか」だけで判断すると誤ります。
重要なのは、操縦者、補助者、関係者が国有林に入るのかどうかです。
つまり、国有林の入林届は、ドローンを飛ばすかではなく、人が国有林に入るかを中心に判断します。
そして、入林届を出したからといって、飛行そのものが適法になるわけではありません。
入林届は、ドローン運航を成立させる条件の一部にすぎません。
このページで分かること
結論|入林届は「入るかどうか」で決まる
国有林の入林届は、実務上シンプルに整理できます。
操縦者等が国有林に入るかどうかで判断します。
- 入る → 原則として入林届が必要
- 入らない → 条件付きで不要となる可能性あり
ここでいう「入る」には、操縦者だけでなく、補助者、撮影スタッフ、測量関係者、現場確認者なども含めて考える必要があります。
離着陸場所が国有林内にある場合も、当然に問題になります。
原則|国有林では入林届が必要
国有林は国の財産であり、一般の土地と同じ感覚で自由に立ち入れる場所ではありません。
そのため、ドローン飛行であっても、次のような場合は入林届が必要になります。
- 操縦者が国有林内に立ち入る場合
- 補助者や関係者が国有林内に立ち入る場合
- 国有林内で離着陸を行う場合
- 現地確認や機材設置のために入る場合
飛行するかどうかではなく、人が入るかどうかで判断する。
ここが最初の分岐点です。
例外|入林届が不要となる可能性があるケース
入林届が不要となる可能性があるのは、かなり限定的です。
操縦者・補助者・関係者が国有林に入らず、単に上空を通過するだけの場合です。
- 操縦者が国有林に立ち入らない
- 補助者も国有林に立ち入らない
- 離着陸を国有林内で行わない
- 現地作業や機材設置も行わない
- あくまで上空通過のみである
このような場合には、入林届が不要と整理できる可能性があります。
ただし、これは入林届の問題に限った話です。
航空法上の許可、目視外飛行、DID、30m未満、第三者管理、自治体・管理者調整などは別に判断する必要があります。
実務で多い誤解
上空だけなら自由に飛ばせる
これは誤解です。
操縦者や補助者が国有林に入るのであれば、入林届の対象になります。
また、入林届が不要に見える場合でも、航空法やその他の規制が消えるわけではありません。
少し入るだけなら問題ない
これも誤解です。
短時間でも、操縦者や関係者が国有林に立ち入るのであれば、入林届の対象として整理する必要があります。
入林届を出せば飛ばせる
これは特に注意が必要です。
入林届は、飛行許可ではありません。
国有林に入ることについての届出であり、ドローン飛行の適法性を保証するものではありません。
重要|入林届は許可ではない
ここは実務上、非常に重要です。
入林届は許可ではなく、届出・通知として整理すべきものです。
- 提出したから飛行が許可されるわけではない
- 航空法上の許可・承認とは別問題
- 第三者管理や現場安全の判断も別問題
- 森林管理署側の確認と、運航成立性は分けて考える
つまり、入林届を出していても、航空法上の許可がなければ違反になることがあります。
また、許可があっても、現場で第三者管理や中止判断が成立しなければ、運航としては止まります。
この点は、ドローン運航管理の観点からも整理しておく必要があります。
実務で止まるポイント
国有林のドローン飛行では、入林届だけに意識が向きがちです。
しかし、実務で止まるのは、むしろその先です。
- 航空法の許可・承認が整理されていない
- 目視外飛行や補助者配置の判断が曖昧
- 第三者管理が成立していない
- 森林管理署との調整範囲が不明確
- 離着陸場所や作業動線が整理されていない
- 中止判断が決まっていない
入林届が受理されていても、これらが整理されていなければ、現場で止まる可能性があります。
判断設計が必要な案件については、判断設計が必要なドローン案件とは|矢野事務所でも整理しています。
国有林かどうかの確認方法
まず、対象地が国有林かどうかを確認する必要があります。
確認には、地理院地図の国有林レイヤーを使う方法があります。
緑色表示が国有林です。
ただし、地図上の確認だけで終わらせず、必要に応じて管轄森林管理署への確認も行うべきです。
矢野事務所での実務上の整理
矢野事務所では、国有林でのドローン飛行について、単に「入林届が必要です」とは整理しません。
まず、操縦者や補助者が国有林に入るのかを確認します。
次に、離着陸場所、飛行経路、作業動線、現地確認の有無を整理します。
さらに、航空法上の許可・承認、目視外飛行、第三者管理、中止判断を別途確認します。
国有林の飛行は、入林届だけで成立するものではありません。
入林届、航空法、現場管理、関係者調整を分けて整理し、それらを一つの運航として接続する必要があります。
まとめ
国有林でのドローン飛行は、まず「人が入るかどうか」で判断します。
- 入る → 原則として入林届が必要
- 入らない → 条件付きで不要となる可能性あり
ただし、入林届は飛行許可ではありません。
航空法や現場安全、第三者管理、中止判断は別に整理する必要があります。
入林届を出したことと、ドローン運航が成立することは別問題です。
だからこそ、国有林での飛行では、入林届を含めた全体の判断設計が必要になります。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています

