
【実務事例】申請不要でも止まる道路上空ドローン飛行を成立させた事例:矢野事務所
道路上空でのドローン飛行は、「申請不要」と判断されるケースでも、そのままでは実施できないことがあります。
本件でも、形式上は申請不要と整理されたものの、現場では成立しない可能性がある状態でした。
本記事では、道路上空におけるドローン飛行について、どのように整理し、どのように成立させたかを実務ベースで解説します。
このページで分かること
案件概要
- 都市部の道路上空でのドローン飛行
- 周辺に教育機関・施設が存在
- 短時間の限定的な飛行計画
一見すると小規模な案件ですが、行政判断が分かれる典型的なケースでした。
どこで止まる可能性があったか
- 道路上空という第三者環境
- 車両の通行管理ができないこと
- 警察と自治体で判断が分かれること
- 安全確保の方法が不明確であること
つまり、「申請不要=実施可能」とはならない構造でした。
行政の判断構造
① 警察の判断
- ドローン飛行については申請不要
- ただし強制的な車両排除は不可
- 補助者配置による安全確保が前提
形式上は許可不要ですが、条件付きの実施判断でした。
② 自治体の判断
- ドローン飛行について独自の許可は出さない立場
- 判断は警察の見解に依存
つまり、最終判断は現場運用に委ねられる構造でした。
実際に整理したこと
① 法令の整理
- 航空法上の許可不要の確認
- 小型無人機等飛行禁止法の非該当確認
- 道路使用との関係整理
制度ごとに分けて整理しました。
② リスクの可視化
- 車両通行リスク
- 第三者侵入リスク
- 予期せぬ状況変化
現場で起こり得る事象を洗い出しました。
③ 現地運用の設計
- 補助者の配置
- 車両接近時の一時停止運用
- 飛行範囲の限定
- 即時中止判断の明確化
「止まらない設計」ではなく「止められる設計」を構築しました。
どう成立させたか
- 強制排除を前提としない運用設計
- 安全確保を人の配置で担保
- 中止判断を明文化
制度ではなく、現場で説明できる運用構造を作りました。
なぜ成立したのか
- 行政判断の前提条件を満たしている
- リスクに対する対応が具体化されている
- 現地で再現可能な設計になっている
つまり、「条件付き判断」をそのまま運用に落とし込んだことが成立理由です。
よくある誤解
- 申請不要なら自由に飛ばせる
- 警察がOKなら問題ない
- 小規模案件なら安全である
いずれも、そのままでは実務に耐えません。
なお、実際の案件では「申請不要」と判断されても、そのままでは成立しないケースがあります。
まとめ
道路上空でのドローン飛行は、
- 法令上の整理
- 行政判断の理解
- 現地運用設計
を一体で考える必要があります。
重要なのは、「なぜ実施できるのか」を説明できる状態を作ることです。
ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する