
イベント上空か否かの判断基準|行政書士が解説:矢野事務所
【催し上空か否か】の判断は悩ましいものです。集合者は第三者か…。飛行の間接関与者≠第三者ですが間接関与者と認められるには高いハードルがあります。弊所では数十人〜100人超える集合はイベント申請し航空局から安全策の指導を受けるようしています。許可申請というより事故回避の共同作業です。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) November 17, 2025
ドローン飛行で最も判断が難しいテーマの一つが、「イベント上空に該当するかどうか」 です。
特に大規模イベントでは、航空法が定める「第三者」の定義や、間接関与者の条件を現場で満たすことが極めて困難であり、判断を誤れば航空法違反につながるリスクがあります。
本記事では、行政書士として多数の飛行許可申請を扱ってきた視点から、
イベント上空に該当するかどうかの実務判断
「第三者」および「間接関与者」の具体的な意味
現場で生じるギャップと実務上のリスク
安全側で申請すべきケースとは
これらを分かりやすく整理し、現場で迷わないための実践的な判断基準をご紹介します。
このページで分かること
「第三者」
ドローンを活用した空撮やビジネス展開が進む中、航空法に基づく飛行許可・承認申請は不可避のプロセスです。
中でも「多数の者の集合する催し場所の上空での飛行」に該当するかどうかの判断は、現場のドローン操縦者や主催者にとって、常に頭を悩ませる最大の課題の一つです。
この判断の鍵となるのは、国土交通省が示す「第三者」の定義です。
この「第三者」の定義は、理路整然としたものではありますが、しかし、この法的定義を現場の大人数の集合に適用しようとすると、極めて高いハードルに直面します。
航空局が示すの厳密な定義
航空法では、無人航空機の飛行に直接的・間接的に関与していない者を「第三者」と定めています。
逆に、第三者に該当しない「間接関与者」であれば、その集合の上空は「催し場所上空」には該当しない(申請が不要となる)可能性があります。
この「間接関与者」として認められるためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
| 間接関与者の条件 | 航空局による運用解釈(抜粋) |
| a) 目的の関与 | 操縦者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断している。 |
| b) 安全上の注意の理解と確認 | 間接関与者が、操縦者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある 。 |
| c) 参加の決定権 | 間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる 。 |
| 例 | 映画の空撮における俳優やスタッフ、学校等での人文字の空撮における生徒等。 |
理論と現実のギャップ
この定義は安全確保の理屈としては完璧です。
しかし、大規模なイベント現場では、「間接関与者」の条件(特にbとc)を満たすことが現実的に極めて困難になります。
現実的困難 1:1,000人規模への「指示確認」
最もネックとなるのが、条件b)の「明確な指示と安全上の注意を受けていること」、そして「操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある」という点です。
大規模イベント
数百人から1,000人規模の参加者全員に対し、ドローンの計画外挙動時の具体的な行動(例:頭を覆う、その場にしゃがむなど)を個別に伝達し、さらに操縦者が一人ひとりの理解度を「確認」し、保証することは、時間的にも人員配置的にも非現実的です。不確実性のリスク
1,000人のうちたった一人でも指示が不徹底であったり、現場でドローンに関心を失って勝手な行動を取った場合、その瞬間にその人物は「第三者」と見なされ、催し場所の上空を無許可で飛行したことになりかねません 。
現実的困難 2:「自ら決定する自由」の証明
条件c)の「関与するかどうかを自ら決定することができる」という点も、集団行動の場では曖昧になりがちです。
学校の運動会、企業の集合研修、地域の祭りなど、参加が義務的、あるいは半強制的な雰囲気がある場合、この「自由意志」に基づく参加であることの証明は難しくなります。
現場での現実的な選択
このように、「第三者の定義」を厳格に適用し、「イベントではない」と判断して無許可飛行を行うことは、現場でのわずかなミスや不測の事態が即座に航空法違反につながるという非常に高いリスクを負います。
そのため、多くのドローン操縦者や事業者は、以下のような「安全側」の判断を行うのが現実的な運用解釈となっています。
①数十人〜100人を超える集合がある場合、または不特定多数の視線がある場合、「催し場所の上空での飛行」として許可申請を行う。
②申請を通じて、航空局から「イベント上空を飛行するための安全確保体制」(補助者の配置、立入管理区画の設定など)についての具体的な指導を受け、それに従うことで、法的な不確実性を排除し、万全の体制で安全な飛行を実施する。
航空法が目指す安全確保の理念は揺るぎませんが、「第三者」の定義を現実の現場で完璧に履行し続けることの困難さこそが、ドローン飛行における最大のジレンマであり、多くの操縦者が安全確実な申請を選ぶ理由となっているのです。
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