
対象施設拡張でどこでも対象になる時代:矢野事務所
【制度改正シリーズ⑤】
これまでの小型無人機等飛行禁止法は、対象施設が明確に定まっていることが前提でした。
国会議事堂や空港、防衛施設など、
場所が固定されている対象
を中心に制度が設計されてきました。
しかし今回の見直しでは、この前提が変わろうとしています。
このページで分かること
対象施設は「固定された場所」だけではなくなる
検討されているのは、
重要な国際会議や要人の滞在場所などを、一定期間対象施設として指定する仕組み
です。
これはつまり、
一時的にイエローゾーンが発生する場所が出てくる
ということを意味します。
これまでの判断が成立していた理由
従来の実務では、
- 対象施設の位置が事前に分かる
- 地図で確認できる
- 飛行計画で避けることができる
という前提がありました。
このため、
「事前に確認して回避する」
という整理が成立していました。
なぜこの前提が崩れるのか
対象施設が一時的に指定されるようになると、
- 事前に把握できないケースが出てくる
- 直前に状況が変わる
- 地図だけでは判断できない
という状態になります。
つまり、
「調べれば分かる」という前提が成立しなくなる
のです。
何が実務で問題になるのか
ここで問題になるのは、
知らなかったでは済まない
という点です。
直罰化と組み合わさることで、
状況を把握しないまま飛行すること自体がリスクになる
構造になります。
つまり、
事前確認が「必要」ではなく「前提」になる
ということです。
回避不能化との重なり
ここでこれまでのシリーズがすべてつながります。
- 回避できない(②)
- 軽く入れない(③)
- 止める判断が必要(④)
この状態に加えて、
対象そのものが動く可能性がある
という要素が入ります。
つまり、
「固定された前提で設計すること自体が難しくなる」
ということです。
現場で起きる変化
この変化により、現場では次のような状況が生まれます。
- 飛行直前まで成立性が確定しない
- 現地で条件が変わる可能性がある
- 計画時点と実施時点で前提がずれる
つまり、
「計画どおりに飛ばせる」という前提が崩れる
のです。
だから何が必要になるのか
ここで必要になるのは、
状況変化を前提とした設計
です。
具体的には、
- 事前確認の範囲をどこまで広げるか
- 直前変更にどう対応するか
- 成立しない場合の中止判断をどうするか
をあらかじめ決めておく必要があります。
ここまで来ると、
飛行計画は「条件付きの仮設計」になります。
まとめ
対象施設の拡張は、
単に規制対象が増えるという話ではありません。
本質は、
「固定された前提で判断できる世界」が終わること
にあります。
これにより、
状況が変わることを前提に設計する実務
へと移行していきます。
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