Lv3.5は「継続確認状態」で成立する|矢野事務所

Lv3.5は「継続確認状態」で成立する|矢野事務所

 

レベル3.5飛行は、「補助者なしで飛ばせる制度」と理解されることがあります。

しかし、実務ではその理解だけで現場へ入ると成立しません。

レベル3.5で本当に問われているのは、補助者の有無ではなく、継続的に確認可能状態を維持できるかです。

つまり、第三者不在状態、映像確認状態、通信状態、中止判断可能状態を維持し続けられるかが本体です。

本記事では、Lv3.5を単なる制度ではなく、「運航成立性」の観点から整理します。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

Lv3.5は「飛行許可」ではなく状態維持制度

Lv3.5では、補助者を配置しない代わりに、機上カメラや通信装置を用いて、飛行経路直下および周辺に第三者がいない状態を継続的に確認することが求められます。

つまり、重要なのは「今、人がいない」ではありません。

継続的に確認できている状態を維持できるかです。

ここが、従来の目視外飛行との大きな違いになります。

この考え方は、単なる操縦ではなく、ドローンは操縦でなく運航管理|矢野事務所という整理と直結しています。

「確認不能状態」で運航は成立しない

Lv3.5では、確認不能状態になった時点で、運航成立性が崩れます。

例えば、次のような状態です。

  • 映像品質が低下する
  • 通信状態が不安定になる
  • 逆光や地形で視認性が落ちる
  • 第三者流入を確認できなくなる
  • 監視範囲外が発生する

つまり、Lv3.5とは「飛べる制度」ではありません。

確認不能になったら継続しない制度です。

この構造は、ドローンは「中止判断」で決まる|矢野事務所とも深く関係しています。

第三者不在状態は「瞬間」では足りない

Lv3.5で誤解されやすいのが、「飛行開始時に第三者がいなければよい」という理解です。

しかし実際には、重要なのは飛行開始時ではありません。

飛行中も継続的に第三者不在状態を維持できるかです。

つまり、第三者管理は静的管理ではなく、動的管理になります。

このため、Lv3.5では、単なる立入禁止ではなく、流入可能性、監視範囲、決心点、緊急着陸地点まで含めた整理が必要になります。

第三者整理については、第三者と関係者の整理で止まる理由|矢野事務所でも整理しています。

Lv3.5で重要なのは「決心点」の設計

Lv3.5飛行では、道路、登山道、管理道などを横断する場面があります。

このとき重要になるのが、決心点です。

決心点とは、その地点に到達した時点で、機上カメラにより進行方向と地表状況を確認し、道路等を横断するかどうかを判断する地点です。

つまり、決心点は単なる中止条件ではありません。

道路等の横断に入る前に、第三者、車両、管理者車両、登山者等の有無を確認し、横断可否を判断するための地点です。

ここで第三者や車両等が確認された場合、又は地表状況を確認できない場合には、道路等の横断に入らない判断が必要になります。

Lv3.5では、「飛行経路を設定したから横断できる」のではありません。

決心点で確認し、横断できる状態が維持されていると判断できて初めて、次の区間へ進むことができます。

したがって決心点は、飛行継続中の一般的な中止条件というよりも、道路等横断前の運航成立確認ポイントとして設計する必要があります。

補助者なし=簡単ではない

補助者なし飛行は、人員削減のように語られることがあります。

しかし、実務では逆です。

補助者を置かない分、より厳密な状態維持が必要になります。

つまり、Lv3.5とは「楽になる制度」ではありません。

補助者機能を、通信・映像・監視・決心点・運航管理へ置き換える制度です。

補助者なし飛行については、包括申請でも成立しない飛行とは|矢野事務所でも整理しています。

Lv3.5は「文書化」で成立する

Lv3.5では、経験だけでは足りません。

なぜその通信品質で成立すると言えるのか。

なぜその映像品質で確認可能と言えるのか。

なぜその決心点で中止すると整理したのか。

なぜその退避地点で安全と言えるのか。

これらを後から説明できる状態にしておく必要があります。

つまり、Lv3.5は「操縦技術」だけでは成立しません。

説明可能な運航構造として整理されている必要があります。

この考え方は、ドローン運航は『文書化』で成立する|矢野事務所とも直結します。

飛行記録は「成立性」の証拠になる

Lv3.5では、飛行後の記録も重要です。

通信状態、映像状態、中止判断、飛行ログ、異常発生有無などは、次回以降の成立条件整理にも影響します。

つまり、飛行記録は単なる保存義務ではありません。

「なぜ成立すると判断したのか」の事後説明資料になります。

飛行記録については、飛行日誌は『事後説明』の証拠|矢野事務所でも整理しています。

まとめ

Lv3.5で重要なのは、「補助者なしで飛べるか」ではありません。

継続確認可能状態を維持できるかです。

第三者不在状態。

映像確認状態。

通信品質。

決心点。

中止判断。

これらを継続的に維持できて初めて、Lv3.5は成立します。

つまり、Lv3.5とは制度ではなく、状態維持型の運航設計です。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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