ドローンを直径1m配管内で飛ばす:包括申請の矢野事務所

国産ドローンの面目躍如

ドローンを配管の中で飛ばし点検する会社の戦略

中国のDJI社が非常に優れた技術で安価な製品を実現しドローンの市場を席巻しているのは紛れもない事実です。

しかし、用途を絞り活用領域を限定したドローンを開発し小規模ながら存在感を発揮しているメーカーもあります。

「屋外」飛行はもうDJIや他の大手企業にまかせ、逆に彼らがが手を出さないニッチな市場を狙う戦略です。

「くらい・狭い・危険な」設備点検専門のドローンを開発し点検産業を進化させている会社の事例について解説します。

ニッチな戦略の成功例

 狭くて暗くて汚いところに特化

煙突の中、ダクトの中、ボイラー、天井裏、エレベータ、橋げたの裏・・・といったところの点検に活躍しているドローンがあります。

狭くて暗くて汚いところに特化したドローンです。

導入している業種は、製鉄会社・電力会社・石油化学コンビナート等々の大企業がメインです。

大工場にあるボイラーの内部には、クリンカと呼ばれる石灰化したものがこびりついており、人が入るだけでその頭の上に落ちてしまう危険があります。

また、火力発電所クラスのボイラーになると高所にあるバーナーを見るだけでも、足場を組まないと見に行けないというような巨大な施設となります。

同様に、配管の中、煙突の中もなかなか人が行きにくいところであり、無理して入ると酸欠の危険もあります。

ドローンではその心配は全くありません。

こんな場所で「狭くて暗くて汚いところ専用ドローン」を使うと、人は炉の外にいてドローンだけを危険な炉の中に入れることが可能になります。

この安全性に加え、その小回り性から、今まで見ることができなかったところを見ることができるという高機能が高く評価され購入している業者が増えてきています。

気づいたこと

最近では、建設業、ゼネコンを中心とした建設業からも「狭くて暗くて汚いところ専用ドローン」の依頼が少しずつ増え始めているようです。

それ以外にも最近では、穀物サイロに入ってほしいとか,砂糖をためている倉庫の中の砂糖の体積を測って欲しいとか、自治体やボイラーメーカーからゴミ焼却施設の点検をして欲しいとか,様々な需要の広がりも出てきているのです。

ドローンは本来、大空を気持ちよく飛ぶために最適化されて作られていますが、その真逆のところに「狭くて暗くて汚いところで飛ばす」ことを目的としたドローン市場が存在していたということです。 

このドローンメーカーも、始める前は全く気づかないでいた「狭くて暗くて汚いところは、様々な業種にある」ということが分かっってきたようです。まさに新市場を開拓したということです。

ドローンの弱点の克服

広い大空を飛ぶものとされる一般のドローンは、障害物が多い空間を飛ぶことなどは想定していなく、より長い時間飛ぶための機能の方が高められています。

一方で、ドローンの弱点である、壁に吸い寄せられやすい性能や姿勢を崩してしまう傾向がちょっとした衝突を招いてしまうというリスクの方は、あまり問題視されてきてはいませんでした。

しかし、狭くて暗くて汚いところは、この問題に真正面から向き合わなければなりません。

「狭くて暗くて汚いところ専用ドローン」は、多少の衝突では姿勢を崩さない姿勢制御技術や壁に吸い寄せられにくい又は吸い寄せられても簡単に剥がすことのできる制御機能をもたせることに成功しました。

とにかく真っ暗なところを飛行させるので、特殊な画像センサーを積んだ超高感度カメラを標準装備したりLED照明も標準装備しました。

またモーターとプロペラにもこだわり、特にモーターについては製鉄会社では粉じんが出るためドローンの飛行が止まってしまう危険性を、特別に注力した対策でクリアしました。

プラントや建設現場の過酷な場所でも、粉塵が原因で飛べなくなることがないように作り上げられたのです。

こんな狭くて暗くて汚い空間でも世界一気持ちよく飛ばせるドローンを作る・・・という高みを目指して技術開発に取り組んできた結果の勝利です。

直径1m内の配管を飛ぶ

ではこれらの専用ドローンは、実際にどこまで狭いところを入れるのでしょうか。

実力値は直径50センチです。直径50センチの配管ですあれば、ゴツゴツとぶつかりながらも、行って戻ってくることが可能です。

ただ、現場ではこのようなツルツルとした条件の良い配管はなく、水が溜まっていたり砂が溜まっていたりするので実際には80センチ90センチといった配管から点検をしているとのことです。

劇的に高まる経済メリット

それでも発注側からすれば、これまで暗闇で狭いところに足場を組んだりゴンドラを使ったりして行ってきた点検よりも、圧倒的に安全であり、費用対効果が確実であるこの専用ドローンを高く評価しています。

例え金額が同額程度でも、足場やゴンドラの準備にかかる時間、組み立てをばらす時間等がなくなれば、その分工場の稼働率を減らさないで済むという最大のメリットも生まれるからです。 

安全性も良く、経済的にも良いということであれば導入が進まないはずはありません。  

まとめ:マーケティングの成功

この会社は更に将来的に、図書館蔵書点検、倉庫点検、冷蔵庫点検を目的としたドローンも視野にいれているようです。

今回ご紹介した事例は、単にドローンの用途の一例に留まらず、一つのマーケテイングの成功例としても示唆に富んだものと言えます。

競合大手が手をかけない技術に着目、見えなかった箇所が見えるようになるという他にない機能開発、クライアントの確実な経済メリットの提供・・・・。

弱者が強者に勝つ戦略の成功例ではないでしょうか。

 

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