ドローン事故は7割が人的ミス:包括申請の矢野事務所

7割が人為的ミス

2021年度に国交省報告のあったドローンの事故139件のうち、分析報告の完了している事案71件を紹介します。

確認不足・連携不足・・・・

71件のうち24例は機体故障・不具合や強風等の外的要因によるものでしたが、残りの48例は操縦者と補助者に起因する事故となっています。

事故の実に7割近いものが「何らかの人為的なミス」にかかわって起きた事故なのです。

確認不足・連携不足・怠り・認識不足・油断・認識誤り・打合せ不十分・見落とし・把握・・・。

人の意識・認識に関する語句が並びます。

飛行マニュアルの記載事項の徹底がいかに重要かを再認識させられ、国交省が初めて出した「教則」が操縦者の心得から始まっていることもうなづけます。

人為的なミスによるもの

【原因1】
・前日に航路のマッピングを行ったが、作業当日の現場確認で変形した田んぼ及び近くに存在する建物の認識が甘く、航路設定が適切に行えなかった。

・補助者を設定していたが、液剤調整を行っており、また、適切に場所におらず確認が行えなかった。

【原因2】
・操縦者の意思と異なる動きが生じた時に、適切な操作ができなかった。

・危険箇所の確認不足であった。

・操縦者と機体監視者の事前打合せが不十分であったことから、不用意に機体に接近した。

【原因3】
・離陸地点の風速は飛行マニュアルの範囲内だったが、上空は風が強く機体が流され、また、帰還する際に向かい風であったことからバッテリーの消費が大きくなった。このことから、着陸場所付近でバッテリー残量が10%となり強制着陸モードが発動した。安全に着陸させようとし手動着陸に切り替えたが操作を誤り電話の引き込み線に接触させた。

【原因4】
・飛行範囲の人又は物件の安全については、補助員の配置を行うなど対応していたが、関係者の当該物件については、適切な離隔距離を設定していなった。

・無線交信による補助者の指示が不通になったが、その際、操縦者は停止せずに自己判断で飛行を継続した。

・進行方向の延長線上に障害物がある場合の飛行高度の設定が不適切であった。

【原因5】
・通信不能によるもの。

・各種規定の理解及び遵守不足

【原因6】
・オペレーターとナビゲーターの連携不足であった。

・周辺の状況について確認不足であった。

【原因7】
・飛行前に支線を確認をしていたが、失念し接触した。

・障害物に向かっての飛行させた。

・ナビゲーターとの連携不足であった。

【原因8】
・必要以上に高度を上げてしまった。

・障害物について認識が不足していた。

・機体の動向を確認するオペレーターが機能しなかった。

【原因9】
・光の影響を受け、目測を誤った。

・圃場内に存在した電線上空でのホバリングと散布方向の間違い。

・外気温が高くなり、オペレーターの注意が散漫した。

・経験があった場所での防除ということもあり障害物や散布の慣れから油断があった。

【原因10】
技量不足による操縦操作の不具合。

【原因11】
・ナビゲーターがエンドラインの位置に着く前に散布を開始したことにより、電線に気づくことが遅れた。

【原因12】
・レンズを被写体に向け続けたまま弧を描くカメラワークに意識を集中しすぎるあまり、モニターに映し出されていない進行方向への注意がおろそかになった。

・動画撮影前に飛行予定経路の確認が不足していた。

・補助員を配置したものの、飛行経路全体を見渡せる位置ではなく、安全確認体制に不備があった。

【原因13】
・不用意に障害物へ接近した。

適切な回避操作が行えなかった。

【原因14】
・現地確認不足により、光ファイバーケーブルに気づかなかった。

【原因15】
・オペレーター、ナビゲーターともに鉄塔は認識していたが、鉄塔脇を通過する際、目測を誤った。

・ナビゲーターの位置が悪く、適切な指示を行えなかった。

【原因16】
・電話線の存在について確認していたが、水田の稲の倒伏に気を遣って操作を行っていた。

・以前にもこの圃場を散布した経験があったことから、油断があり、障害物への危機感が足りなかった

【原因17】
・架線に並行するような飛行を行うべきところ、実施しなかった。

・補助者の経験が浅く、架線の存在を把握していたが、上述の飛行プランなど提案が行えなかった。

【原因18】
・電線越える飛行を行うとしたところ、地上の車に意識が向き、電線に接触した。

・オペレーターとナビゲーターの連携が行えていなかった。

【原因19】
・機体を上昇させた際に電線の存在について見落とした。

・オペレーターとナビゲーターの注意不足と安全確認不足

【原因20】
・飛行開始前の設定で電力線の下を通過する計画をしていたが失念し、電力線の高さに近い高度設定を行った。

【原因21】
・送電線について十分に確認を行わず、作業効率を優先し電線・道路を越えて飛行し、ナビゲーターが適切な位置に移動する前に飛行を先行させた。

【原因22】
・電柱や電線などの圃場周囲の状況は把握しており、衝突を回避するために操縦を行ったが、オペレーターの想定どおり操縦することができなかった。

【原因23】
・当初計画していた停止位置を超え、機体ステータスを、操縦者、補助者ともに確認できていなかった。

・事故現場の近くは、高圧鉄塔、高圧線から近く、この影響下で途中GPSが途切れた可能性もあるが、事前に試運転等行い、想定することが必要であった。

・機体ステータスの確認をできなかったことで対応が遅れた。また緊急停止できなかった。

【原因24】
・現場の確認が十分に行えていなかった。

・オペレーター及びナビゲーターの連携不足があった。

【原因25】
・複数の圃場を連続して散布する計画をしたが、他の圃場へ移動する際に電柱上の視線に引掛け墜落したが、ナビゲーターと防除方法について連携が不足していた。

【原因26】
・無線機を利用して指示確認を行っていたが、オペレーターとナビゲーターの連携ミスで散布予定区域から飛び出したことで事故につながった。

【原因27】
・事前の圃場周辺の状況確認不足であった。・補助員との連携不足であった。

【原因28】
・ドローンを自動操縦から手動操作に切替えた際の進行方向操作誤りによるもの。

【原因29】
・自動飛行(追従)モードを過信し、僅かに目視を怠ったため衝突した。

【原因30】
・操縦者による標識の目測誤り及び確認不足によるもの。

【原因31】
確認不足により、電話線の存在に気づけなかった。

・補助者から操縦者に電話線があることは伝えてあったが、操縦者は6本の線のうち4本しか目視できず、その見えている線のみと思い操縦を行った。

【原因32】
・機体を前進させ、右側へ旋回したところ、農道と圃場に電線があり、機体と電線の距離を見誤りローターが接触した。

・オペレーターとナビゲーターは機体の動きのみを見ており、電線の位置を把握できていなかった。

【原因33】
・補助者から操縦者に対し、電話線があることの注意はあったが、電話線の位置や高さ等の詳細な指示がなかった。

・操縦者が圃場にある木に気をとられ、電話線の存在を瞬間的に見落としてしまった。

・補助者及び関係者が適切に注意ができなかった。

【原因34】
・飛行開始時のバッテリーの充電率が60%の状態で飛行を開始し、その後、電池残量減少のアラームが鳴っていたのにも関わらず、飛行を継続させた

【原因35】
・遮蔽物(樹木)による電波の遮断・自動帰還機能の確認不足・不適切な監視員の配置

【原因36】
・ダム堤防からの突風・補助者なしでの飛行

【原因37】
・風が穏やかでもまた強まる可能性があることや、地上で風が弱くても上空では強風の可能性があることの風の特質について認識が不足していた。

・プロペラガードの保護機能について過大評価をし、プロペラの殺傷能力について過少評価を行っていた。

【原因38】
・飛行範囲が谷地形であったため、一部の範囲でGPS受信状況が悪く、自立姿勢制御が機能しなくなった。

・操縦経験が浅く、自立姿勢制御が機能しなくなったドローンの操縦に対応できなかった。

・GPS受信状況による墜落のリスクについて十分理解できていなかった。

【原因39】
・飛行前に離着陸場所と物件の位置関係の確認を怠っていたことにより、マニュアル操作にて離陸したところ、電線高度と機体高度に見た目上の錯覚(錯視)があり、機体を前進させた際に該当電線に接触、すぐに回避行動を取り離脱した。

【原因40】
・操縦中、突然声をかけられ注意力が散漫になった。

・補助者もドローンの降下を意図した操作と誤認識したことが考えられる。

【原因41】
・通信不能によるもの・機体との接続が切れた場合の対処について準備が不十分であった。

【原因42】
・機体には障害物検知もついているほか、RTH機能も備わっているため、如何なる状況であっても自動帰還してくれるものと誤認していた。

・事故後製造元メーカーに確認したところ、GPS信号が微弱な状態で障害物を検知した場合、回避飛行が行えずその場で停滞してしまうことがあるとのことで、この現象に対する理解が不足していた。

【原因43】
・離陸場所が適切でなかったと思われる。

【原因44】
・ナビゲーターとの連携不足

・障害物から距離をとる基本的な操作を怠った

【原因45】
・Ground Control Stationの右下部分に、全ての電源系統を強制遮断するコマンドを送信することのできるボタンが配置されている。このコマンドボタンが意図せず(PCの誤作動か操縦者が気付かず押したかは不明)押下されたことにより、全てのモーターが停止し墜落に至った。

【原因46】
・プロポに保管されるフライトログについて記録が残っておらず原因分析が困難なところ、飛行中、モニターの変化に気づかず初動が遅れた。

【原因47】
・ローバッテリーRTHモードの警告に焦って、そのまま飛行を継続(撮影時間から逆算し、バッテリー残量を65%程度で離陸)

・機体上空に樹木の枝があったが自分の影の映り込みを避けるため、また自動車などの往来がある橋脚近くに立てず、結果的に機体を最も視認できる場所で飛行していなかった。

【原因48】
・事故が発生した圃場については縦250メートルの大区画でありオペレーターとナビゲーターの連絡に無線を用いていたが、距離が離れすぎたことから無線連絡が途切れた。そのためナビゲーターからの連絡がオペレーターに届かず、回避が遅れ電話線に接触した。

機体不具合、外的要因

【原因49】
・フライトコントローラーのモニタに注視し、操縦を行っていた。

【原因50】
・購入してから一度も通信が途絶したことはなく、周囲に通信を遮断するような障害物も存在しなかったため、原因は不明。

【原因51】
・機体のログ解析の結果、耐風性能を超える風速であったことから、機体が流され姿勢を崩して墜落した。

・離陸地点の風速は風を感じない程度であったため上空での強風を予想できなかったこと、また、機体は風速の検知結果を操縦者に知らせる手段を持っていなかったことから、想定外の風速に対応できなかった。

【原因52】
・下部障害物センサーの機能を用いて、海面を低空飛行させていたところ、陸上部におけるセンサーの使用と異なる動きになったことから、海上に墜落させてしまった。

【原因53】
・機体のエンジンが過剰な回転によりエンスト状態が生じた。また操舵過剰も見られた。

【原因54】
・GPSエラーの為、離陸地点でホバリングする機能及び送信機のコマンドを受け付けないエラーが発生した。なお、機体下部に別途、発信機を装着していた。

【原因55】
・原因についてフライトログを解析し分析中であるところ、障害物検出センサやGPSなど電子機器の突発的な不具合が考えられる。

【原因56】
・通信障害については近隣住宅、電線からの影響を受けた可能性がある。

・機体の上昇は通信障害時の安全機能の発動であるが、操縦者がGPS障害と判断し、GPSを復旧しようとモードを解除した際、機体がバランスを崩し、墜落した。

【原因57】
・フライトデータについて確認したところ、航行中に突然電圧がゼロになっていたことから、当日の気温を勘案すると、航行中にリポバッテリーが膨らみバッテリー装着部から外れた可能性がある。

【原因58】
RTHの機能も作動しなかったことから、以下について可能性として考えられる。

・機体の事前チェック不足によりプロペラが外れる、バッテリーの取付が適切ではなく電源喪失など。

・鳥との衝突。

【原因59】
・高圧電線付近を飛行したことによる、電波障害が考えられる。

【原因60】
・スマホのアプリと発信機のフライトレコーダーの記録についてメーカーへ送り解析した結果、機体スピードセンサーの基盤の故障が判明した。

【原因61】
・飛行前に点検を行い、電波も正常であったことから、墜落原因は不明。

【原因62】
・飛行中、高度を下げた際、送信機からの電波伝搬が下がった可能性がある。

・付近の地形として湖の両側が山になっており、撮影した地点が谷であったことから、飛行途中でGPS信号の受信が出来なくなり機体が戻れなくなった可能性がある。

・雲が発生し影響した可能性がある。

【原因63】
・同飛行経路で過去に30回以上飛行しているが、GPS信号を捕捉できなくなった事及び送信機との通信が途絶えたことはなく、周囲に通信を遮断するような障害物も存在しないため、現時点での原因は不明。

【原因64】
・機体に何らかの不具合が発生し通信不能となりフェールセーフ(ホバリング)も作動せず紛失したと思われるが(機体を紛失しており)機体不具合の原因は特定できなかった。

【原因65】
・機体の対気速度上限は15m/sであり、ログ分析の結果から墜落直前にこの上限に近い環境であったことから、強い突風が吹いたことが予想され、耐え切れずに墜落した模様。

【原因66】
・都度目視で確認は行っていたが、目視外になった際に衝突してしまった。障害物センサーが付いているがスポーツモードでは自動的に解除される仕組みになっており、当該モードにて飛行していたことも事故を防げなかった原因の一つと考えられる。

【原因67】
・周辺が針葉樹や広葉樹に囲まれており、飛行させる前に周辺状況は確認したが、枯れ枝が肉眼では確認が難しく接触してしまった。

・飛行時は、操縦者と補助者は近くにおり操縦者は機体を確認、補助者はプロポの画面と機体周辺の状況を確認していた。

【原因68】
・バッテリー関連及び風速の影響について問題がないと判断したことから、機体メーカーに解析を依頼したところ、データの解析の結果、墜落に至るまでは操作に不具合の前兆が確認されなかったことから、機体不具合の可能性は高いとのことであった。

【原因69】
・GPS の精度が低下し、位置制御の信号が自動で切替わったこと、及び切替わった位置制御の信号に数値以外の信号が入力され、フライトコンピュータが計算エラーを起こした。

【原因70】
・上空の風が強かったため機体が流された。

・帰還させようとしたが向かい風だったこともあり、操作不能となり、流された先で通信不能となった。

【原因71】
・電波の混信により制御不能となった可能性がある。

 

イベントの事故以来、法規制は次第に厳格化されていきました。

イベント上空ドローン落下事故の教訓「催し場所上空の禁止」

 

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