【許可実例】DID上空飛行&道路横断:包括申請の矢野事務所

【申請実例】DID上空飛行&道路横断

 

以下に紹介するのは、将来の物流飛行を展望して行った計画の「飛行許可・承認」の実例です。

(申請者名称・地名・住所・日時・その他等、特定できるものは削除)

矢野事務所の包括申請
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現地許可取り申請フォーム付き

許可申請の背景

この飛行計画は、将来のレベル4実証事業(物資輸送)を目指して行う「試金石」的な位置づけとしました。

現状、レベル4の条件である1等の型式認証機体も、まだ1機しかなく調達できる目途もたっていません。

レベル3飛行(補助者なし・無人地帯・目視外)は増えてきているようですが、有人地帯での実証飛行はまだこれからのようです。

有人地帯上空をイメージ

そこで今回、レベル2(補助者あり・目視外)ではあるものの、「有人地帯上空」での物流飛行をイメージして「DID上空直線1km飛行」(実測1.2㎞)を計画し国交省への許可申請を試みました。

目的は、この申請を通じて「有人地帯飛行で必要となる安全確保の体制の要件」を探っておく…というものです。

申請は「場所と日時を特定した飛行」(つまり個別申請)ですが、私たちの関心は「許可承認がなされる安全確保体制とはどういうものか」という点でした。

許可自体は無事に下りましたが、当然その申請内容はシンプルとは言い難いものになりました。

以下に、今回航空局が許可を出した申請について紹介して行きます。

飛行計画・許可申請の概要

飛行計画の概要

今回申請した飛行計画は、およそ以下の通りです。

飛行計画の概要

①人口集中地区(DID)の上空・高度50m

②離陸場所は小売店の駐車場。着陸地点は直線1.2km先の商業施設の駐車場

③飛行経路下に数本の道路を横断

④日の出から日没までの間の目視外飛行、立入管理措置あり(補助者設置)

⑤MATRICE300RTK(プロペラガードなし)

飛行許可申請の内容

国交省へ申請内容は書類申請で行いました。

「場所と日時を特定した飛行」(つまり個別申請)で内容は以下の通りです。

飛行の目的
■その他(実証事業準備のための同経路の試験飛行
申請する飛行禁止空域と方法
人又は家屋の密集している地域の上空
■目視外飛行
■人又は物件から30m以上の距離が確保できない飛行
上記で飛行させる理由
ドローンによる物資配送実証事業の事前サーベイとして飛行する。同飛行場所がDID地区に該当する為。
■離着陸場所が遠隔であり目視外飛行を行う可能性がある為
■場所や依頼によっては、人又は物件から30m以上確保できない飛行を行う可能性がある為
飛行ルート

プロペラガード非装着の理由

当PJのリーダーは、使用機体のMATRICE300RTKにプロペラガードを装着しないことを最初から決めていました。

ペイロードの節約が頭にあったからです。

輸送用のドローンにおいては、ペイロードは出来る限り配送物資に充てること及び機体により負荷をかけず電池の消耗を避けること等を、通常の飛行とは異なる条件として自らに課していました。

MATRICE300RTKのプロペラガードの重量は4枚で520g。

同機のペイロード2.7㎏の2割を占め、確かに軽微な影響とは言えません。

しかし、このプロペラガード非装着はそれ自体で、DID上空・人モノ30m未満飛行の許可基準を満たしません。

そこで許可基準がクリアできる代替策とはどういったものかを探るため、下記の内容で申請しました。

申請のポイント

今回、飛行許可を取得できた理由として、いくつかのポイントがあるので紹介します。

追加基準への適合性

飛行許可には「追加基準の適合性」という申請箇所があります。

分かりやすく言えば、その形態で飛行させるなら次の基準に合う要件を整備せよ。。。というようなものです。

今回の申請は以下の3つの飛行形態に対してそれぞれ追加基準が設けられました。

〇人又は家屋の密集している地域の上空を飛行(第三者上空の飛行以外) ・・・DID上空
〇人及び物件との距離30mを確保できない飛行(第三者上空の飛行以外)・・・人モノ30
〇目視外飛行

少しわかりにくい表現になるのですが、この追加基準をクリアできているかどうかということを「適合性」があるかどうかと云います。

これらを合わせて「無人航空機の追加基準への適合性」と云います。

did上空、人モノ30m

この二つに設けられた追加基準(許可の基準)は

「第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する機能を有すること」

というものです。

本来であればこの機能を果たすのがプロペラガードです。

今回はペイロード節約のために非装着です。

従って代わりの適合性を用意しなければなりませんでした。

以下が、実際に航空局の許可・承認を得た適合性の中身の一部です。

PJ秘に関わる部分ですので非公開部分があることをご了承ください。

追加基準への適合性:DID、人モノ30

1.実証事業本番では最小限のペイロード負担で飛行させるため、重量のある(500g)プロペラガードは装備しない。

2.代替策として、第三者が飛行経路下に入らないように監視及び注意喚起をする補助者を必ず配置し、万が一第三者が飛行経路下に接近又は進入した場合 は操縦者に適切に助言を行い、飛行を中止する等適切な安全措置をとる。

3.具体的には以下のとおり。(部分的に割愛)

    1. 離陸地点から着陸地点間の機体が視認できる場所に、間隔200mを目安とした要確認地点を7地点設定し補助者7名を配置する。
    2. 見晴らしが困難な地点の配置は避け・・・する。
    3. 補助者は飛行中は常に・・・する。
    4. 操縦者と補助者間の・・・する。
    5. 経路下の住民に・・・する。(飛行時間は約4分)
    6. 周知方法は〇〇市役所及び警察署と連携し該地で最も効果的な方法を行う。

人間の目視の限界は200~300mと云われ、これを根拠に飛行距離1200mに7名配置としました。

目視外飛行

もうひとつの「追加基準への適合性」が求められました。

目視外飛行です。

目視外飛行には以下の三つの追加基準が設けられています。
①自動操縦システムを装備し、機体に設置されたカメラ等により機体の外の様子を監視できること
②地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できること(不具合発生時に不時着した場合を含む。)
③不具合発生時に危機回避機能(フェールセーフ機能)が正常に作動すること

DIPSの包括申請でも求められるアレです。

それぞれに対する適合性説明は以下を提出し、許可・承認されました。

追加基準への適合性:目視外飛行
①メーカー指定の自動操縦システムアプリ(DJI PILOT2)を使用した自動操縦システム及び純正のカメラ
を搭載している。
② 同上
③ 同上

第二の申請書

前述の通り、私たちの関心事は、航空局からどのような要求指示が出るか・・・という点でした。

何故なら、この申請に対する当局からの指示が、今後レベル4飛行(第三者上空・補助者なし・目視外)に臨むにあたっての重点ポイントにつながり、これをクリアすることが試金石の一つと考えていたからです。

DID上空、直線飛行、目視外、道路横断(第三者上空)etcという今回のケースは、レベル4の「立入管理措置を行わなず補助者も配置しない自律飛行」以外は同じような環境となるからです。

従って、このような私たちの飛行申請が審査を通過するものなのかどうか?

はねられるとすればどのようなダメ出しが来るのか?・・・これは大きな関心事でした。

リーダーは今回の申請を「これは飛行レベル2.5だ」と見事に言い当てていました。

飛行マニュアルの追記

課題の一つは「道路横断」時の対策でした。

第三者上空は目視外で飛行させることは出来ません。

プロジェクトでは「補助者」を完璧に設定しましたが、目視外による第三者上空は許可されません。

そこで第三者(人・走行車)が通る横断歩道上空の対策は、飛行マニュルを加筆修正しクリアしました。

尚、飛行マニュアルの他の部分の書換え(独自マニュアル)については内容を公表することは控えております。

これまで有償で独自マニュアルをご提供した方々への不利益になるためです。

関連記事:ドローンレベル1・2・3・4とは?

国土交通省:無人航空機レベル4飛行ポータルサイト

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