ドローン運航の判断設計・体制構築

【制度改正シリーズ⑥】

ここまでのシリーズで、イエローゾーンの1km拡大、直罰化、対象施設の拡張によって、前提が大きく変わることを整理してきました。

その結果、実務で最後に残るのは次の問題です。

「この案件をそもそも扱ってよいのか」

という入口判断です。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

なぜ「入口で止める」必要があるのか

従来は、

  • 条件を整える
  • 許可を取得する
  • 現場で調整する

という流れで案件を進めることができました。

しかし現在は、

  • 回避できない(②)
  • 軽く入れない(③)
  • 途中で止める前提が必要(④)
  • 前提自体が変わる可能性がある(⑤)

という状態です。

このため、

後から整えるという発想では追いつかない案件が増えています。

つまり、

入口で切る判断をしないと、途中で崩れる

という構造です。

危険な案件の特徴

では、どのような案件が危険なのか。

共通するのは、

成立条件を維持できる見通しが弱い案件

です。

具体的には、次のような特徴があります。

条件依存が強すぎる案件

  • 人の流れに強く依存する
  • 現地状況の変化に左右される
  • 一部条件が崩れると成立しない

このような案件は、

計画時点で成立していても、実施時点で崩れる可能性が高い

といえます。

管理が閉じていない案件

  • 第三者の流入を制御しきれない
  • 監視範囲が限定されている
  • 全体状況を把握できない

この場合、

成立条件を維持するための前提がそもそも不足しています。

中止判断が曖昧な案件

  • 誰が止めるのか決まっていない
  • どの時点で止めるのか不明確
  • 止める判断が現場任せ

この状態では、

「止める判断ができない=成立していない」

と評価されます。

扱うべきでない案件とは何か

ここまでを踏まえると、

扱うべきでない案件とは、成立条件を維持できる構造が作れない案件

です。

重要なのは、

「難しい案件」ではなく「成立しない案件」を見極めること

です。

難易度が高くても成立する案件はありますが、

成立しない案件は、どれだけ調整しても成立しません。

実務での判断の順番

今後の実務では、判断の順番が変わります。

従来は、

「どうすればできるか」

から入っていました。

しかしこれからは、

「成立する案件かどうか」→「条件を設計できるか」→「実施できるか」

の順になります。

この最初の段階で止まる案件は、

そもそも進めるべきではありません。

ここまでのシリーズの到達点

① 対処時間の再設計
② 回避不能化
③ 直罰化
④ 止める判断
⑤ 対象施設の拡張

この流れによって、

判断は「実施可否」から「案件選別」へ移っています。

そしてこの⑥の記事で、

「扱ってよい案件かどうか」が最初に来る

というところまで来ました。

まとめ

イエローゾーンの実務では、

「どうすれば飛ばせるか」

という問いだけでは足りません。

重要なのは、

「この案件をそもそも扱うべきか」

という判断です。

その判断ができない状態で進めること自体が、

最大のリスクになります。

◆ ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する ◆

関連記事

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対象施設拡張でどこでも対象になる時代

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イエローゾーン1km改正まとめ実務判断

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イエローゾーン1km改正まとめ実務判断

法人・自治体案件のご担当者さまへ

イエローゾーン1km時代の案件では、従来の整理では成立しないケースが発生します。

「許可があるか」ではなく、その運航が最後まで成立するかを事前に整理しなければ、現場で停止・是正対応が発生する可能性があります。

判断に迷う案件がある場合は、事前に運航成立性の観点で整理することをお勧めします。

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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