
【制度改正シリーズ⑥】
ここまでのシリーズで、イエローゾーンの1km拡大、直罰化、対象施設の拡張によって、前提が大きく変わることを整理してきました。
その結果、実務で最後に残るのは次の問題です。
「この案件をそもそも扱ってよいのか」
という入口判断です。
基地・駐屯地・重要施設周辺のドローン飛行
イエローゾーン拡大後の手続・通報・運航成立性を整理します
基地周辺では、航空法上の許可だけで運航が成立するとは限りません。
矢野事務所では、必要な手続の整理に加え、現地で運航を成立させ、後から説明できる状態まで支援します。
対象区域か分からない段階でもご相談いただけます
以下では、イエローゾーン案件を入口で選別する判断基準を整理します。
このページで分かること
なぜ「入口で止める」必要があるのか
従来は、
- 条件を整える
- 許可を取得する
- 現場で調整する
という流れで案件を進めることができました。
しかし現在は、シリーズで確認してきたように
- 回避できない
- 軽く入れない
- 途中で止める前提が必要
- 前提自体が変わる可能性がある
という状態です。
このため、
後から整えるという発想では追いつかない案件が増えています。
つまり、
入口で切る判断をしないと、途中で崩れる
という構造です。
危険な案件の特徴
では、どのような案件が危険なのか。
共通するのは、
成立条件を維持できる見通しが弱い案件
です。
具体的には、次のような特徴があります。
条件依存が強すぎる案件
- 人の流れに強く依存する
- 現地状況の変化に左右される
- 一部条件が崩れると成立しない
このような案件は、
計画時点で成立していても、実施時点で崩れる可能性が高い
といえます。
管理が閉じていない案件
- 第三者の流入を制御しきれない
- 監視範囲が限定されている
- 全体状況を把握できない
この場合、
成立条件を維持するための前提がそもそも不足しています。
中止判断が曖昧な案件
- 誰が止めるのか決まっていない
- どの時点で止めるのか不明確
- 止める判断が現場任せ
この状態では、
「止める判断ができない=成立していない」
と評価されます。
扱うべきでない案件とは何か
ここまでを踏まえると、
扱うべきでない案件とは、成立条件を維持できる構造が作れない案件
です。
重要なのは、
「難しい案件」ではなく「成立しない案件」を見極めること
です。
難易度が高くても成立する案件はありますが、成立条件を設計できない案件は、調整を重ねても運航成立の説明が難しくなります。
実務での判断の順番
今後の実務では、判断の順番が変わります。
従来は、
「どうすればできるか」
から入っていました。
しかしこれからは、
「成立する案件かどうか」→「条件を設計できるか」→「実施できるか」
の順になります。
この最初の段階で止まる案件は、その段階で、案件を進めるか見直す判断が必要になります。
ここまでのシリーズの到達点
① 対処時間の再設計
② 回避不能化
③ 直罰化
④ 止める判断
⑤ 対象施設の拡張
この流れによって、
判断は「実施可否」から「案件選別」へ移っています。
そしてこの⑥の記事で、
「扱ってよい案件かどうか」が最初に来る
というところまで来ました。
まとめ
イエローゾーンの実務では、
「どうすれば飛ばせるか」
という問いだけでは足りません。
重要なのは、
「この案件をそもそも扱うべきか」
という判断です。
その判断ができない状態で進めること自体が、
最大のリスクになります。
関連記事
← 前の記事:
対象施設拡張でどこでも対象になる時代
イエローゾーン案件全体の判断構造は、主役記事で整理しています。
→ イエローゾーン飛行は成立するのか
次の記事 →:
イエローゾーン1km改正まとめ実務判断
シリーズ一覧:
イエローゾーン1km改正まとめ実務判断
◆ ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する ◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
※飛行許可申請のみのご相談にも対応しています
