補助者なし飛行なら02の使い方解説:矢野事務所

補助者なし飛行なら02の使い方解説

 

補助者なしでドローンを飛行させたい場合、「標準マニュアル02」を使用することが前提となります。

しかし、01と02の違いが分かりづらく、「自分の申請ではどちらを使えばいいのか?」と迷われる方が非常に多いのが実情です。

本記事では、補助者なし飛行において02が必要となる理由、01では対応できない項目、注意すべき安全対策、そして申請で必ず押さえるべきポイントを行政書士の視点から分かりやすく整理しました。

補助者なし飛行を計画している方、申請で迷いたくない方に向けて、最短で判断できるよう構成しています。

法人・自治体案件のご担当者さまへ
業務での飛行は「飛ばせるか」だけでなく、飛行可否判断/通報設計/説明整理が必要になる場合があります(個人のご相談も可)。

追記された「なお」書き

航空局標準マニュアル02

航空局標準の標準マニュアルは飛行において厳守すべき行為を定めています。

中でも標準マニュアル「02」は、場所を特定しない申請で適用されるマニュアルとして標準的な飛行を規定する役割を果たしており、飛行許可の中でも最もポピュラーな「包括申請」で使用されます。

 

このマニュアルの中では様々な重要ルールが記されていますが、その一つが「補助者の配置」です。

「補助者の配置」は標準マニュアルが発足した当初から下の画像のように明確に示されてきました。

飛行させる際には、安全を確保するために必要な人数の補助者を配置し、相互に安全確認を行う体制をとる

そしてここに書かれているような「必要な人数の補助者を配置」しなかった場合には違反飛行となります。

この点は今も変わってはいません。

3-1(5)に追記されたこと

しかし、令和4年12月に改訂された現在の標準マニュアルには、次のような「なお書き」が追記されました。

なお、現在は令和7年3月31日版として改定されています。

なお、塀やフェンス等を設置することや、第三者の立入りを制限する旨の看板やコーン等を飛行範囲や周辺環境に応じて設置することにより立入管理区画を明示し、第三者の立入りを確実に制限することができる場合は、これを補助者の配置に代えることができる。

標準マニュアル02の3-1(5)の下線の部分です。

つまり、補助者を配置しなくても、立入管理区画を明示して第三者の立入りを確実に制限することができるならば、

それでOK…ということにルール改訂されたわけです。

補助者なしのメリット

この補助者を配置しないで済むことには、次のようなメリットがあります。

人手の不要

人手不足の昨今、そもそも補助者に充てる要員が手当てできるかどうかは大きな問題です。

特に建築業や塗装業等々の現場業務での人手不足は深刻です。

「単に補助者を置いておけばよい」という考え方は非常に危険で、事故につながる事態を避けるための周囲の監視や第三者の立入を制限する注意喚起等、とても重要な役割を担うのがドローンの補助者です。

つまり、誰でも良いということにはならないのです。

立入管理区画を明示を行うことによって、このような補助者の配置が不要となるメリットは小さくありません。

人件費負担の解消

補助者一人を自社内で調達してもその時間は他の仕事ができないのですから、補助者業務には間接的な人件費がかかっていることになります。

外部からの人を調達しても、打ち合わせも含めて一人当たりの日当は2万円近くはかかってくるのではないでしょうか。

屋根の修繕や塗装業での事前点検の場合など、発注されるかどうかわからない段階で、この費用だけはかかってくることになります。

補助者とは「コスト」なのです。

立入管理区画を明示を行うことによって、コスト発生を防げることは直接的な経済的メリットと言えます。

即応力・機動力ある営業

事業である以上、急に飛ばすことになった…というような場合があります。

このようなケースではコストを負担してでも補助者を手配せざるを得ません。

しかし、これがコーンや立て看板を常備していれば立入管理区画の明示だけで補助者に代えることができます。

顧客との商談の流れで、補助者の手配の不安もなく日時を即決できるメリットは計り知れないのではないでしょうか。

つまり、補助者が不要となれば、即出動の機動力のある営業力が発揮できるということです。

立入管理区画の難点

一方、立入管理区画も万能ではありません。

見落としてはいけない規定がマニュアルには書かれています。

第三者の立入りを確実に制限することができる場合…

この部分です。

フェンスで完全に囲われている敷地や四方が見渡せて誰からも見える四隅にコーンや立看板を設置できる場合などは、これによって第三者の立入りを確実に制限することができる…と言えるかも知れません。

しかし、そのような場所というのは、そう多くはないのではないでしょうか?

ここが立入管理区画の難しいところです。

敷地が変形していて見渡せなかったり、立て看板やコーンが第三者からみて「明示」されているとは言えなかったり、必ずしも「確実に制限」することができるとは限らないからです。

ロープやテープを飛行経路の真下に張り巡らしたりして、あらゆる手を尽くして第三者の立入を制限しなければならないのが、補助者の配置に代わる立入管理区画の設置です。

安全確保という観点から、まずは「補助者配置が基本」にあるということを念頭に置きながら、該当する場所の特徴に合わせて慎重に判断することが肝要です。

まとめ

  1. 標準マニュアルの重要性: 航空局標準マニュアルは、飛行において厳守すべき行為を定め、特に「02」は包括申請で使用する。
  2. 補助者の配置: 安全確保のため必要な人数の「補助者」を配置することが基本であり配置しない場合は違反となる。
  3. ルール改訂の内容: 令和4年12月の改訂で、補助者配置を立入管理区画の明示で代替可能とする「なお書き」が追加された。
  4. 補助者なしのメリット: 人手不足やコスト負担を解消し、即応力のある営業が可能となる。
  5. 立入管理区画の難点: 完全に第三者の立入りを制限できる場所は限られているのが現実。
  6. 安全確保の基本: 依然として補助者配置が基本であり、場所の特徴に応じた慎重な判断が求められる。

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