
操縦ライセンス国家資格制度の正体
このページで分かること
ドローン操縦ライセンス国家資格の正体と影響
操縦のライセンス国家資格の制度が2022年12⽉から始まりました。
試験の管轄団体である海事協会から次々と試験日程が発表されています。
ただし、仮に最速で合格したとしても、その後の諸⼿続きや免許の発行⼿続きなどで、⼿元に届くのが2⽉~3⽉まで時間かかるという発表もなされています。
新制度に向けて登録講習機関の申請、海事協会による試験日程の整備等が急ピッチで行われています。
昨今の旺盛なドローン需要に伴って国交省も日々の許可申請や機体登録の増加でてんやわんやですが、今般の新制度に付いていけないユーザーが増加し、これから一層混乱していくのではないでしょうか。
操縦ライセンス国家資格の正体とその影響について、ポイントを解説していきます。
いよいよレベル4解禁
まず操縦ライセンス制度の発足、法改正の眼玉は何といっても「⾶⾏レベル4の解禁」です。
これまでに絶対に禁止されていた有⼈地帯(⼈がいる地域)での⽬視外⾶⾏について、1等資格ライセンス取得者が認証機体で飛ばす場合に限り、認められることになりました。(その都度、飛行許可申請は必要です)
補助者がいない状態の単独での⽬視外⾶⾏という、危険で難度の高い飛行になるわけですから、これまで制度の運⽤に必要となる基準等が何度も検討された結果の解禁です。
このレベル4飛行という新制度では、機体の認証制度と操縦ライセンス制度に加えて、運⾏管理の要件というものも厳しくなります。
今まで⾶⾏マニュアルで行われていたルールの運用が厳格化され、一度決めた飛行運用・管理ルールを守らなければ罰則を科すというものに生まれ変わります。
資格だけでは許可不要とならない
資格的には、操縦ライセンスと機体認証の⼆つを新制度の両輪としたものになります。この⼆つをセットで持っていないと包括申請が不要にはなりません。
飛行許可申請が不要になる条件としては「機体認証」も併せて取得していなければいけないので、操縦ライセンスだけもっていたとしても、飛行許可申請(包括申請)は結局必要になります。操縦ライセンスの国家資格だけ持っていても駄⽬ということです。
機体認証についても、機体ごとに原則認証の⼿続きを⾏うことになるので現行の「機体登録」と同様にオンラインでの⾏政⼿続き業務が発⽣します。おそらく機体登録と同様に⼿数料が発⽣することも考えられます。
2等ライセンスが増える?
操縦ライセンス国家資格には1等と2等と⼆つが設けられます。
1等はレベル4を⾏うような危険な⾶⾏を⾏うための操縦ライセンス資格です。(レベル4:有人地帯・無補助者・目視外)
常日頃からこの1等資格で飛行をしなければならない人というのはそう多くはないはずで、2等の取得に向かう方も多いと予想されます。
これらの2等の方たちにとって飛行許可が免除になるのは、もう一つの新制度「機体認証制度」によって認証された機体での飛行をするときです。
そのときでしか免除にならないので、これまで通りに包括申請を⾏い飛行させることも続いていくのではないかと思われます。
飛行計画の通報が義務化
もうひとつ新たな制度として⾶⾏計画の「通報」が義務化されました。
これまでは、飛行許可を取得した後に「FISS」と呼ばれるシステムによって、いつどこでどの機体を⾶ばすのか、どのドローン⾶ばすのか等の飛行計画を登録していました。
今回、このシステムが「ドローン情報基盤システム(dips2.0)」に統合され、この通報システムに登録をしないと罰則がつくという厳格なルールに変わりました。
飛行計画の通報をせずに特定飛行を行った場合、30万円以下の罰金となります。
罰則だらけに
危険度合いによって飛行のカテゴリーが三つ設けられましたが、カテゴリー2というのがこれまでのような一般的に⾶⾏許可が必要になるものです。(ちなみに、カテゴリー1とは許可不要の飛行のことで、カテゴリー3はレベル4の飛行のことです)
⼈⼝集中地区とか、夜間⾶⾏や⽬視外⾶⾏、30m未満での⾶⾏とか、そういったところで⾶⾏計画登録と通報を行わなかった場合の罰則ができたり、あとは⾶⾏日誌(⾶⾏の記録)を作成しておかないといけない。
また、⽴ち⼊り禁⽌区画の設定。これも安全をちゃんと担保するためのこういった区画設定しないと罰則が課されることになります。
更に、飛行許可申請に関わらず事故の報告であったり、救護義務というのも新制度では出てきています。
これらについては新しく出される⾶⾏マニュアル⾒ながら「罰則が付く項目」を⾒ていった⽅が良いと思います。
これらの他に「飲酒時・薬物での⾶⾏の禁止」や「危険⾶⾏の禁止」、「⾶⾏前の点検確認」等々の違反にも罰則が科されるという制度になりました。
もちろん無許可⾶⾏、承認なしでの⾶⾏というのも当然罰則の対象ですが、認証や免許や一つ一つの罰則等、網羅的に定められた点から見れば、2022年度はドローンの法整備元年と言えるかもしれません。
審査が極めて厳しい登録講習機関申請
今、ドローン業界で最も関心を集めているのが操縦ライセンス制度に伴う「登録講習機関」の認定です。
登録講習機関は国家資格を得るための講習を行う機関で、いわば⾃動⾞教習所のようなものです。
全国に存在する1300校ほどのドローンスクールが⽬指しているのがこの登録講習機関です。
登録申請の受付が開始された2022年9月には、一気に数百社が殺到しました。
しかし、国交省の審査を通過するハードルはかなり高く、この記事を書いている2023年10月時点で約審査が全て完了した先は700社前後でしょうか。
厳しい審査基準であることがうかがえます。
申請から完了まで、どんなに早くても2か月~3か月はかかっています。
新制度に混乱
様々な新ルールが一気にスタートしました。
スタートにあたりとても大事になるのが「制度の周知」です。
これについては国交省の⽅で⾏ったり管理団体や講習団体、そしてドローンスクールの⽅でも⾏っていくのですが、いかんせん数が⾜りなすぎるという問題が起こっています。
国交省のヘルプデスクには様々な問合わせが入っており、パンク状態です。
一般社団法人日本ドローンコンソーシアム会長の野波千葉大学教授(ドローン研究の権威。東京都の⾏政書⼠会の研修会ご登壇)は、この制度の周知には行政書士の協⼒が必要不可⽋ということをおっしゃっており、飛行許可申請だけでなくこういった制度周知にも行政書士が積極的にかかわり、ドローン業界の健全な発展に貢献して欲しいと言われているくらいです。
ドローン飛行の基本【国土交通省:無人航空機の飛行許可・承認手続き】
四十七都道府県別ドローン規制と飛行許可申請手続き
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